【2024年4月最新版】ライドシェアに二種免許は不要?解禁された地域を解説
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「ライドシェアに二種免許は必要?」
「受けなければいけない講習はあるの?」
「自分の住んでいる地域では働ける?」
ライドシェアについて多少の前知識や興味を持ってはいても、始めるにあたってわからないことや不安がある方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ライドシェアが開始された背景や運用に関わる制度についての基礎知識に加え、必要な資格や講習、解禁された地域なども紹介しています。
この記事を読むことでライドシェアに関する理解が進むと同時に、業務開始にあたっての手順・ルールがわかり、スムーズにライドシェアを始められるでしょう。
ライドシェアについて理解をより深めたい人や、これから本格的に始めたいと思っている人は、ぜひチェックしてみてください。
ライドシェアに二種免許は不要になった?
政府は2023年12月のデジタル行財政改革会議にて、2024年4月開始のライドシェアにおいてはドライバーに二種免許を必須としない意向を示しました。ただし、タクシー会社が安全対策を行うことが条件とされています。
これは人口が減少している地域の移動手段の確保が困難であること、コロナ禍でドライバー離職者が増えたことなどが背景にあります。それらを踏まえ、今後はドライバーになりやすいように規制緩和を進める方針です。
出典:デジタル行財政改革 中間とりまとめ(P.4)|内閣官房
参照:https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_gyozaikaikaku/pdf/chukan_honbun.pdf
出典:3 ライドシェアのメリット|弁護士法人クローバー
参照:https://clover.lawyer/column/1368
出典:二種免許は不要、交通の安全は大丈夫?|南大阪法律事務所
参照:https://minamiosaka-law.com/column/2539
ライドシェアを始める前に知っておくこと
日本ではライドシェアドライバーについて、政府から正式なガイドラインは設けられていないという現状があります。しかし、ライドシェアドライバーになるためは、いくつかの条件をクリアすることが前提です。
以下でライドシェアを始める際に、取り入れておくべき認識について紹介します。
タクシー会社から雇用されて講習を受ける
ライドシェアを開始するには、タクシー会社の管理下で安全運転研修を受講することが必要です。講習の期間は座学・実技合わせて10日程度あります。
ライドシェアドライバーの雇用形態としては正社員に限らず、パートでの勤務も可能なため、短時間勤務でも働くことが可能です。一方で、個人事業主や業務委託としての契約は不可とされています。
またライドシェアドライバーを管理しているタクシー会社によって、資格条件が変わってくるでしょう。
兼業は禁止
日本で定められている労働時間を超えての兼業は禁止されています。これはドライバーが長時間勤務となり、過労運転による事故を防止することが目的です。
兼業する場合の就業時間も、本業の労働時間を合わせた週40時間以内に含めることを条件としているため、会社員や他の事業で生計を立てている場合は就業が難しいでしょう。
また、副業・兼業を認めていない企業も多いため、必要なドライバーの人数を確保ができるかといった課題が残っています。
出典:※1 就業時間の把握について 補足|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000192845.pdf
ライドシェアの他に二種免許が不要な運転手の例
一般的に二種免許は、バスやタクシーなど旅客自動車を運転してお客さまを目的地まで輸送するのに必要な免許です。
しかし、一部例外として二種免許が不要なドライバーもあります。以下に例を紹介するので、参考にしてみてください。
出典:第二種免許制度の概要|内閣府
参照:https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/2310_05local/231106/local02_02.pdf
専属の運転手
送迎する対象が不特定多数ではなく、特定の人の場合において二種免許は不要です。専属ドライバーとして企業の役員を送迎する「お抱え運転手」や、施設利用者を送り迎えする「幼稚園・デイサービスの送迎ドライバー」は上記に該当します。
いずれも業務用車両ではなく、白ナンバーの社有車を使用することが許可されています。ちなみに白ナンバーとは自家用車のことです。
出典:経営許可(法第4条) ~『緑ナンバー』と『白ナンバー』~|国土交通省 九州運輸局
参照:https://wwwtb.mlit.go.jp/hokushin/content/000104019.pdf
出典:公共交通と共助交通の区分(必要な運転免許・運送料について)|琴浦町
