自走ドライバーとはどんな仕事?必要な資格やメリット・デメリットも紹介
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「自走ドライバーはどういう仕事をしているの?」
「自走ドライバーに必要な資格とは?」
「自走ドライバーとして働くことのメリット・デメリットが知りたい」
このように自走ドライバーの仕事に興味のある方には、たくさんの疑問があるのではないでしょうか。
この記事では、自走ドライバーがどのような仕事なのかといった基礎知識や、自走ドライバーに必要な資格などについて紹介します。
この記事を読むことで、自走ドライバーになるために必要な知識や仕事の内容、自走ドライバーのメリットやデメリットについて把握できるため、自走ドライバーとして働こうか迷っている方でもスムーズに決断できるでしょう。
自走ドライバーの仕事について知りたいと思っている方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
車両回送の2つの種類
車両回送とは、車両(乗用車、オートバイなど)を他の場所に送ることを表し、バスやタクシーといった公共交通機関を要せず行います。
また、車両回送は自走と車両運搬の2種類に分類され、回送する車両の状態や形状などで使い分けます。同じ車両運搬でも明確な違いがあることを把握しておきましょう。
ここでは、車両回送の2つの種類について紹介します。
自走
車両回送における自走とは、運行する車両にドライバーが乗って目的地まで送ることを言います。自走できる車両であること、ドライバーが車両を運転するための免許を所有していることが条件です。
大型トレーラーなどの特殊車両を運ぶ場合は、安全に運転できるよう前後に誘導車両を配置することがあります。
車両運搬
車両回送における車両運搬とは、故障や燃料切れなどさまざまな理由で自走できない車両をレッカー車など専用の運搬車両に積んで運ぶことを言います。
キャリアカーと呼ばれる大型の運搬車両にバイクや普通車、大型車などの車両を複数台積んで運んでいる場面を見たことがある人もいるのではないでしょうか。
自走ドライバーの仕事は?
自走ドライバーと聞いて、どのような仕事をしているのか想像できるでしょうか。同じ自走ドライバーでも、実際にはさまざまな仕事があるため、その違いを把握しておきましょう。
仕事の内容によって特殊な資格が必要だったり、毎回違う場所で仕事したりとそれぞれ特徴があります。
ここでは、自走ドライバーの仕事について紹介します。
レンタカーの回収
レンタカー会社のオプションサービスには、指定されたエリア内であれば乗り捨て返却が可能なものがあります。そのような乗り捨てサービスを利用して返却された車両を現地まで引き取りに行く仕事があります。
乗り捨て返却は観光客が多く訪れる地域での利用が多いため、観光シーズンが繁忙期になりやすいのが特徴です。また、公共交通機関での移動が難しい土地まで回収しに行くこともあるでしょう。
整備車両を運ぶ
自家用車は安全に車両を保つために定期的に車検をしてもらうことが必要です。車検は整備工場やディーラー、ガソリンスタンド、車検専門店で受けられますが、車の持ち主が持ち込む必要はないため、車検代行を利用する方法もあります。
そういった自走できる車検や整備点検する車両を、持ち主の代わりに運ぶ仕事があります。普通車や軽自動車だけでなく、中型や大型の車両を運行する場合が考えられるため、対応した免許を所持していると仕事の幅が広がるでしょう。
納入する新車を運ぶ
新車を運転して販売店まで運行したり、販売所などから客の家や指定された場所へ輸送したりする仕事があります。安全運転で確実に車を指定された場所まで届けることが目的です。
客は納入される新車を楽しみにしているため、運転が荒かったり、運行中に傷をつけたりすることは許されないでしょう。
イベントなどで使用する特殊車両を運ぶ
たくさんの人が集まる屋内外のイベントで使用する特殊車両を、安全に現地まで運ぶ仕事があります。特殊車両には冷凍冷蔵車やコンテナ車など使用目的も大きさもさまざまあるため、運転するには車両に対応した免許が必要です。
国で定められている特殊車両を運ぶ場合は、安全に目的地へ届けるために前後に誘導車を配置する場合があります。また、特殊車両を運ぶ際の先導車や後導車として仕事することもあります。
工事現場へ車両を運ぶ
工事現場で使うショベルカーやブルドーザを現場まで運ぶ仕事があります。代行して重機を運ぶメリットとして、安全に作業できるよう重機を扱う運転手の負担を減らして工事に集中させられることが挙げられるでしょう。
工事の日程が終了したら次の現場、あるいは事業所へ運ぶこともあります。
駐車場と事業所間で車両を運ぶ
会社が所有している駐車場に停めてある車両を事業所まで運んだり、逆に事業所から駐車場へ車両を運んだりする仕事があります。
これは会社の駐車場が遠くにある場合や、もともとある駐車スペースが狭いために第二駐車場を離れた場所に設けている場合などに利用されます。
自走ドライバーに必要な資格と能力は?
