大型特殊免許の取得にかかる日数はどれくらい?教習所に通う場合の注意点も解説
- トラックドライバー
「大型特殊免許ってどんな免許なの?」
「普通運転免許を持っていない場合でも大型特殊免許を取得することはできる?」
「大型特殊免許の取得にかかる日数や費用はどれくらいなの?」
このように、大型特殊免許の取得についてさまざまな疑問を抱いている人もいるのではないでしょうか。
本記事では、大型特殊免許の概要や大型特殊免許で運転できる車の種類、大型特殊免許の受験資格などを紹介しています。本記事を読むことで、大型特殊免許について理解を深めることができるでしょう。
また、大型特殊免許を取得する方法や取得にかかる日数、費用などを紹介するため、実際に大型特殊免許の取得を考えているという人も参考にできます。
大型特殊免許の取得にかかる日数について知りたい人は、ぜひ本記事を参考にしてみてはいかがでしょうか。
大型特殊免許とは?
大型特殊自動車は、主に建設現場で利用されているクレーン車やショベルカー、ブルドーザー、ホイールローダーといった大型自動車を指します。大型特殊免許とは、このような特殊な大型自動車を運転して公道を走るための免許です。
大型特殊免許で運転できるのはどんな車?
大型特殊免許を取得すれば、大型特殊自動車、原動機付自転車、小型特殊自動車の3種類の車が運転できるようになります。
たとえば、ブルドーザーやショベルカー、ホイールローダーなどのを運転する場合は、大型特殊免許が必要になります。
大型特殊免許と大型免許の違い
大型免許とは公道で大型自動車を運転するための免許です。たとえば、10tトラックを公道で運転するためには大型免許を取得する必要があります。
一方、大型特殊免許の場合は前述のとおり、クレーン車やブルドーザーといった大型の特殊車両を公道で運転するための免許になります。
大型特殊免許を取得するメリットは?
大型特殊免許を取得することで、クレーン車やショベルカーなどの大型の特殊車両を運転できるようになります。そのため、大型特殊免許を持っている人は他の免許を持っている人よりも需要が高く、就職や転職時にも有利になるでしょう。
また、大型特殊免許を持っている人は多くの業種、企業から求められるため、企業によっては資格手当が付く可能性もあります。そのため、給与面でも高い傾向があります。
大型特殊免許だけでは現場の作業に携われない
前述のとおり、大型特殊免許は大型特殊車両を公道で運転するために必要な免許です。しかし実際には、大型特殊車両のほとんどは工事現場などで使用される車両であるため、公道で走らせるためのものではありません。
実際に大型特殊車両を使って作業する場合には、自動車免許とは別の作業免許が必要になります。たとえばフォークリフトを使って現場で作業を行う場合、大型特殊免許だけでなくフォークリフトで作業するための資格も取得する必要があります。
大型特殊免許の受験資格は?
大型特殊免許試験の受験資格としては、「18歳以上」「視力が両眼で0.7以上かつ一眼で0.3以上」などの条件があります。
また、過去に免許の取り消し処分などを受けた場合は、受験前の1年以内に取消処分者講習を受講し、欠格期間を過ぎた後でなければなりません。
出典:大型特殊免許試験(指定教習所を卒業された方)|警視庁
参照:https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/menkyo/annai/ogatatokushu/tetsuzuki06.html
普通運転免許を持っていなくても大型特殊免許を取得できる?
結論から述べると、普通運転免許を持っていなくても大型特殊免許を取得することは可能です。受験資格として普通免許の有無は問わないため、普通免許を持っていなくても大型特殊免許を取ることはできます。
ただし、普通免許を持っていれば学科試験が免除されることから、普通免許を持っているかどうかで取得にかかる時間や金額などが大きく変わってきます。
大型特殊免許を取得する方法
大型特殊免許を取得する方法としては、大きく分けて教習所に通って取得する方法と一発試験で取得する方法の2種類があります。
ここでは大型特殊免許を取得する方法について解説していくため、参考にしてみてはいかがでしょうか。
教習所に通う
大型特殊免許を教習所で取得する場合は、普通運転免許証などの取得状況により教習内容や時間が変わってきます。
普通自動車運転免許証などを取得している場合は6時限の技能講習のみで、学科講習は必要ありません。そのため、早ければ4日程度で取得できる可能性もあります。
一方で、普通自動車運転免許証などを取得していない場合、22時限の学科講習と12時限の技能講習が必要になります。
大型特殊免許の場合、基本的に3か月以内に教習所を卒業する必要がありますので時間の講習スケジュールの調整に注意しましょう。
一発試験を受ける
一発試験とは、教習所に通わず運転免許試験センターで免許試験を受験することを意味します。大型特殊免許の一発試験を受ける場合、普通運転免許を持っていれば、試験センターで当日発表されるコースで慣らし走行を行い、検定を受験するだけです。
