物流業界における仕分けとは?ピッキングとの違いや作業のコツを紹介
- 軽作業
「仕分けってきつい仕事なのかな?」
「ピッキングと仕分けってどう違うの?」
物流業界の仕事に興味はあるけれど、詳しい内容はご存じない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、仕分けとはどういった仕事なのか、ピッキングとの違いや作業のコツはどういったものなのか、などについてご紹介します。また、自動仕分けと手仕分けについてやデジタルアソートシステムとハンディアソートシステムについても触れています。
本記事を読めば、仕分けの具体的な仕事の内容や、作業に取り組むときのポイント、どういった人が向いているのかについて知ることができます。
仕事をお選び中で、仕分け作業に興味をお持ちの方は、是非チェックしてみてください。
物流業界における仕分けとは?
仕分けとは、倉庫や物流センターに集められた荷物を決められたルールに沿って分類する仕事です。
物流倉庫で品種・出荷先別に商品を分ける作業であり、仕事の種類によって、取扱う荷物の大きさや重さ、屋内作業なのか屋外作業なのか、男性と女性の割合はどちらが多いのかは異なります。
また、仕分けには、指定された商品を倉庫内で探して集める「ピッキング」や、注文の内容と箱の中身が合致しているかを確認する「検品」、段ボールに商品を詰める「梱包」が伴うこともあるでしょう。
ちなみに、「仕分け」は物流用語であり、取引を帳簿に記載するときに使う「仕訳」とは異なります。
仕分けには手仕分けと自動仕分けがある
仕分けには、人の手で行う「手仕分け」と機械による「自動仕分け」があります。
「手仕分け」では、後の工程がスムーズに流れるように、人の手で商品を分類していきます。
これに対し、「自動仕分け」は、商品を仕分け機に読み込ませると自動で分類される仕分けです。大型の倉庫で大量の商品を全国の消費者に届けるような大手ネット販売会社では、物流仕分けの自動化と効率化を進めるために「自動仕分け」が採用されています。
仕分けとピッキングの違いとは
仕分けは「商品を分類して片づける作業」であり、ピッキングは「指定された商品を指定された数量で集める作業」です。
分かりやすく言うと、仕分けによって分類した商品をピッキングによって集めることになり、仕分けは整頓、ピッキングは選び出し、とも言えます。
元々、「pick」は英語で「選ぶ・摘み取る」を意味する言葉ですので、そのことからも仕分けとの違いがよく分かるでしょう。
つまり、仕分けとピッキングは全く異なる作業である、ということです。
自動仕分けと手仕分けについて
「自動仕分け」と「手仕分け」について、もう少し細かく見ていきましょう。
「手仕分け」には3つの種類があり、センターにある在庫を仕分けする「在庫型」、センターを通さず入荷された商品を仕分けする「通過型」、工場で製造された商品を仕分けする「製造型」に分類されます。
また、「手仕分け」には「大仕分け」「中仕分け」と呼ばれる、作業者に配分する前段階でおおまかに仕分けしておき、その後の工程をスムーズに流すための仕分けも存在します。
このように、主に人の手で行う「手仕分け」に対し、「自動仕分け」では、倉庫の仕分け作業に管理タグとロボットを使って行うことによって、ピッキング・仕分け・梱包を効率よく行うことができるのです。
機械化することで大量の商品の仕分けが可能になるのが、「自動仕分け」の特徴です。
なお、最近は「手仕分け」の前に「自動仕分け」を行い、あらかじめ一次仕分けでおおまかに仕分けしてから、細かい仕分けを「手仕分け」するハイブリッド形式を採用する企業も増えています。
デジタルアソートシステムとハンディアソートシステムとは
代表的な仕分けシステムに、「デジタルアソートシステム」と「ハンディアソートシステム」があります。
「アソート」とは仕分けのことであり、「デジタルアソートシステム」と「ハンディアソートシステム」の違いは、仕分けしたデータの表示方法です。
「デジタルアソートシステム」では、仕分けする商品のバーコードをハンディターミナルなどで読み込ませると、棚や荷揃え場に設置されたデジタル表示器に指示された数量が表示されるため、その指示に従って仕分けすることになります。
「ハンディアソートシステム」では、商品のバーコードをハンディターミナルなどに読み込ませるところまでは「デジタルアソートシステム」と同様ですが、違いは、指示される商品の数量がハンディターミナル上に表示されることです。
共通して言えるメリットは、二人一組によるリストの読み上げが不要になり1人での作業が可能になること、紙のリストが不要になり生産性が向上すること、仕分けミスを防ぎ業務の質の標準化が図れることです。
ただ、「デジタルアソートシステム」については、「ハンディアソートシステム」に比べて設置コストがかかることから、売上の規模によっては導入することによって赤字になりかねないケースもあるでしょう。
また、設置後のロケーション変更にはデジタル表示器の設定変更が必要になったり、機械トラブルが発生すると作業が止まってしまったりするといったデメリットもあり、導入にあたってはこういった課題への対策をとっておく必要があります。
物流業界で仕分け作業を仕事にするために
仕分け作業を仕事にするためには、仕分け作業の経験を積むことが必要です。
誰でも初めは求人に応募するところから始まります。初めから要領よくできる人はいませんので、繰り返し作業に取り組むことが必要になり、その中で仕事のコツをつかみ、集中力や持久力を身につけていくのです。
