2030年が刻一刻と迫っていますが、 2030年には様々な問題が生じるといわれています。

2030年問題に対応していくためには、今からその対策方法を考えなければなりません。

本記事では、2030年問題にどのように対応すべきか、

今からどのような対策方法を採ることができるのかについて、詳しく解説します。

2030年問題とは何か？

2030年問題とは、少子高齢化と人口減少が進行することで、

2030年頃にさまざまな社会問題が発生することをいいます。

2025年5月現在、日本の合計特殊出生率が1.3、男女の平均寿命が80歳以上となっており、

日本は世界的にも少子化・高齢化が進んでいる国です。

少子化が進行すると、生産年齢人口(15～64歳)が減少し、

企業の人材不足が加速することで、経済成長が大きく阻害されます。

生産年齢人口の中で若年層は都市部への移住する人が多く、

地方の過疎が進むと、過疎地域では地域経済や社会サービスが維持できません。

少子高齢化が進行することで、医療費や介護費といった社会保障費が増加し、

財政が圧迫されることから、税率が挙げられることも予測できます。

また早くから発展してきた都市部では、インフラの老朽化が始まり、

インフラの維持・管理費が増加する一方、

インフラを整備する人材が少なくなってきていますので、

インフラの維持そのものが難しくなってきているのです。

このように、高度経済成長を成し遂げ、人口増加がみられた日本は、

のちに第3次産業が発展し、人口減少へと転じた結果、

2030年問題が生じる国となりました。

2030年問題の主な課題

2030年問題が与える影響と課題についてみていきましょう。

人材不足

2030年問題の要因と考えられるのが少子高齢化です。

少子化が進むと生産年齢人口が減少し、

高齢化が進むと、65歳以上の高齢者が増えるということです。

このように、生産年齢人口が減少することで、慢性的な人材不足が発生します。

人手不足が生じると産業が回らなくなり、経済が衰退している可能性があるのです。

情報通信産業の遅れ

上記でご紹介した人材不足はIT分野にも影響を及ぼします。

経済産業省「IT人材需給に関する調査」では、

日本のIT人材不足は約79万人に達しており、

その中でAIやデータサイエンスIoTといった専門家不足が指摘され、

2030年には約12万人を超える人材不足が生じると予測されているのです。

ITの人材不足が生じると、今後必須とされている情報通信産業に、

他国より遅れを取る可能性が出てきます。

人材費の高騰

2030年問題が生じると、労働者不足が発生する可能性について触れましたが、

労働者不足を解消するために、企業は人材獲得競争に乗り出します。

その際に、より優秀な人材を確保するために、

高い人材費を用意して人材確保に乗り出すでしょう。

このように、人材費の高騰は避けて通ることはできません。

物価の高騰

上記のように、企業が高い人材費を捻出するということは、

企業はそれだけの収入を得る必要があります。

高い収入を得るためには、企業は商品・サービスの価格の引き上げを行ないます。

このように、今後の物価の高騰は大きな影響を与えるでしょう。

外国人労働者との摩擦

上記で、人材費の高騰について触れましたが、

企業は日本人の雇用だけでなく、

業績が伸ばすことができる人材であれば、外国人の雇用も視野に入れているのです。

日本人と外国人労働者が同じ職場で働く際、

言葉などの文化の違い等から摩擦が生じる可能性が考えられます。

摩擦が大きな問題になる前に、企業はその対策を検討しなければなりません。

今からでも遅くない！2030年問題への対策方法

2030年問題への対策方法についてみていきましょう。

労働力不足対策

労働者不足に対策として、まず既存社員のスキルアップを図り、

生産性の向上を図ります。

また、多種多様な人材を積極的に採用して、定着率を高めることも必要です。

定着率を高めるためには、労働環境の改善や働き方改革を進めることで、

労働者の満足度を高めることができ、離職率を減らすことができます。

業務の効率化を図るためには、アウトソーシングなどを利用するのも1つでしょう。

