配車業務の仕事とは?やりがいや向いている人の特徴に年収などを紹介
- トラックドライバー
「配車業務で働きたいけど実際にどんな仕事をするのか分からない」
「年収はいくらくらい?」
「ドライバー経験がないと配車係にはなれない?」
この記事を読んでいる人の中には、上記のような疑問を抱いている人もいるでしょう。
本記事では配車業務の仕事内容についてまとめていき、やりがいや向いている人の特徴、年収についても解説していきます。
配車業務はその名の通り車を送り届けるのが主な仕事で、一見すればドライバーよりも簡単そうに思われがちですが、思ったより難しいことが多く長続きしなかったという人も少なくありません。
そういった失敗を予め回避するためにも、配車業務の実態をここで理解しておき今後の活動に役立てていきましょう。
配車業務とは?
配車業務は自社のトラックドライバーに配車用トラックを割り当て、必要な車を回して仕事を配分することです。
ドライバーに対して指示出しする存在と認識して良いでしょう。業界内では『配車係』や『配車マン』と呼ばれることもあります。
配車係の指示によってドライバーたちが活動するので、積み忘れやルートの確認など、ミスが出ないよう用心深く仕事をする必要性があります。
配車業務のやりがい
配車業務で得られるやりがいは、依頼された物を顧客へ届けられた時や効率的な配車業務ができた時に感じられるでしょう。
また、配車係はドライバーと密着した関係性を持つことになりますが、そのドライバーから信頼を得られた時にもやりがいを感じられるでしょう。
配車業務の仕事内容
ここからは配車業務の仕事が具体的にどのような流れで行われるのかについて解説していきます。
一言で車を届けるための指示出しと言っても、その中には主に6つの作業内容が含まれています。どの作業もミスをすればドライバーや顧客に迷惑をかけてしまう重要な仕事であるため、現場で失敗しないためにもしっかり確認しておきましょう。
車両の手配
配車業務の始まりは顧客から依頼されるところからです。電話やメールで届いた依頼内容を確認し、その内容に沿うようにパソコンで車両を手配します。
自社ドライバーがどこにいるかを把握し、荷物に応じていくつ車両を手配するべきか、具体的な配達コースはどのようになるのかをすべて配車係が判断します。
各ドライバーへ交通状況の確認
交通状況は悪天候や事故によるトラブルで渋滞が起きることがあります。もしもドライバーが走行中の道路に渋滞が発生していた場合、運行の遅れや配送トラブルの原因になってしまいます。
交通状況に異変がないかドライバーに連絡を取り、交通状況を確認するのも仕事の1つです。
ドライバーへの指示
走行中のドライバーに指示出しするのも配車係の重要な仕事です。
業務中はドライバーの方から無線や電話で頻繁に連絡が入ってきます。時にはドライバーの目の前で交通事故が発生した、ということもあり得ます。
配車係は冷静かつ的確に指示出しする必要性があるので、ドライバーに手配させた後も気が抜けません。
各ドライバーの運行状況の把握
近年はGPSを利用した動態管理システムが普及しており、自社ドライバーの位置や運行状況の把握がより正確に行えるようになりました。
配車係はそのシステムを利用して随時ドライバーの運行状況を把握しておく必要があります。しっかり把握しておくことで、業務中に顧客からの問い合わせや要望があった場合に円滑に指示出しできるようになります。
ドライバーの安全確保
目的地までのルートを確保することも配車係の仕事ですが、ドライバーにもしものことがあってはならないため、安全な運行ルートを作成する必要があります。
また、近年ではコンプライアンス遵守や働き方改革といった影響から、ドライバーの長時間労働が問題視されています。ドライバーの過剰労働にも注意を払いましょう。
他社の配車業務の人と連携し仕事の円滑化を図る
繫忙期に入ると自社の車両だけでは仕事を回しきれないといった不測の事態が発生してきます。そういった場合、付き合いのある他社の配車係に車両を手配してもらう必要性が出てきます。
他社の配車係と連携して仕事の円滑化を図ることは、配車係の腕の見せ所と言えるでしょう。関係を深められれば、自社が閑散期に入った時に仕事を回してもらうといったこともできるでしょう。
配車業務が向いている人
配車業務はドライバーへの指示出しや他社と連携することが主な仕事内容でした。ミスのない指示を出すことはもちろん、時には移り変わる交通状況からとっさの判断力が求められる仕事でもありました。
