ハンドリフトの正しい使い方とは?使用のメリットや注意点を解説
- その他ドライバー
「ハンドリフトって何?」
「ハンドリフトを使うメリットって?」
「ハンドリフトを使用するときに気を付けた方がいいこととは?」
このように、ハンドリフトの正しい使い方を知りたいという人もいるのではないでしょうか。
本記事では、ハンドリフトの使い方やハンドリフトを使うメリット、ハンドリフトを使用するときの注意点などを紹介しています。本記事を読むことで、ハンドリフトの正しい使い方について理解を深められるでしょう。
また、ハンドリフトの管理方法や値段相場についても解説しているため、ハンドリフトについて詳しく知りたい人も参考にできます。
ハンドリフトの正しい使い方について知りたい人は、ぜひ本記事を参考にしてみてはいかがでしょうか。
ハンドリフトとは?
ハンドリフトはハンドフォークリフトとも呼ばれており、一般的なフォークリフトとは違って手で動かすタイプのフォークリフトです。
フォークリフトは工場などで荷物の運搬に用いられていますが、ハンドリフトも手押しで操作しながら荷物を移動させたり運んだりすることができます。
ハンドリフトにはエンジンが付いていませんが、細かい操作や狭い場所での作業がしやすいなどのメリットがあります。
ハンドリフトの種類
ハンドリフトとひと口に言っても、手動タイプのものと電動タイプのものにわかれます。ここではハンドリフトの種類を紹介していくので、どのような種類があるのか参考にしてみてください。
手動ハンドリフト
手動ハンドリフトとは、一般的にハンドリフトと呼ばれているものです。手動ハンドリフトを用いる場合、ハンドルを上下に動かすなど手動で操作することになります。
手動ハンドリフトはシンプルな構造になっているため、価格も抑えめで操作しやすい点がメリットだと言えるでしょう。
ただし、全ての操作を基本的に人が自力で行うことになるため、作業には力が必要になります。また、持ち上げられる荷物の重さにも制限がある点などがデメリットだと言えます。
電動ハンドリフト
電動ハンドリフトとは、パレットを持ち上げるときに電動で作業できるハンドリフトです。作業者は自力でハンドルを上下させる必要がないため、力が弱い人でも扱いやすいです。
また、電気の力によって手動ハンドリフトよりも重たい荷物を持ち上げられるため、重量物を扱う場合には電動ハンドリフトの方が使いやすいと言えるでしょう。ただし、手動ハンドリフトよりも価格が高く、使用する際には電源が必要になるなどのデメリットもあります。
ハンドリフトの使い方
ハンドリフトには電動のタイプもありますが、基本的には人力で操作する手動ハンドリフトが一般的です。ハンドリフトを使う場合は、フォークリフトと同じようにパレットを使って荷物を持ち上げ、移動させることができます。
ここでは、ハンドリフトの使い方を紹介していきます。
- 左右のフォークをパレットに差し込む
- パレットを持ち上げる
- パレットを移動させる
- フォークを下ろしパレットから抜く
左右のフォークをパレットに差し込む
ハンドリフトを使って荷物を移動させる場合、まずは左右のフォークをパレットに差し込みます。フォークを指し込む際に、あまり奥まで差し込み過ぎるとフォークが抜けなくなる可能性があります。
また、パレットが破損するリスクが高まるため注意するようにしましょう。
パレットを持ち上げる
ハンドルを上下させるとフォークが動きます。フォークを上げる場合は、ハンドルに付いているレバーを下げて手前に引くようにしましょう。
このように操作することで、フォークが差し込まれているパレットを持ち上げられます。
パレットを移動させる
ハンドリフトは前へ押すのではなく、手前に引いて動かすのが基本的な移動方法となります。パレットを移動させる場合はレバーを中央の位置にして、ハンドルを手前に引くようにしましょう。
ハンドリフトを押して移動すると方向が安定しにくいため、動かしづらくなります。また、前が見にくいため他の作業員や荷物などにぶつかってしまうリスクも高いです。
そのため、ハンドリフトは必ずハンドルを手前に引いて動かすようにしましょう。
フォークを下ろしパレットから抜く
