4ナンバー車に登録するための条件は?5ナンバーとの違いも解説
- 物流
「4ナンバーの車って主にどんな用途に使われているの?」
「4ナンバー車を登録するために必要な条件を知りたい!」
街ではさまざまな車が走っていることから、一度は4ナンバーの車を見かけたことがある人も多いでしょう。その中で、このような疑問を感じたことはありませんか。
普段何気なく見ている車のナンバーですが、その番号の意味やナンバーの取得条件を把握している人は限られています。
この記事では、その中から4ナンバー車に登録するための条件を詳しく紹介しています。仕事で車を使う人にとって重要な情報をたくさん紹介しているため、この記事を読むことで、どのナンバーの車が自分のビジネススタイルに合っているのか理解できるでしょう。
記事を通して車のナンバーについて理解してみましょう。
自動車のナンバーの意味とは?
自動車のナンバーには以下のように車両の大きさや用途によって細かく分類番号が割り当てられています。
分類番号とは、ナンバープレートの地域名が記載されている隣にある3桁の番号のことです。この番号を参考にすることで、車両の用途や大きさを確認できるようになっています。
この分類番号の中から、4ナンバーを取得するにはどのような条件があるのか、詳しく見ていきましょう。
出典:普通自動車・小型自動車・大型特殊自動車(登録番号)|山梨県軽自動車協会
参照:http://www.yk2.jp/info/plate.html#4
普通自動車・小型自動車・大型特殊自動車の場合
分類番号 | 用途 |
---|---|
0ナンバー | 建設用途などに使われる大型特殊車両 |
1ナンバー | 貨物運送用途の普通自動車(大型トラックなど) |
2ナンバー | 定員11人以上の運送に使用される普通自動車(バス) |
3ナンバー | 定員10人以下の運送に使用される普通自動車 |
4ナンバー | 貨物運送用途の普通自動車(軽トラ、バンなど) |
5ナンバー | 人の運送に使用される小型自動車 |
6ナンバー | 貨物運送用途の普通自動車(4ナンバーが埋まった場合使用される) |
7ナンバー | 人の運送に使用される小型自動車(5ナンバーが埋まった時に使用される) |
8ナンバー | 特殊用途がある小型および普通自動車(パトカーなど) |
9ナンバー | 特殊用途がある大型自動車(建設機械を除く) |
軽自動車・二輪車の場合
分類番号 | 用途 |
---|---|
なし | エンジン排気量251cc以上の二輪自動車 |
1および2 | エンジン排気量125〜250ccの二輪自動車 |
3および33 | 三輪の軽自動車 |
40〜49および400〜499 | 貨物運送に使用される軽自動車 |
50〜59および500〜599 | 人の運送に使用される軽自動車 |
80〜89および800〜899 | 特殊な使い方をする軽自動車(パトカーなど) |
4ナンバーを取得するための6つの条件
先述したように、4ナンバーは貨物運送に使用される自動車のことを指しています。そのため、運送などの仕事で使用される頻度が高い車にこのナンバーが割り当てられていることになります。
この4ナンバーを取得するためには6つの条件があります。これが1つでも欠けてしまうと4ナンバーを取得できないため、しっかり覚えておく必要があります。
それでは実際に、どのような条件があるのか詳しく見ていきましょう。
1:荷物スペースの床面積が1㎡以上
4ナンバーを取得するためには、車両の荷物積載スペースの床面積が1㎡以上、軽自動車の場合は積載スペースが0.6㎡必要です。
4ナンバーは元々物品運送を目的としている車です。そのため、運送業で利用されることの多い軽トラックやバンなどがこのナンバーに該当します。
このことから、4ナンバーを取得するためには、それ相応の積載スペースが必要ということを覚えておきましょう。
出典:自動車の用途等の区分について(依命通達)|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/jidosha/kensatoroku/kensa/kns07_1.htm
2:運転席と荷物スペースに壁・仕切りがある
4ナンバーを取得する場合、車両の運転席と貨物スペースに壁や仕切りが必要になります。
これは、トラックのように前方の運転席や助手席の搭乗スペースと区切られた状態で、後方すべてが積載スペースになっている車両が該当します。バンのような車両の場合は、乗車設備部分と物品積載施設の間に仕切りや壁を設置することで条件をクリアすることが可能です。