ただし、大型特殊免許を一回で合格できる可能性は低いです。難易度が高いため、一発試験を受ける場合は何度か受験することを想定しておく方が良いでしょう。
大型特殊免許の取得にかかる日数
大型特殊免許取得までにかかる日数も、教習所に通うケースと一発試験で取得するケースでは期間が異なります。
ここでは大型特殊免許の取得にかかる日数について解説していくため、参考にしてみてはいかがでしょうか。
教習所に通った場合
普通運転免許を所持している場合、学科は免除されるため、技能教習を受講すると卒業検定となります。そのため、早ければ検定を含めて4日間で取得することも可能です。
普通運転免許を所持していない場合は、学科と技能教習の両方を受講後、卒業検定となります。
一発試験を受ける場合
普通免許を所持している場合、一発試験であれば大型特殊免許を1日で取得することが可能です。ただし、当日発表されたコースでいきなり大型特殊車を運転することになります。
そのため、一発試験を一回受けただけで大型特殊免許を取得するのは困難だと言えるでしょう。
大型特殊免許の取得にかかる費用
大型特殊免許を取得するためにかかる費用は、教習所に通うケースと一発試験で取得するケースでは異なります。もちろん、一発試験だけで受験する方が費用はかかりませんが、一発試験を一度受験するだけで合格することは難しいでしょう。
ここでは、大型特殊免許の取得にかかる費用についてそれぞれ解説していきます。
教習所に通った場合
教習所に通った場合、教習所によっても費用は変わりますが、普通運転免許を所持している場合は7~13万円程度が相場となるでしょう。普通運転免許を所持していれば学科が免除となるため、上記の金額で取得可能です。
普通運転免許を所持していない場合、学科も受講することになるため、費用の相場は17万円~21万円ほどとなります。
一発試験を受ける場合
一発試験であれば、大型特殊免許取得にかかる費用は受験料、試験車使用料、免許証交付料などを合わせて6,100円程度となります。
ただし、一度の受験で合格できる可能性は高くはないため、2回程度受験することを想定すると12,200円程度が相場だと言えるでしょう。
教習所で大型特殊免許の取得を目指す場合の注意点
大型特殊免許は、どの教習所でも取得できるわけではありません。むしろ、大型特殊免許を取得できる教習所の方が少ないと言えます。
近くにある教習所に通おうと思っていても、その教習所が大型特殊免許に対応していなければ意味がありません。大型特殊免許の取得を目指す場合は、事前に大型特殊免許の教習が受けられる教習所を探す必要があるでしょう。
大型特殊免許の一発試験を受ける際の注意点
ここまで紹介したとおり、一発試験で合格できるようであれば、一発試験で取得する方が教習所に通うよりも時間的、費用的なコストを抑えることができます。ただし、大型特殊免許を一発試験で受験するには、いくつか気を付けなければいけないポイントがあります。
ここでは大型特殊免許の一発試験を受ける際の注意点を紹介していくため、参考にしてみてはいかがでしょうか。
練習場所の確保が必要
大型特殊免許を一発試験で受験する場合、いきなり大型特殊車両を運転することになります。そのため、大型特殊免許を一発試験で受験するには、練習場所を確保して事前に練習しておくことが大切です。
練習できる環境がない場合は、練習のために別途費用がかかることも考慮しておく必要があるでしょう。
練習不足で合格できない可能性がある
大型特殊免許の一発試験の合格率は30%程度だと言われています。合格率は決して高くはないため、練習が十分でない場合は一発試験で合格できない可能性もあるでしょう。
一発試験だけで大型特殊免許取得を目指す場合は、しっかりと練習しておくか、練習しなくても合格できる自信がある場合に受験するのがおすすめです。
試験は平日のみ
大型特殊免許の試験の受験日は平日のみとなっています。土日、祝休日、年末年始などは休みとなっているため、一発試験で受験する場合は平日に試験センターに通う必要があります。
そのため、一度で合格できなければ何度も平日に通わなければならなくなる点は気をつけておきましょう。
大型特殊免許は教育訓練給付金制度の対象になる場合がある
教育訓練給付金制度とは、厚生労働省が認めている教育訓練を修了した際に受講費用の一部が支給される制度です。大型特殊免許の場合、一般教育訓練の教育訓練給付金が対象となっています。
そのため、大型特殊免許を取得する際に国から指定されている訓練機関を利用し、申請を行えば、受講料などの費用の20%程度を給付金として受け取ることができるでしょう。
出典:教育訓練給付制度|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html
大型特殊免許の取得にかかる日数を確認しておこう
大型特殊免許を取得することで、転職や就職にも有利になる可能性があります。大型特殊免許は一発試験でも取得することは可能ですが、教習所に通って取得するのが一般的だと言えるでしょう。
ぜひ本記事で紹介した大型特殊免許の概要や大型特殊免許を取得する方法、かかる日数や費用などを参考に、大型特殊免許の取得を目指してみてはいかがでしょうか。