トラック運転手をすぐ辞めるべきケースとは？辞める方法や転職のポイントも紹介
- トラックドライバー
「トラック運転手をすぐに辞めていいケースってどんなもの？辞めない方がいいケースもあるの？」
「円滑に辞める方法や新しい転職先を探すポイントを知りたい」
トラック運転手として仕事をしている人の中には、何らかの理由で仕事を辞めたいという気持ちから、このような疑問や興味を持っている人もいるのではないでしょうか。
本記事では、トラック運転手がすぐ辞める方がいいケースや辞めない方がいいケース、円滑に辞める方法や新しい転職先を探す際のポイントについて紹介しています。
この記事を読むことで、トラック運転手をすぐ辞めるかどうかを検討することが可能です。その知識をもとに、転職するための準備や円滑に辞めるための準備ができるようになる他、スムーズに転職先を見つけることができるでしょう。
トラック運転手で今の職場を辞めたいと考えている人は、ぜひこの記事をチェックしてみて下さい。
トラック運転手をすぐ辞める方が良いケースとは？
トラック運転手として働いていると、何らかの理由がきっかけで仕事を辞めたいと思ってしまう人もいるのではないでしょうか。このようにトラック運転手が仕事を辞めたいと思うきっかけとしては、給料面や人間関係、仕事内容などが関係していることが多いです。
そして理由の中には、実際に仕事を辞めた方がいいと周囲も判断できるケースがいくつかあります。ここからは、そんなトラック運転手が仕事をすぐ辞める方がいいと判断できる理由やケースを8つ紹介します。
給料が相場よりも少なすぎる
トラック運転手の給与は運転するトラックの大きさ、労働時間や仕事内容によって異なるものの、給与基準を見ることで自分の給料が相場と比較すると高いのか安いのかを判断することができます。
一般的なトラック運転手の給料相場は、賞与なしでおよそ34万円、賞与ありの場合は37万円程度とされています。また見習期間と正社員では給与が異なるので、正社員になる段階で契約書などを確認しておかなければいけません。
その際に自分の働いている会社の給与が相場よりも安いと判断できた場合、転職して適正な給料を支給してくれる会社を選ぶことがおすすめです。
残業代が支払われない
トラック運転手の仕事はただ荷物を運搬するだけではなく、荷待ちの待機時間や積み込みも含まれていて、それらにかかる時間も労働時間です。このため時間によっては残業になってしまいかねないのですが、会社によってはそれらの労働時間を含めていない場合があります。
そうすると適正な残業代が支払われていないという場合もあるので、給与明細と勤務実態を確認しましょう。そのうえで残業代など労働に対する対価が正しく支払われていなかったのであれば、すぐ辞める方がいいと判断できます。
人間関係に問題がある
トラック運転手は1人で仕事をしている時間が多いところが魅力ですが、事務所に戻って作業をすることもあり、ある程度職場での人間関係を構築していくことになります。
そんな職場の人間関係で上司や同僚からのハラスメントがある、会社の雰囲気が悪いなど何らかの問題があり、どうしてもそれに耐えられないという時は無理をしてはいけません。心身ともに疲れてしまう前に、すぐ辞める方がいいケースのひとつです。
健康に影響が出ている
仕事が原因で健康に影響が出ている場合も、すぐに辞めた方がいいケースだと言われています。トラック運転手は様々なものを運搬しており、中には危険なものも少なくないです。例えば医療廃棄物の回収作業をしていると感染症のリスクを抱えることになります。
また危なくないものでも、重いものを運んだり荷物の積み下ろしを繰り返すことで腰痛になる・悪化するという問題も出やすいです。
このように仕事内容が原因で健康面に影響があり、仕事を続けていくことが難しい・不安がある場合、転職を検討するのもありだと言えます。
労働時間が長い・休憩が取れない
元々他の仕事と比較すると、トラック運転手の労働時間は長い傾向が見受けられます。それでも厚生労働省が労働時間の上限を設けているため、適正な運営をしている会社であればきちんと労働時間を管理しています。