この条件は、人を運送するための車両と区別するために必要なものといえるでしょう。
出典:自動車の用途等の区分について(依命通達)|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/jidosha/kensatoroku/kensa/kns07_1.htm
3:後部座席より荷物スペースが広い
4ナンバーを取得する場合、積載スペースが乗車スペースよりも広い必要があります。
トラックのような車両であればそのままの状態でも基本的に問題ありません。ただ、バンのように後部座席があるような車両であっても、同様に積載スペースを半分以上有する必要があります。
この条件をクリアすれば、トラック以外の車であっても4ナンバーを取得することが可能です。
出典:自動車の用途等の区分について(依命通達)|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/jidosha/kensatoroku/kensa/kns07_1.htm
4:積載可能重量が乗車定員よりも重い
4ナンバーを取得する場合、車両の積荷の最大積載重量が乗車人数の定員による重量を上回る必要があります。
4ナンバー車の用途はあくまで荷物の運送に使うための車として定められています。そのため、定員人数まで乗車した場合の重さが積荷の最大積載重量を下回らなければいけません。定員人数の重量が積荷の積載重量を超えてしまうと、4ナンバーは取得できなくなります。
出典:自動車の用途等の区分について(依命通達)|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/jidosha/kensatoroku/kensa/kns07_1.htm
5:荷物の積卸口が横80cm・高さ80cm以上
4ナンバーに登録する場合、荷物の積卸口が横80cm、高さ80cm以上あることが条件となります。
先述したように、4ナンバー車は荷物の運搬を目的としている車両です。そのため、普通車よりも広い積卸口が必要になります。そうすることで、スムーズな荷物の運搬が可能となるでしょう。
この条件はバンのような車両が対象となるため、トラックのような車両は対象外となります。
出典:自動車の用途等の区分について(依命通達)|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/jidosha/kensatoroku/kensa/kns07_1.htm
6:長さ4.7m・幅1.7m・高さ2m・排気量2,000cc以下
4ナンバーに登録する場合、車両の高さ4.7m、幅1.7m、高さ2m、排気量2,000cc以下であることが条件になります。
4ナンバー車が登録できるのはあくまで小型車です。そのため、ここまで紹介した条件にすべて当てはまっていたとしても、車両のサイズや排気量の条件が当てはまらない場合は4ナンバー車として登録できないため注意が必要です。
4ナンバー車(小型貨物自動車)と5ナンバー車(小型乗用車)の違い
4ナンバー車は主に荷物の運搬に利用される車両であることを紹介してきました。
この4ナンバー車以外に広く流通しているのが、人物の運送を目的としている5ナンバー車です。5ナンバー車は、人物の運送を目的としている車両が登録できます。
それでは、この2つのナンバーには使用用途以外にどのような違いがあるのか、詳しくチェックしてみましょう。
車検の有効期間
4ナンバー車両の車検の有効期限は、新車登録後は2年、それ以降は1年です。5ナンバーの場合は新車登録後3年、それ以降は2年なので、4ナンバーの方が有効期限は短くなっています。
有効期限が短い理由は、利用頻度の違いです。4ナンバーの車は積荷の運搬に利用されることから、走行距離が長くなる傾向があります。その分、こまめなメンテナンスが必要になるため、有効期限が短く設定されています。
自動車税(種別割)
4ナンバー車の自動車税は、家庭用として利用されている5ナンバーと計算方法が異なります。
まず4ナンバー車の場合、最大積載量によって自動車税が加算される計算です。最大乗車定員が4名を超える場合、車両の排気量によって自動車税が加算されます。5ナンバーの場合、車両の排気量によって自動車税が決められています。
2つを比較した時、同じ排気量の車両でも4ナンバーの方が自動車税は安く済ませられるのが特徴です。
出典:自動車税種別割|東京都主税局
