産廃ドライバーの仕事内容を解説!「きつい・汚い・危険」なのは本当?
- その他ドライバー
「産廃ドライバーになりたいけど、きついし汚いし危険って言われてるのは本当?」
「産廃ドライバーって実際にはどんな仕事してるの?」
このように、産廃ドライバーの評判を聞いたことはあってもそれが本当か分からない、どのような仕事をしているのかよく知らない、という方が多いのではないでしょうか。
今回の記事では、産廃ドライバーの仕事内容や仕事の流れ、仕事環境や産廃ドライバーに必要な資格・免許について紹介します。さらに、産廃ドライバーの勤務体系や給料についても紹介しています。
この記事を読むことで、産廃ドライバーが実際にどのような仕事をしているのか、産廃ドライバーになるために必要な資格や免許があることなど、産廃ドライバーについて詳しい知識を得られるでしょう。
産廃ドライバーに興味のある方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
産廃ドライバーとは?
「産廃(さんぱい)ドライバー」という職業があることは知っていても、その言葉から産業廃棄物を運ぶトラック運転手ということは分かっても、詳しいことはよく分からないのではないでしょうか。
ここでは産廃ドライバーとはどのような仕事をしている人なのか、産業廃棄物は他の廃棄物と何が違うのかまとめていますので、見ていきましょう。
産業廃棄物を運搬する仕事
産廃ドライバーとは、産業廃棄物を運搬する仕事をしている運転手のことです。
産廃ドライバーは産廃を排出する工場や工事現場などの場所から産業廃棄物を回収し、中間処理業者や最終処分業者の所まで運搬することを仕事としています。
産廃ドライバーと言っても、職種により取り扱う物が変わります。
産業廃棄物と一般廃棄物の違い
一般廃棄物は、産業廃棄物と定義されている廃棄物以外の、全ての廃棄物のことです。
産業廃棄物というのは、あらゆる企業活動や公共的事業など広義の事業活動によって排出された、燃え殻や汚泥、ふん尿や廃油、廃酸や廃アルカリといった物質のことです。これらは全て産業廃棄物となります。
また産業廃棄物には、特定の事業活動によって排出された、紙くずや木くず、繊維くずなども含まれます。特定の事業活動に伴うものとして定義された物質については、指定された事業以外から排出した場合は一般廃棄物です。
産業廃棄物と一般廃棄物は、まったく違うものです。
出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令|e-Gov法令検索サイト
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=346CO0000000300_20220401_504CO0000000025
産廃ドライバーの仕事内容
産業廃棄物を運搬する産廃ドライバーには、他の物を運搬するドライバーとは違った仕事内容があります。
ここでは、産廃ドライバーの仕事内容を説明しています。産廃ドライバーへの就職・転職を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
運ぶ産業廃棄物によって仕事内容が変わる
産廃ドライバーと言っても、どの産業廃棄物を運ぶのかによって仕事内容が大きく変わる、という特徴を持つのが産廃ドライバーです。
例えば多くの産廃ドライバーがよく運んでいる原油や汚泥は重量があり、軽い事故でも起こしてしまえば、大きな被害になる可能性があるため、運転は日常よりも慎重に行わなければなりません。かと思えば紙くずのように、たいして重さのない産業廃棄物を運ぶこともあります。
産廃ドライバーは運ぶ産業廃棄物によって、運転の仕方を変える必要があるでしょう。
産業廃棄物のマニフェストとは?
産業廃棄物を取り扱う際には、「マニフェスト(産業廃棄物管理票)」が必要になります。マニフェストには、複写式伝票の紙マニフェスト、マニフェストの情報を電子化した電子マニフェストの2種類があります。
産業廃棄物のマニフェストとは、産業廃棄物を処分しようとする事業者が他者に処分を依頼した場合に、当該委託に係る産業廃棄物の種類及び数量、運搬又は処分を受託した者の氏名又は名称など環境省令に定められた事項を記載した、産業廃棄物管理票のことです。
出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律|e-Gov法令検索サイト
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000137
産業廃棄物を運搬するという特殊性
産廃ドライバーが運搬する物質は普通の廃棄物ではないという特殊性のため、定められた法律をしっかり守ることや知識、運搬する産業廃棄物をしっかり管理する必要があります。
産業廃棄物を運搬する際にはマニフェストが必要です。そして、マニフェストに沿って運搬しなければなりません。運搬している物質によっては慎重な運転を心掛けなければならないことも多く、責任感の大きな仕事と言えるでしょう。
産廃ドライバーの仕事の流れ
産廃ドライバーの仕事の流れを紹介します。ただ、こちらは一例ですので全ての産廃ドライバーにあてはまる訳ではありません。
一般的な産廃ドライバーは朝自社に出社し、自分が担当しているトラックに前日回収した産業廃棄物を積み込むのが最初に行うことです。積荷の内容がマニフェストと食い違ってはいないか確認し、トラックを運転して指定された中間処理業者や最終処分業者の所まで運搬し降ろします。
その後、指定された工場や会社へ向かい、新たな産業廃棄物を回収し、処分場へ運びます。
1日の間で同じ工事現場と処分場で繰り返し運搬したり、複数の事業者を回って産業廃棄物を集めてきたりする場合もあり、自社に戻れば1日の仕事は終了です。
産廃ドライバーの仕事環境は?