ですが労働時間の基準やコンプライアンスを守っていない会社の場合、長時間労働を強いる・拘束時間が長くて休憩が取れないなど、適正な労働環境が維持できていない可能性もあるのです。
そのような会社の場合、すぐ辞める方がいいケースとして転職が推奨されています。
出典：時間外労働の上限規制わかりやすい解説｜厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署
参照：https://www.mhlw.go.jp/content/000463185.pdf
必要な点検をしていない
トラックを始めとした事業用の貨物車は、3か月と12か月の安全点検が義務付けられています。それ以外にも始業前に点検を行うことも義務付けられているのですが、このような必要な点検をしていない会社であれば、すぐ辞める方がいいとされています。
トラックに必要な点検をしていないと、業務中に突然の事故や故障を起こしてしまうなど、自分の命を危険にさらしかねません。命を守るという意味で、すぐ辞める方がいいケースです。
出典：事業用トラックの点検整備ハンドブック｜公益社団法人全日本トラック協会
参照：https://jta.or.jp/wp-content/themes/jta_theme/pdf/publication/tenkenseibi.pdf
修理代金が自己負担である
基本的にトラックが破損したり事故で修理する必要があった場合、会社が保険に加入しているのでそちらから修理代金が支払われることになっています。ただ会社によっては、修理代金や保険の支払いを運転手に自己負担させるところもあるようです。
トラック運転手が事故の原因であった場合は過失分は致し方ないですが、そうでない場合は自腹で修理代金を支払う必要はないため、すぐ辞める方がいいケースとして該当します。
似たようなもので、運搬していた荷物の破損費用や遅延の際の罰金など、トラック運転手側に過失がなくても自己負担させている会社も、すぐ辞める方がいいです。
運転が苦手
これは会社側に問題があるケースではありませんが、そもそも車の運転が苦手・嫌いな人やそこまで嫌ではないけれども事故をよく起こしてしまうという人の場合、トラック運転手に向いていないと判断できます。
やむを得ずトラック運転手として働いているという人もいるかもしれませんが、運転に対する苦手意識が強い人や運転そのものが嫌いな人、事故を起こしやすい人はすぐに辞めて、他の仕事に転職することが望ましいです。
トラック運転手をすぐ辞めない方が良いケースとは？
ここまではすぐ辞める方がいいケースを紹介しましたが、状況の変化が見込める場合や辞めるにしても転職先が決まっていない・目途も立っていない場合、すぐに辞めてしまうと後悔してしまいかねません。
ここからは、そんなトラック運転手をすぐ辞めない方が良いケースを4つ紹介します。
辞めたい理由がはっきりとしていない
トラックドライバーの仕事はどうしても単調になりやすく、仕事に飽きてしまったり嫌になってしまうという人もいます。他にも単調な仕事に興味がなくなった、面白くなくなったなど、様々な理由で辞めたいと考える人も少なくないです。
ただこれらの理由は具体的なものではなく、辞めたい理由もはっきりとしたものではありません。
このため辞めることが解決策になりにくいので、業務内容を会社に相談する、部署を異動する・仕事内容を変更してもらうなど、今の会社で解決できないか模索することがおすすめです。
まだ仕事を始めたばかりである
入社したばかりでまだトラック運転手の仕事を始めて間もない人の中にも、慣れない仕事や今までとは違う働き方に戸惑ってしまい、辞めたいと考える人がいます。また会社の雰囲気や人間関係に馴染めず、辞めた方がいいのではないかと不安になる人も少なくないです。
ただ本当に辞めた方がいいのかどうか判断するためには、まずある程度仕事や職場・人間関係に慣れていく必要があります。そのうえで、何らかの問題はないかどうか、自分がやっていけるのかどうかを検討しましょう。
状況の変化が見込める
元々トラック運転手は仕事がきついと言われていて、繁忙期になると配送のスケジュールも過密になりやすく、ストレスや疲労から辞めてしまいたいと考える人もいます。