参照:https://www.town.kotoura.tottori.jp/docs/2020090700053/files/dai3kaishiryou1.pdf
「旅客」が乗っていなければ運転可能
旅客が乗っていないタクシーにも、二種免許は不要です。
例えば運転代行の旅客を乗せない随伴車側の運転が該当します。運転代行では、代行業者2名が自社の車で依頼主のもとへと向かいます。そのうち1名は依頼主の車に依頼主を乗せた運転が発生するため、旅客を乗せた運転に該当します。
残りの1名は、先の1名を乗せて営業所に戻るための自社の車を運転し、依頼主を乗せた車についていくことが必要です。この場合が、旅客を乗せていない随伴車に該当します。
先の依頼主を乗せた車の運転には二種免許が必要ですが、送迎先から営業所に戻るために用いる随伴車の運転は一種免許のみで運転が可能となっています。
出典:運転代行のしくみ|公益社団法人 全国運転代行協会
参照:http://www.untendaikoukyoukai.or.jp/about_chauffeur-service/structure/
【時期別】ライドシェアが許可されている地域
現在ライドシェアは「タクシーが不足している場合に補填するもの」という位置づけです。国交省が配車アプリからデータを分析し、タクシーが不足していると認めた区域からサービスが許可されています。
また運行できる台数は、配車アプリからの依頼に対してどのくらい配車できたかを示す「マッチング率」が基準です。そのため稼働はタクシーが不足する曜日・時間帯のみであり、区域ごとに乗車できる時間帯・台数が異なります。
出典:地域交通における「担い手」「移動の足」不足への対応・全都道府県での自動運転サービス展開に向けた取組(1ページ目)|国土交通省
参照:https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_gyozaikaikaku/kaigi3/kaigi3_siryou3.pdf
2024年4月時点で解禁された4つの地域
ライドシェアのサービスが2024年4月、首都圏と関西地方を中心に、下記4つの地域で解禁されました。
サービス開始の初日、タクシー会社の日本交通株式会社では都内で午前7時から11時までの4時間の間にドライバー50人が運行し、およそ300組の客が利用したとの実績が報告されています。
出典:国交省 日本版ライドシェア、東京都内など4区域で導入|一般社団法人 日本自動車会議所
参照:https://www.aba-j.or.jp/info/industry/21568/
出典:「日本型ライドシェア 出発式」が行われました|日本交通株式会社
参照:https://www.nihon-kotsu.co.jp/news/20240408-2298/
出典:会社概要 | 日本交通株式会社
参照:https://www.nihon-kotsu.co.jp/about/profile/
- 東京(東京23区・武蔵野市・三鷹市)
- 神奈川(横浜市・川崎市など)
- 愛知県(名古屋市・瀬戸市など)
- 京都府(京都市・宇治市など)
2024年5月から解禁される8つの地域
4月から解禁されたライドシェアのサービスは、5月にも新たな地域にて続々と解禁されていきます。
政府は上記以外の地域でも、営業区域内のタクシー台数が5%以内の場合において、曜日・時間を限定してサービスを認めるなど新たな方針も示しました。今後さらにサービスが解禁される地域が拡大していくとみられます。
出典:自家用車活用事業について(3ページ目)|国土交通省 東北運輸局
参照:https://wwwtb.mlit.go.jp/tohoku/content/000324741.pdf
出典:自家用車活用事業の進め方|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001734881.pdf
- 「札幌交通圏」(札幌市など)
- 仙台市
- 「県南中央交通圏」(さいたま市など)
- 「千葉交通圏」(千葉市など)
- 「大阪市域交通圏」(大阪市など)
- 「神戸市域交通圏」(神戸市など)
- 「広島交通圏」(広島市など)
- 「福岡交通圏」(福岡市など)
ライドシェアの部分解禁による今後の動きに注目
日本でも一部ライドシェアが解禁され、二種免許が不要な背景やドライバーの成り手を増やすための規制緩和、必要な資格などを紹介してきました。
現状課題は多く残っていますが、2024年6月にはライドシェアのエリア全面解禁や、タクシー会社以外のアプリ事業者の参入の有無などの「ライドシェア新法」が整備されていくでしょう。
ライドシェアを導入したことで、日本は大きな過渡期に立たされました。海外同様に普及率が上がるか、安全性や利便性、環境問題などにどのような影響を与えるかについては、今後の動きに注目が集まるでしょう。
出典:(タクシー・バス等のドライバーの確保、地域の自家用車・ドライバーの活
用)|内閣官房
参照:https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_gyozaikaikaku/pdf/chukan_honbun.pdf