また、実績を積み重ねることによって、物流仕分けのバイトからスタートした場合でも正社員に登用されたり、リーダー職や管理職に抜擢されたりすることもあります。
そのため、仕分け作業を仕事にするには、仕分け作業を繰り返し行い、経験と実績を積むことが大切です。
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仕分け作業を行うコツ
仕分け作業にはコツがあり、ここをおさえれば経験がなくてもできるようになります。
ここからは、仕分け作業を行うコツについて、それぞれご紹介します。仕分け作業を行う際に参考にしてみてください。
- 作業は焦らず確実に
- 体調管理をして体力をつける
- ルール・マニュアルを理解する
- 体で作業を覚える
作業は焦らず確実に
仕分け作業においては、焦らず確実に行う意識が非常に大切です。
仕分けを間違ってしまうと、荷物が間違った場所に届いてしまい、もう一度送り直さなければならなくなります。場合によっては間違った可能性のある荷物をすべて確認する時間も発生するため、二度手間になり、さらに余計な送料や手数料がかかってしまうこともあるでしょう。
そのため、仕分けを間違えないためには焦らず確実に行うことが重要で、間違えないことがスピードアップにもつながると言えます。
体調管理をして体力をつける
万全の状態で仕分けを行うには、体調管理をして体力をつけることが大切です。
仕分けにおいて、軽作業の場合には集中力と注意力が必要になり、仕事内容によっては肉体労働を伴うものもあるからです。
ジムに通ったりする必要はありませんが、健康的な食事と十分な睡眠時間による体調管理は欠かせません。
また、状況によっては連勤を避け、勤務と勤務の日数を空けて休養をとることも体調管理につながります。
ルール・マニュアルを理解する
ルール・マニュアルをきちんと理解すると、よりスピーディーに仕分けすることができるようになります。
実際に作業を行っていくと、やり方を間違えてしまったり場所を覚えていなかったりすることもあります。
そのため、ルール・マニュアルを何度も読み込み、作業内容を理解することができれば、スピードアップにもつながり、自分なりのコツもつかめることでしょう。
体で作業を覚える
作業内容を体で覚えられると、作業時間の目安が分かり、余裕を持って対応できるようになることから、仕分けをすることの充足感にもつながります。
仕分けは慣れないうちは難しいと感じることの多い大変な作業ですが、数をこなすことによって一旦体で覚えてしまえば、程よい負担感で取り組むことができるようになります。
また、体で覚えることでより効率的に動けるようになるため、慣れる前の自分と比べて成長を感じることもできるようになるでしょう。
仕分け作業をする上で大切なこと
仕分け作業で大切なのは、正確・迅速・丁寧に行うことと、自分で意識的に改善に取り組むことです。
気持ちに焦りがあるとミスが生じるため、まずは落ち着いて、ひとつひとつ正確に、慣れてきたらより迅速に、なおかつ丁寧に行うことが重要です。
また、仕分けの工程・作業内容について、1つの作業にどのくらいの時間を要しているか計算し、自分なりに工夫しながら問題点の改善に取り組むことによって作業のスピードアップができると、作業全体の時間短縮にも貢献することができます。
仕分け作業に向いている人の傾向
では、どのような人が仕分け作業に向いているのか、気になるのではないでしょうか。
ここでは、仕分け作業に向いている人の傾向を3つご紹介します。自分が当てはまっているのか確認してみてください。
単純作業や細かい作業が苦にならない人
仕分けは基本的には単純作業や細かい作業の繰り返しになるため、まずは苦にならない人であることがポイントです。
また、繰り返しの中でより効率的に作業できるよう工夫しながら仕分けていける人は、手先の器用さと作業スピードがアップするため、よりやりがいを感じられるようになるでしょう。
黙々と仕事に取り組める人
仕分けは長時間同じ作業を繰り返すことになるため、黙々と取り組める人には向いています。
仕分けには最低限のコミュニケーションがとれればできる作業が多いことから、1人で黙々と作業に没頭できる人にとっては適した仕事であると言えます。
そして、そういった方であれば、仕分けに集中することでいかに素早く正確にこなすことができるかを自分なりに極めることにもつながり、やりがいを持って取り組むことができるでしょう。
ブランクがある人
仕分けは、育児や家庭の事情などで仕事を離れてブランクのある人にも向いています。
仕分けには未経験・無資格でも取り組めるものがたくさんあるため、ブランクがあっても問題ありません。
また、仕分けを通じて集中力や持久力、スピード感を養うことができるため、基本的なスキルを身につけて次のステップに進みたいと考えている場合にも役立つでしょう。
物流にとって仕分け作業は必要不可欠な仕事
仕分け作業は梱包の準備段階にあたり、いかに効率的に梱包することができるかは仕分け作業の正確さにかかっていることから、物流にとって必要不可欠な仕事であると言えます。
そして、ご紹介したように、仕分けは作業内容が幅広く、作業を通じて基本的なスキルを数多く得ることができるため、仕事の経験のない方やブランクがある方でも取り組むことができます。
短時間のシフトで働けるものも数多くあり、取り組みが評価されればキャリアアップも可能でしょう。
仕分けで培ったスキルは物流以外の新たな分野にも活かせますので、是非チャレンジしてみてください。