そんな仕事のきつさや厳しい状況がずっと続くようであれば転職を検討することも必要ですが、繁忙期などきつい状態はあくまでも一時的な状況である場合、すぐに辞めない方がいいとされています。
きつい状況が一時的でそれを過ぎてしまえば落ち着くのであれば、冷静にきつい期間を分析しながら対応することで乗り切ることができるためです。
転職先を決めていない
トラック運転手に限った話ではありませんが、転職先を決めていない段階で仕事を辞めてしまうと、すぐに転職先が見つからなかった場合の生活が厳しくなってしまう可能性があります。特に30代以降は転職が徐々に厳しくなっていくため、慎重に進めなければいけません。
特に失業保険は1年程度しか支給されないので、その間に転職活動を成功させなければいけないことから、条件が良い会社の吟味や転職が難しくなってしまいます。
このような点から、仕事を辞めたい場合はまず転職先を決めておくことが大切です。
円滑にトラック運転手を辞めるために
きちんとした理由を持ってトラック運転手を辞めると決めたのであれば、退職するための準備をする必要があります。ただ適当に退職すると引き止められてしまったり、会社とトラブルになってしまう可能性があり、最悪の場合は辞められなくなってしまいかねません。
このため、ここから紹介する円満に退職する方法を踏まえて、確実に退職の準備を進めていきましょう。
余裕を持って辞める
トラック運転手を辞める場合、まずは会社の上司に退職の意志を伝える必要があります。とはいえ、すぐに辞められるわけではありません。引継ぎや新しい人材確保など、会社側の都合や仕事の都合も考えたうえで、自分自身も余裕を持って辞めることがおすすめです。
労働基準法では、退職したい日の2週間前に申し出ることで辞めることができます。ちなみに退職届は就業規則によって提出するタイミングが異なりますが、一般的には退職する日の30日前から2週間前に提出すればよいです。
出典：労働基準法｜e-Gov法令検索
参照：https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000049
可能な限り直接伝える
退職する意思を上司に直接伝えづらいという人もいますが、円満に退職したい場合はメールや電話よりも可能な限り直接伝えることが望ましいです。ただ口頭で伝えるだけでは退職を受理してもらえないので、退職届を一緒に準備しておきます。
また退職理由に関しては、会社の不平不満よりもステップアップやスキルアップ、生活環境の変化などポジティブな理由にしておくと前向きに受け止めてもらいやすいです。
有給や未払金について対応しておく
退職する前に清算しておく必要があるのが、有給や未払金です。有給休暇は法律で定められている制度であり、退職前に必ず清算しなければいけないわけではありませんが、もし残っているのであれば退職までに消化できるように申告する必要があります。
また残業代や手当などの未払い金がある場合は、過去2年間であればさかのぼって請求することが可能です。退職後でも請求することは可能ではありますが、できる限り退職前に清算できるように対応した方が良いとされています。
出典：労働基準法｜e-Gov法令検索
参照：https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000049
意思表示ははっきりと示す
退職意志を伝える時に注意したいのが、意思表示をはっきりと示すことです。曖昧に伝えてしまうと退職したい意志が固まっていないと受け取られやすく、会社側から引き留められるような行動を取られてしまいます。
相手からうやむやにされないためにも、明確に退職する意思表示を行ったうえで退職する時期なども伝えるようにしましょう。
退職代行を利用する方法もある
会社に強引に引き留められる、金を払えと脅されるなど、どうしても自分の力では円満に退職できないという場合もあります。そのような時には、退職代行サービスを利用するという方法もおすすめです。