フォークを下げる場合はハンドルレバーを握りましょう。レバーを握るとフォークが下がり、パレットを下ろせます。
荷物を目的地まで移動させたら、ハンドルに付いているレバーを握ってフォークを下ろしましょう。なお、レバーを強く握り過ぎるとフォークが一気に下がってしまうため、ゆっくりと力を入れることがポイントです。
フォークを下ろしたらパレットからフォークを抜きます。
ハンドリフトを使うメリット
工場や倉庫での作業ではフォークリフトが用いられることも多いですが、ハンドリフトが使われることも多いです。ハンドリフトの場合は構造がシンプルなため、フォークリフトを導入するよりもコストが掛からないなどのメリットもあります。
ここでは、ハンドリフトを使うメリットについて解説していくので参考にしてみてください。
- フォークリフトよりも安く購入できる
- 免許が必要ない
- 簡単に重い荷物を運搬できる
- 高齢者や女性でも扱える
- 狭い道でも通りやすい
- 微調整しやすい
フォークリフトよりも安く購入できる
フォークリフトは重量物でも持ち上げられますが、車両になるため購入しようと思うと数百万円の費用が必要になります。中古であっても、百万円以上のコストが掛かるでしょう。
その点、ハンドリフトは本体がシンプルなため、一般的なフォークリフトよりも安く購入できるというメリットがあります。できるだけコストを抑えて導入したいのであれば、ハンドリフトがおすすめです。
免許が必要ない
フォークリフトは特殊自動車であるため、フォークリフトで公道を走行する場合は、車体のサイズや最高速度によって対応する運転免許を取得する必要があります。また、作業を行う場合はフォークリフト運転技能講習などの講習を修了し、資格を取得する必要があります。
その点、ハンドリフトであれば免許を取得する必要はありません。使い方さえ把握しておけば誰でも扱えるため、免許保有者を採用する必要がないというメリットがあります。
簡単に重い荷物を運搬できる
ハンドリフトであれば、人が自力では持てないような重たい荷物でも簡単に運搬できるというメリットがあります。ハンドリフトはフォークリフトほどの重量物は持ち上げられませんが、自力で運ぶ場合とは比較にならないほど効率的に重い荷物の運搬ができます。
パレットには多くの製品が詰まっているため、人の手では動かすことはできません。そのため工場や倉庫での作業を行う場合、ハンドリフトは必須のアイテムだと言えるでしょう。
高齢者や女性でも扱える
高齢者や女性は男性に比べると腕力がないため、重い荷物を運ぶことが難しいでしょう。その点、ハンドリフトを使えばハンドルを動かすだけで重い荷物を持ち上げられるため、高齢者や女性でも重い荷物を簡単に運べるというメリットがあります。
ハンドルを動かすためにはある程度の力が必要になりますが、ハンドリフトであれば人力では持ち上げられないような荷物でも運べるでしょう。そのため、さまざまな従業員が荷物の移動を行えるようになります。
狭い道でも通りやすい
フォークリフトは車両のため車体が大きく、走行時にもスピードが出ます。そのため、ある程度の幅がないと使用できません。
その点、ハンドリフトはフォークリフトよりも小型でシンプルな構造をしているため、狭い道でも通りやすいというメリットがあります。手動で細かい操作ができるため小回りも利きます。
狭い場所や通路の多い倉庫で作業する場合は、ハンドリフトが活躍するでしょう。
微調整しやすい
前述のとおり、手動で動かすハンドリフトはフォークリフトよりも細かい操作がしやすいです。フォークリフトに比べて、パレットを置く位置の微調整がしやすい点はメリットだと言えるでしょう。
一方、フォークリフトは電動で動くため重い荷物を持ち上げることは得意ですが、パレットを置く位置の微調整などは不得意です。
ハンドリフトを使用するときの注意点
ハンドリフトは操作がシンプルで、フォークリフトのように免許がなくても簡単に操作できます。しかし、ハンドリフトを使用する場合にはいくつか気を付けなければならないポイントもあります。
ここでは、ハンドリフトを使用するときの注意点を紹介していくため、参考にして安全な使用を心掛けましょう。
荷物のバランスを確認する