安全に運転できる能力は、自走ドライバーに求められる当然の能力ですが、働く際に必要な免許や能力には他にどのようなものがあるのでしょうか。
自走ドライバーは運転がうまいだけでは成り立たない面もあるため、どのような能力が必要なのか把握しておきましょう。
ここでは、自走ドライバーに必要な資格と能力について紹介します。
運転免許
車を運転することが仕事の自走ドライバーは、当然運転免許が必要です。また、中型や大型、特殊車両を運転できる免許もあると仕事の幅が広がり需要が増えるでしょう。
免許を所有しているだけでなく実際にドライバーとして働いた経験があれば、就職に有利なうえに待遇が良くなる可能性もあります。
公共交通機関をうまく利用できること
自走ドライバーは車を回収するために目的の車両がある場所まで向かう必要があるため、そこへ行くために公共交通機関を利用する場合もあるでしょう。
そのため、早く目的地へ到着するために公共交通機関を上手に利用できる能力が求められます。乗り換え回数が少なく、到着までの時間も短くできれば多くの仕事がこなせるため、会社から重宝されるでしょう。
また、車両を無事に送り届けて帰ってくる際にもバスや電車を使う機会があるため、慣れていた方が効率アップにつながります。
スマホの基本操作
乗り捨てレンタカーを回収する際に、どこに駐車しているかスマホアプリで検索する必要があるため、スマホの基本操作が問題なくできる能力が求められます。
場所を聞いて回収に向かったつもりが、途中で迷ってしまったり、現地に到着しても目的の車両が見つけられなかったりする場合に備えてスマホを操作できる能力は必須と言えるでしょう。
また、バスや電車を利用する際に時刻を確認するためにも便利です。自走ドライバーとして働くならスマホの基本操作は欠かせません。
運転や車が好き
ドライブが趣味だったり、好きだったりする人は運転も上手な場合が多いため、運転や車が好きなことは自走ドライバーに必要な能力と言えるでしょう。
興味を持って仕事に取り組むことで課題ができたり、改善点が見えてきたりするため、それが向上心やモチベーションにつながることが期待できます。
経費の確認や領収書などの管理
会社や依頼主にもよりますが、仕事で必要な交通費などの経費を一時的に立て替える場合がほとんどのため、何にいくら使ったのか管理できる能力が求められます。
領収証もレシートもなく「大体◯円くらい」などと伝えても立て替えた分は戻ってこないでしょう。また、「仕事も適当にやっているのでは」と疑われかねないため、金銭の管理はしっかり行いましょう。
自走ドライバーのメリット
車を運転することが主な業務内容の自走ドライバーですが、そのメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
まず挙げられるのは、車の運転が好きな人には楽しい仕事だという点でしょう。仕事中に街中や郊外を運転できる環境は、趣味がそのまま仕事になっているような感覚でしょう。
そして、メーカーや車種は選択できませんが、色々な車を運転できるところも魅力ではないでしょうか。自分で購入することはない車を運転できる機会も出てくるため、貴重な体験ができる点はメリットと言えます。
業務委託を受けて仕事をする場合、報酬が日払いや週払いという待遇のところもあるため、現金をすぐに手に入れられるメリットがあります。
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自走ドライバーのデメリット
運転が楽しい、色々な車に乗れて嬉しい、報酬が早く受け取れて助かるといったメリットがある自走ドライバーですが、仕事である以上はどのようなデメリットがあるか把握しておく必要があります。
まず挙げられるのは、回送する際に発生する交通費やガソリン代は立て替える場合が多いという点です。発生した費用は後で報酬と一緒に戻ってきますが、一時的に出費が必要になることは覚えておきましょう。
次に、事故を起こしたり、ぶつけられたりした場合は責任問題が発生することが挙げられます。運転する限り常に交通事故のリスクが伴うため、自分や相手の車の状態によっては重い責任がかかってきます。
また、自走ドライバーは二人一組で仕事することが多いため、相方との相性もポイントでしょう。時間を守らない、性格が合わないといった不満が出てくると仕事に良くない影響が出たり、精神的につらくなったりする可能性があります。
自走ドライバーの給料は?
自走ドライバーの雇用形態には正社員、パート、アルバイトなどいくつも種類があり、地域によって給料に差があります。
ここでは、自走ドライバーの給料について紹介します。
正社員
自走ドライバーの正社員の給与は会社の規模によって違いはありますが、東京などの大都市で22~25万円前後、都市部で20万円前後となっています。
3ヶ月ほど試用期間が設けられているところもあり、その期間中は時給で働く場合がほとんどです。
パート・アルバイト
自走ドライバーのパート・アルバイトの給与は、大都市と地方では顕著に異なり、時給にすると東京などは1,200円前後、都市部では1,000円前後となっています。
短期契約や業務委託で仕事する場合は、時給とは異なる形式で報酬が支払われることもあります。また、交通費などの経費が発生した場合どうするのかについて先に確認しておくとトラブルを未然に防げるでしょう。
自走ドライバーの仕事への理解を深めよう
自走ドライバーは仕事中の運転時間の長さによる事故のリスクや責任の重さはありますが、色々な車を運転できたり、ドライブ感覚で仕事できたりするところは運転が好きな人にとって魅力的な職業ではないでしょうか。
自走ドライバーは資格がなければ仕事ができず、経験がなければ続けていくことも難しいため、誰にでもできる仕事ではありません。また、地域や季節によって仕事量も変わってくるため、給与面で苦労することもあるでしょう。
しかし、車の運転が好きで仕事にしたいと考えているなら、選択肢の一つとして前向きに考えてみましょう。