退職代行サービスを利用することで、ひとりでは対応できない内容でも法的な立場や知識で対応してもらえます。また依頼者に直接会社から連絡しないようにする、会社に残された荷物も郵送してもらえるなど、会社との関わりも遮断してもらえる場合も多いです。
このためなかなか円満に退職できそうにない場合は、退職代行サービスの利用を検討してみるのもありです。
トラック運転手が新しい転職先を探す際のポイント
トラック運転手として新しい転職先を探す場合、ある程度のポイントを押さえて探した方が自分の条件に見合った転職先を見つけやすいです。
具体的なポイントとしては仕事内容や福利厚生、給与の他にも、資格支援制度や安全対策、働き方などが挙げられています。ここからは、トラック運転手が新しい転職先を探す際のポイントを6つ紹介します。
- 仕事内容を把握する
- 資格支援制度がある
- 福利厚生が充実している
- 給与や勤務時間について調べる
- 安全対策や車両点検をしている
- 自分の求める働き方ができる
仕事内容を把握する
トラック運転手の仕事内容は、どのような会社であっても同じだろうと思っている人もいるのではないでしょうか。実は運送会社は、荷主と直接契約を結んでいるところや下請け・孫請けなどの契約を結んでいるところなど、契約形態によって請け負う仕事内容が異なります。
このため、どのような仕事を請け負っている会社なのかを把握することが、転職先の探すうえで大切です。
資格支援制度がある
キャリアアップやステップアップ、スキルアップを目指す場合、資格支援制度の有無も転職先を探す際のポイントになります。
資格支援制度がなくても問題はありませんが、仕事をしながら自力で資格を取得しようとすると、時間やお金がかなりかかります。資格支援制度があれば会社がサポートしてくれるので、ステップアップしやすいという意味でおすすめです。
福利厚生が充実している
住宅手当や家族を養っている場合の家族手当などの手当て関連、寮が完備されているか、賄付きかどうかなど、福利厚生が充実しているかどうかは意外とチェックし忘れやすい探す際のポイントです。
手当て関連は収入に大きく関係してきますし、それ以外の福利厚生は入社してからの働きやすさなどにつながる要素になっています。できる限りチェックしておきましょう。
給与や勤務時間について調べる
転職先を探す際のポイントとしてまず挙げられやすいのが、給与や勤務時間です。給与に関しては月給や日給はもちろん、手当てや賞与、残業代に関する部分もチェックしておく必要があります。
また勤務時間に関しては、待機時間や休憩時間に関する部分も踏まえて、長時間運転になるのかなど仕事内容も踏まえて確認しておかなければいけません。
安全対策や車両点検をしている
転職先の探し方のポイントとして、会社の信頼性があります。安全対策として管理マニュアルやドライブレコーダーなどの装備があるか、車両点検をしっかり行っているかなど、運転手に対する誠意がきちんとしているかどうかは重要です。
車両点検に関しては、定期的に会社で行っているものの他にも、仕事前に運転手が点検する時間を設けているか、洗車の時間があるかどうかも確認しましょう。
自分の求める働き方ができる
他にも、自分の求める働き方ができる転職先かどうかも探す時のポイントになります。例えば人間関係が煩わしい、ひとりで仕事がしたいという人であれば、長距離トラック運転手のように長時間運転する働き方がおすすめです。
また体力がある人や配送先とのコミュニケーションを大切にしたい人であれば、短距離トラック運転手のように限られたエリアで複数の配送先を回る働き方もあります。
このように、自分の求める働き方が何か、それができる転職先はどのようなところなのかチェックしておくことが大切です。
トラック運転手をすぐ辞めるのは転職先を探してからがおすすめ
トラック運転手は仕事の環境や自分の適性によってはすぐに辞めた方がいいケースもあるので、まずは仕事を辞めた方がいいケースなのかどうか振り返って考えることが大切です。
そのうえで、辞める場合は転職先を確保してから円満に退職できるように対応しましょう。転職先を確保する場合も、急いで見つけるのではなく、ポイントを踏まえてしっかり内容を吟味することが大切です。