ハンドリフトに荷物を載せる際は、バランスに気を付ける必要があります。荷物のバランスが悪いと引いて運搬している途中でバランスを崩し、荷物を倒してしまうリスクがあります。
そのため、最初に荷物を載せる際はバランスよく積むようにしましょう。また、荷物の重心が偏っていそうな場合は、偏りに合わせてフォークを差す位置を調整するとよいでしょう。
荷物を積み過ぎない
ハンドリフトは種類によって耐荷重が決められています。荷物を積み込み過ぎると持ち上げられなくなるため、荷物を載せ過ぎないようにしましょう。
耐荷重を越えた荷物を無理に動かそうとすると、ハンドリフトの爪が折れて荷物が落下してしまう可能性もあります。事故を発生させないためにも、ハンドリフトに積載できる荷重はきちんと把握しておくようにしましょう。
フォークはパレットの奥まで差し込む
フォークがパレットの奥まで差し込めていないと、パレットが傾いて倒れてしまうリスクがあります。運搬中にパレットが傾いている場合はフォークの差し込みが足りないため、しっかりと奥まで差し込むようにしましょう。
ただし、奥まで差し込み過ぎてしまうとハンドリフトのツメがパレットに挟まり、抜けなくなってしまう可能性もあります。そのため、奥に差し込み過ぎないように注意することも大切です。
運搬時にフォークの上げ過ぎや下げ過ぎに注意する
荷物を運搬する際にフォークを上げ過ぎると、荷物のバランスが崩れて不安定になります。一方、フォークを下げ過ぎるとパレットで床を傷付けたり小石などでパレットがずれたりして、荷物が落下する可能性があります。
そのため、フォークの上げ過ぎ・下げ過ぎには十分注意するようにしましょう。特にフォークを下げ過ぎて床に触れてしまった場合、床の加工が剥げて傷ついてしまうこともあります。
ハンドリフトは引いて移動する
ハンドリフトは小回りが利きますが、前に押して移動するとハンドルが取られやすく真っ直ぐに進めません。ハンドリフトは、基本的に引いて移動することが大切です。
実際に、運搬中に左右にぶれやすいという人は前に押して操作しているケースが多いです。そのため、前に押すのはパレットを置く際だけにして、通常は引いて移動するようにしましょう。
運搬は慎重に行う
ハンドリフトを走行させたり荷物を運搬させたりする場合、走行速度には十分な注意が必要です。スピードが速過ぎると足元の障害物に気付かなかったり、振動で荷崩れを起こしてしまったりするリスクもあります。
また、周囲の作業員の足を引いたりぶつかったりするなど怪我に繋がる可能性もあります。そのため、荷物を運搬する際には速度はゆっくり、慎重に行うようにしましょう。
フォークを一気に下げない
パレットを降ろす際に、フォークを一気に下げないようにしましょう。フォークを急降下させると、パレットが床にダメージを与えてしまう可能性もあります。
また、割れ物を運んでいる場合、衝撃で品物が破損してしまうリスクもあります。フォークを降ろす際にはゆっくりとレバーを握って降ろすことが大切です。
木製のパレットには使えない場合もある
ハンドリフトの多くは木製のパレットに対応していません。木製のパレットを持ち上げようとするとフォークが折れ、荷物が落下してしまうリスクもあります。
ハンドリフトを使用する際は、どのようなパレットに対応しているのか事前に把握しておくようにしましょう。
ハンドリフトの管理方法
ハンドリフトは正しい方法で管理を行い、使用しなければ事故につながる可能性もあります。実際に、ハンドリフト使用時のミスは正しい管理や使用をしなかったことが原因であるケースが多いです。
ここでは、ハンドリフトの管理方法について解説していきます。
使用時に油圧・タイヤ・フォークを確認する
ハンドリフトを使用する前に、油圧・タイヤ・フォークをきちんと確認するようにしましょう。具体的には、油圧はきちんと上下するか、タイヤは摩耗していないかどうか、フォークに亀裂がないかどうかを確認しましょう。
この3つのポイントに問題がある場合、ミスにつながるリスクが高まります。
保管時はフォークをパレットに差し込んでおく
ハンドリフト保管時には、ハンドリフトが勝手に動いてしまわないようにフォークをパレットなどに差し込んで固定しておくようにしましょう。特に、落下の危険がある場所に保管する場合には注意が必要です。