産廃ドライバーの仕事環境は、廃棄物を運搬するという仕事の性質上、汚い、危険なのではないかと言われていますが、どうなのでしょうか。
確かに廃棄物処分場へ出入りするため、廃棄物によっては悪臭が気になる環境に置かれることもあります。重い荷物を運ぶようなこともあるでしょう。運転については、重かったり危険だったりする産業廃棄物を運ぶこともあるため、とくに慎重さが求められます。
ただ、悪臭が気になるような廃棄物ばかりではなく、危険な作業をする際にも安全対策はされています。
運転距離
産廃ドライバーの場合、基本的に取引先である事業者からの回収と処理場への運搬という仕事になるため、それほど長距離を運転することはあまりないでしょう。
1日の間に、同じルートを繰り返し往復することはあります。また、産廃ドライバーでも長距離輸送しなければならない場合や、泊まりが必要になる場合もあるでしょう。
コミュニケーションは必要最低限
産廃ドライバーが会社で過ごす時間は短いこと、人とやり取りする必要はあるものの業務の内容に関することであるため、コミュニケーション力は必要最低限でも大丈夫です。
会社の人間関係にわずらわされる、といったようなことは、産廃ドライバーではあまり起こらないでしょう。人と接する機会はありますが、業務的なものに限られるため、コミュニケーション力に自信がない人でも向いています。
産廃ドライバーに必要な資格・免許は?
産廃ドライバーになるために最低限必要なのは、運転免許の中型免許です。できれば大型免許を取得していた方がよいですが、会社によっては中型免許取得者も受け入れています。
産廃ドライバーとしての価値を高めるために、「玉掛け」や「小型移動式クレーン運転技能講習修了者」といった資格もあると便利です。会社で重宝されるだけでなく、産廃ドライバーとして就職・転職する際に有利になるでしょう。
産廃ドライバーの勤務体系・給料は?
産廃ドライバーの勤務体系は基本的に、朝開始して夕方まで、いわゆる日勤の体系が多いでしょう。開始時間はまちまちですが、おおむね朝8時頃~夕方17時頃までという8時間程度の勤務時間になっています。
長距離トラックは夜間に走行することがありますが、産廃ドライバーの場合は事業者や処理場が開いている時間帯での勤務となるためです。同じ理由で、遅い時間まで残業するといったケースはあまりないでしょう。
産廃ドライバーの平均月収は約20万円~50万円といわれています。大型トラックを担当しているかどうかや運転距離、資格や免許の有無などによって給料は変わってくるでしょう。
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産廃ドライバーは「きつい・汚い・危険」というのは本当?
産廃ドライバーは「きつい・汚い・危険」、いわゆる3Kの仕事と言われていますが、確かに仕事内容がきついことや潔癖症にはきつい仕事環境、危険なことに携わる可能性があることは事実です。
重い荷物を運搬することがあることから、体がきついことはあります。夏場はとくに、廃棄物の悪臭に悩まされるということもあるでしょう。有害物質を運搬することもあり危険もありますが、防護服を着るといった安全対策はされています。
産廃ドライバーの仕事内容を知っておこう
産廃ドライバーは確かにきつい仕事で責任は重いですが、その分給料が高めに設定されているという面があります。
責任が重いということは、翻せばそれだけやりがいがある、とも言えるでしょう。そして人手不足になっていることから新規や中途採用に積極的で、有利に転職・就職できる状況になっています。
また、将来性についても安定しており、若い人でも活躍しやすく、高い給料を得やすい業界でもあります。
運転が苦でない人は、ぜひ産廃ドライバーの仕事内容を知って転職や就職を検討してみましょう。