参照:https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/car_shubetsu.html#j_7
4ナンバー車の自動車税一覧
最大積載量 | 自動車税 |
---|---|
1トン以下 | 8,000円 |
1トン超2トン以下 | 11,500円 |
2トン超3トン以下 | 16,000円 |
3トン超4トン以下 | 20,500円 |
4トン超5トン以下 | 25,500円 |
5トン超6トン以下 | 30,000円 |
6トン超7トン以下 | 35,000円 |
7トン超8トン以下 | 40,500円 |
4ナンバー車(貨客兼用車)の自動車税一覧
最大積載量 | 総排気量1L以下の場合 | 総排気量1L超1.5L以下の場合 | 総排気量1.5L超の場合 |
---|---|---|---|
1トン以下 | 13,200円 | 14,300円 | 16,000円 |
1トン超2トン以下 | 16,700円 | 17,800円 | 19,500円 |
2トン超3トン以下 | 21,200円 | 22,300円 | 24,000円 |
3トン超4トン以下 | 25,700円 | 26,800円 | 28,500円 |
4トン超5トン以下 | 30,700円 | 31,800円 | 33,500円 |
5トン超6トン以下 | 35,200円 | 36,300円 | 38,000円 |
6トン超7トン以下 | 87,000円 | 36,800円 | 43,000円 |
7トン超8トン以下 | 45,700円 | 46,800円 | 48,500円 |
5ナンバー車の自動車税一覧
排気量 | 自動車税 |
---|---|
1L以下 | 29,500円 |
1L超1.5L以下 | 34,500円 |
1.5L超2L以下 | 39,500円 |
2L超2.5L以下 | 45,000円 |
2.5L超3L以下 | 51,000円 |
3L超3.5L以下 | 58,000円 |
3.5L超4L以下 | 66,000円 |
4L超4.5L以下 | 76,500円 |
4.5L超6L以下 | 88,000円 |
6L超 | 111,000円 |
自動車重量税
自動車重量税は、4ナンバー、5ナンバーともに車両の重さによって異なります。ただ、同じ車体の重さだとしても4ナンバーの方が自動車重量税も安く済むのが特徴です。
例えば同じ車体で比べた時、1トンの車両で4ナンバーの自家用車であれば6,600円、5ナンバーだと24,600円になります。
4ナンバーは毎年車検に出す手間がある分、それ以外の面で見た時にメリットも多数存在するナンバーといえるでしょう。
出典:自動車重量税額について|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr1_000076.html
4ナンバー車の自動車重税一覧
最大積載量 | 1年自家用 (エコカー外13年未満) | 1年事業用 (エコカー外13年未満) |
---|---|---|
1トン以下 | 3,300円 | 2,600円 |
1トン超2トン以下 | 6,600円 | 5,200円 |
2トン超3トン以下 | 2.5トン以下9,900円、3トン以下12,300円 | 7,800円 |
3トン超4トン以下 | 16,400円 | 10,400円 |
4トン超5トン以下 | 20,500円 | 13,000円 |
5トン超6トン以下 | 24,600円 | 15,600円 |
6トン超7トン以下 | 28,700円 | 18,200円 |
7トン超8トン以下 | 32,800円 | 20,800円 |
5ナンバー車の自動車重税一覧
重量 | 自動車重量税 |
---|---|
軽自動車 | 6,600円 |
0.5トン以下 | 8,200円 |
0.5トン超1トン以下 | 16,400円 |
1トン超1.5トン以下 | 24,600円 |
1.5トン超2トン以下 | 32,800円 |
2トン超2.5トン以下 | 41,000円 |
2.5トン超3トン以下 | 49,200円 |
4ナンバーの取得条件を知って用途に適したナンバーを取得しよう
4ナンバーは貨物の運搬に特化した車が取得できます。そのため、日頃から仕事で車を利用する場合、4ナンバーを取得した方がいいケースもあるでしょう。
4ナンバーのメリットやデメリットを理解した上で、改めて自身の生活にはどのナンバー車が合っているのか改めて検討してみましょう。