また、パーキングブレーキがあるハンドリフトの場合は、しっかりブレーキをかけてロックしておくことが大切です。
ハンドリフトの値段相場
ハンドフォークリフトの値段は、手動タイプと電動タイプで大きく異なります。
また、当然ですが新品よりも中古の方が安く購入できます。手動ハンドリフトの中古品であれば、1万円程度からでも購入できるでしょう。
手動のハンドリフト | 3~5万円程度 |
---|---|
電動のハンドリフト | 10万円以上 |
中古のハンドリフト | 1~2万円程度 |
ハンドリフトを購入する際に注目するポイント
ハンドリフトにもさまざまな種類があります。ハンドリフトを購入する場合は、対応重量やタイヤの性能などチェックしておきたいいくつかのポイントがあります。
ここでは最後に、ハンドリフトを購入する際に注目するポイントを紹介していくため、ハンドリフト選びの参考にしてみてください。
- 対応重量
- タイヤの性能
- フォークの形状
- フォークが上昇する高さ
- 使用場所に合っているか
- 中古購入の場合
対応重量
ハンドリフトには対応重量があります。耐荷重を超える重さの荷物を無理に載せようとしても、持ち上げられなかったり、爪が折れて荷物を落としたりする可能性もあります。
そのため、扱う荷物の重さを考慮し、ハンドリフトの対応重量を確認して選ぶようにしましょう。普段扱っている荷物よりも、多少重たい荷物が運べる程度の耐荷重のハンドリフトを選ぶと良いでしょう。
タイヤの性能
ハンドリフトのタイヤの性能もチェックしておきましょう。タイヤが頑丈な素材でできているハンドリフトであれば、それだけ長い期間使用できます。
また、ある程度の高低差にも対応できるタイヤが搭載されている場合は、平らな場所だけでなくさまざまな場所で使用できるでしょう。
フォークの形状
ハンドリフトは製品によってフォークの形が異なります。そのため、ハンドリフトを選ぶ際には、フォークの形状が普段扱っているパレットや段ボールに合うかどうか確認するようにしましょう。
たとえば、パレットではなく段ボールをそのままフォークに載せるような使い方をするのであれば、爪が平らな形状をしているハンドリフトを選ぶのがおすすめです。
フォークが上昇する高さ
ハンドリフトのフォークがどのくらいの高さまで上がるのかも確認しておきましょう。ハンドリフトによってフォークが上昇する高さにも違いがあるため、運搬したい荷物にフォークが届かなければ意味がありません。
普段高い場所に荷物を置いている場合は、荷物を置いている棚の高さを確認した上で、フォークが届くハンドリフトを選ぶようにしましょう。
使用場所に合っているか
ハンドリフトは狭い通路の多い工場や倉庫でも使えるというメリットがあります。しかし、傾斜の多い場所では手動のハンドリフトは扱いづらいです。
基本的に、手動のハンドリフトは平地で使うことが前提となっています。そのため、傾斜が多い場所では電動のハンドリフトやフォークリフトを選ぶなど、使用場所に合ったハンドリフトを選ぶようにしましょう。
中古購入の場合
中古のハンドリフトを購入する場合は、ここまでに紹介したポイントの他にもタイヤやフレーム、油圧シリンダーなどをチェックするようにしましょう。
中古品の場合は、タイヤがすり減っている可能性があります。ハンドリフトを動かした際に、タイヤがスムーズに動くかどうか必ず確認するようにしましょう。
また、ハンドリフトのフレームは頑丈ですが、劣化してフレームが曲がっている可能性もあります。亀裂が入っている場合もあるためよく確認しておきましょう。
最後に、油圧シリンダーもチェックしておきましょう。劣化によって油圧シリンダーに損傷ができ、オイルが漏れている可能性もあります。
ハンドリフトの正しい使い方を守って安全に作業を行おう
ハンドリフトを用いることで、女性や高齢者でも重い荷物を簡単に運搬できるようになります。
ぜひ本記事で紹介したハンドリフトの種類や使い方、ハンドリフトを使用するときの注意点や購入する際に注目するポイントなどを参考に、ハンドリフトの正しい使い方を守って扱えるようにしましょう。