配車係は誰でもなれるわけではなく、仕事をこなすには以下の能力を持っている人が向いていると言えます。
ここでは配車業務に向いている人を紹介していきます。
コミュニケーション能力が高い人
配車業務はドライバーや顧客はもちろん、事務職や上司、他社の配車係との関わりがとても重要です。多様な人間がいる中でそれぞれと良好な関係を築かなければなりません。
そういう部分ではコミュニケーション能力が高い人が有利に働けるでしょう。相手の話をしっかり聞き分けられ、物事をはっきり話せる人であればなお向いていると言えます。
また、ドライバーの年齢によっては年上に対して指示出しする可能性も考えられるため、そういった際にしっかり指示出しできる度胸もあった方が良いでしょう。
もしもコミュニケーション能力に自信がないという人は、ドライバー職を検討してみるのも1つの手段です。
ドライバーとしての経験や事情に詳しい人
配車係になればドライバーに仕事を割り振ることが主な仕事内容になります。
場所や距離を計測し、当日の天候や道路状況から安全に荷物を運ぶためのルートを実際に作成することになります。もしも無駄足ばかりのルートを組んでしまえば、それが原因でドライバーとの関係が悪化しその後の業務に支障が出てしまうかもしれません。
そのため、ドライバーとしての経験や知識がある人は配車業務に向いていると言えます。
様々な情報を扱える人
車両の手配やドライバーの位置把握など、配車業務は日々情報を追って指示を出すことの繰り返しになります。そのため、配車係は素早く情報整理ができる人でなければなりません。
顧客からの依頼や手配できる車両状況、当日の交通状況など、複数の情報を適切にかつ正確に処理できるような人は配車業務に向いているでしょう。
問題解決能力が高い人
配車業務でトラブルが起きるとしたら、それはドライバーの運行状況になることが多いでしょう。
運行状況は天候や道路での事故、渋滞によって変わってしまいます。そういったトラブルに迅速な対応を求められるのが配車係の仕事でもあります。
仮にトラブルが発生した時に配車係が慌ててしまえば、それがドライバーにも影響を及ぼす可能性があります。問題が起きた時も常に冷静でいられる人は配車業務に向いているでしょう。
ポジティブな人
車の運転中に渋滞に巻き込まれると、ドライバーに相当なストレスがかかります。それは配車ドライバーにとっても同じことです。
実際に配車業務で働いていると、ドライバーから愚痴や文句を言われることは珍しくないと言われています。それでも配車係としては彼らにお願いしなければならないため、ドライバーのストレスを真向から受け止めないポジティブな気持ちを持っておくことが重要です。
配車業務に向かない人
配車業務に向かない人は、コミュニケーションが苦手な人や情報処理が不得意な人でしょう。中でもストレスを溜めやすい人は要注意です。
ドライバーは渋滞に巻き込まれたり、夜間労働などによってストレスを溜めやすく、連絡を取り合う配車係に愚痴や文句を言うことが珍しくありません。
配車係はそういった精神面での疲労が溜まりやすい職種とも言えるので、実際に配車業務を目指している人はドライバーとの関係を重点的に意識しておく必要があるでしょう。
配車業務の年収
残業や賞与などで変動したり、大型車や中型車といった配車車両によっても異なりますが、配車業務の年収は約300万円~500万円とされています。
また、平均月収は約20万円~30万円とされており、長く続けている人で約40万円とされています。
配車業務に必要な資格
配車業務ができるようになるには『運行管理者試験』に合格する必要があります。試験を受けられる人は基礎講習を修了している人、もしくは1年以上の実務経験がある人に限られます。
試験は運行管理者試験センターが指定した場所で行われ、合格できた人は運輸支局で運行管理者資格者証の交付を申請・取得することで初めて配車業務に携わることができます。
出典:運行管理者になるためには運行管理者になるためには|運行管理者試験センター
参照:https://www.unkan.or.jp/about.html
ドライバー業界の頭脳といえる配車業務にチャレンジしてみよう
この記事では配車業務の仕事内容や向いている人の特徴などをまとめてきました。
配車業務は顧客やドライバーたちとのコミュニケーションが大事で、特にドライバーとの関係は良好にしておく必要がある職種だと言えます。
ドライバーの経験や事情に詳しい人であれば、円滑に仕事ができるでしょう。もしも自分がこの仕事に向いていると感じた人は、ぜひ転職や就職を検討してみてはいかがでしょうか。