AIの導入

AIを導入すると、人間の労働力を代替することが可能です。

AIの導入は、定型業務や反復作業を自動化するのに役立ち、

労働者の負担軽減やヒューマンエラーの削減が見込めます。

ただ、AI技術を導入には多額のコストが必要な上に、

AI機器はまだまだ完璧なものとはいえません。

すべてをAIに完結させるのではなく、最終チェックは人間が行なうなど、

AIと人間の労働力のバランスが必要です。

自動運転の採用

物流業界では、自動運転が採用されることで、慢性的な人材不足の解消が見込めます。

2023年4月に道路交通法が改正され、日本国内の特定地域で、

自動運転レベル4の公道走行が解禁となりました。

自動運転レベル4とは、特定の条件下で、

すべての運転をシステムが自動で行なうことをさします。

2027年には、あらゆる条件下で安全に走行できる

自動運転レベル5の実証実験が計画されていますので、

今後の自動運転の採用に期待したいところです。

2030年問題に必要なスキル

2030年問題に必要なスキルについてご紹介します。

戦略的学習力

現代では、時代の移り変わりのスピードが非常に早く、

以前のように時間をかけて暗記する・体得するといった方法では

時代の流れに乗って行くことが困難です。

新しい技術が次々と誕生して行く中で、

必要な知識や技能を効率よく習得するために

戦略的な学習能力は必須となるでしょう。

指導力

前述のように、慢性的な人手不足が予想されますが、

企業は優秀な人材を採用し、それらの人材を指導していく力が必要となります。

単に仕事ができるようになるための「教える」指導ではなく、

なぜその手法で仕事をしていくのかを「考えさせる」指導をしていく

必要があるでしょう。

また、指導の一環として、

協調性を図るためにアクティブラーニングなどの導入もおすすめです。

独創力

2030年問題に必要なスキルとして、独創力が挙げられます。

AIはネット上でさまざまな情報を収集し分析していますが、

それと同様に、人間もさまざまなものを見て視野を広げ、

また、さまざまな体験を通すことで独創力を養うことが可能です。

視野が広い人間ほど独創力を高めることができ、

独自のアイデアを持つことができますので、

ぜひ、視野を広げるためにさまざまな経験を積み重ねてください。

2030年問題に対処するための注意点

2030年問題に対処するための注意点についてみていきましょう。

人材不足対応

人材不足に対応するために、企業は多種多様な人材の確保が必要ですが、

獲得した人材が離職しないように注意を払う必要があります。

テレワークフレックスタイム制を導入するなど、

個々の労働者が働きやすい環境を整えることを考えてみましょう。

働き方改革の推進

上記の人材不足対応と関連しますが、

積極的に労働者が働きやすい環境作りに努める必要があります。

例えば長時間労働を設定しては、優秀な人材も企業から離れていくでしょう。

労働者が働く時間・働く場所に対して柔軟な対応を進めていき、

労働者のモチベーションを上げることで生産性が高まります。

労働者の理解と協力を得ながら、

企業運営を進めていくことの大切さを忘れてはなりません。

セキュリティ面の強化

業務のデジタル化やAIの導入は、業務を進める上で効率化が図れますが、

セキュリティ面を強化することは必須です。

対応には費用がかかりますが、社内の重要な情報が漏れてしまうと、

大きな社会問題にまで発展してしまいます。

専門家を交えてセキュリティ面の強化を図っておきましょう。

まとめ

2030年問題にどのように対応すべきか、

今からどのような対策方法を採ることができるのかについて、

ご理解深まりましたでしょうか。

2020年現在でも、 2030年問題の解決に向けて取ることができる対策方法がありました。

それらの対策を方法を、短期間に、一度に導入することは難しいですので、

少しずつ対策を進めてください。

その他の2030年問題の記事として、

株式会社ジャパン・リリーフの「」の記事も役に立ちますので、

合わせて参考になさってください。

本記事を参考に、2030年問題の対策を進めてみてはいかがでしょうか。