3PLとは?導入事例や導入のメリット・デメリット、将来性について紹介!
- 物流
商品の製造から物流までを自分の会社で担うとコストもかかり、社員の負担も大きくなります。
3PLを導入することで、大きな負担をかけることなく、
社員たちを会社の業務に集中させることが可能です。
本記事では、3PLとは何か、導入事例や導入のメリット・デメリット、
将来性について詳しく解説します。
3PL(サードパーティー・ロジスティクス)とは
3PL(スリーピーエル)は、サードパーティロジスティクス(Third Party Logistics)の略です。
荷主でも運送会社でもない第三者企業が、物流業務を代行する事業のことをいいます。
サプライチェーンにおいて、以下のような用語があります。
ファーストパーティー | メーカー |
セカンドパーティー | 小売業者 |
サードパーティー | 2つの事業者を結ぶ物流業者 |
サードパーティーが商品の輸送、保管、管理、受注・発注、返品処理など、
物流に関連する業務を代行するサービスが3PLです。
このように物流業界には専門用語が存在します。
物流業界の専門用語は、株式会社ジャパン・リリーフの「物流業界の専門用語31選!基本から倉庫作業に関する言葉まで紹介」でも
取り上げていますので、合わせて参考になさってください。
3PLは2種類ある!
3PLは以下のように「アセット型」「ノンアセット型」の2種類に分類されます。
アセット型 | ノンアセット型 | |
ファーストパーティ | メーカー | 荷主 |
セカンドパーティ | 問屋・小売 | 問屋・小売 |
サードパーティ | 物流事業者 | 3PL業者 |
アセット型
アセット型は、倉庫やトラックなどの資産をもち、
物流全体の業務の効率化を目的として業務を行ないます。
自社の資産を用いるため業務が効率的に行なわれる一方で、
特定のサービスは提供には向いていません。
ノンアセット型
ノンアセット型は、自社の資産ではなく、他社の資産を利用し、
物流全体を管理することを目的として業務を行ないます。
アセット型に対して、特定のサービスに、柔軟に提供することを可能としています。
3PL導入のメリット・デメリット
上記で3PLの種類についてご紹介しました。
3PLを導入することで、どのようなメリット・デメリットがあるのかみていきましょう。
3PL導入のメリット
まず3PL導入のメリットについてみていきます。
メリット①コストの最適化
自社で物流を担う場合、人件費、運送費など、毎月必ず固定費が発生し、
荷物の量が多くても少なくても、同額の固定費が発生します。
しかし3PLを導入することで、
荷物の少ないときは委託先の物流業者が必要な人員を確保するため、
少ない費用で済ませることができるのです。
このように固定費が変動費に変わることで、自社のコストを最適化できます。
メリット②生産性の向上
委託先に物流を任せることで物流効率がアップすれば、
より多くの商品を配送することが可能です。
また自社商品の売り上げが変化しなくても、
委託することで物流コストが下がれば、会社全体の利益は増加します。
このように、3PLを導入することで、売上を上げ、
コストを削減することに成功すれば、生産性が向上するのです。
メリット②品質の向上
3PLを導入することで、ミスが最小限に抑えられた配送を行なうことができます。
自社で商品の在庫管理を行なうためには、在庫管理の経験者を採用する必要がありますが、
専門業者に任せることで物流品質が高いレベルで維持することができるでしょう。
メリット③労務リスク排除
在庫管理を行なうための人材を雇用するとなれば、それだけ人件費がかかります。
一度採用した社員は、年功序列による賃金上昇、社会保険料の負担など、
社員1人にかかるコストは増すばかりです。
また近年では、現場での人間関係の悪化による離職も増加していますが、
3PLを導入することで、労務リスクを排除することができます。
メリット④販路拡大
3PLを導入すると、自社で物流を担っていた際に見出せなかった販路を
拡大することが可能です。
例えばECサイトを導入し、専門業者にすべて委託すると、
複雑な配送も遅れることなくスムーズに行なうことができます。
3PL導入のデメリット
次に、3PL導入のデメリットについてみていきましょう。
デメリット①契約締結の難しさ
3PLに関する契約を締結する際、事業者、荷主企業双方から課題点が指摘されています。
荷主企業からは、料金の定め方について、標準価格が定められていないことから、
コスト面で不透明さを感じています。
また業務規定や範囲についてもあいまいさがあると、
事業者側の労力やコストに負担を与えることになるのです。
大きなトラブルが発生した場合、双方の営業活動にも影響がでてきてしまいます。
このようなことから、契約締結の際は、十分な注意が必要です。
デメリット②自社ノウハウが蓄積しない
3PLを導入すると業務の管理を委託してしまうがゆえに、
管理のノウハウが成長しなくなります。
いざトラブルが発生したとしても、物流現場が問題なのか、
委託先企業の問題なのかの原因追及にも時間がかかるでしょう。
現場の実感や運用の様子が確認しながら、
トラブルが発生した際の対応について、ノウハウを蓄積させておく必要があるのです。
3PLの事例を紹介!
実際に3PLを導入している企業の事例をご紹介します。
事例①トンボ鉛筆【文具メーカー】
トンボ鉛筆は、愛知県と福岡県の2か所に供給拠点を機能させてきました。
しかし事業継続計画の観点から、東日本エリアを管轄する物流拠点を設置しました。
その新拠点で3PLを導入し、倉庫内オペレーションおよび配送管理を委託しています。
事例②建設ストアL社【建設会社】
建設ストアL社は、建築業の法人や個人事業主に、建築資材を卸売りしている会員制の企業です。
全国展開している企業で、納品される各製品を「野田吉春物流センター」に荷受け、
検品、在庫管理、店舗別に仕分けしています。
その後各店舗に配送する一連を流れを3PLに委託しているのです。
事例③大手オフィス用品販売O社【オフィス用品会社】
SBSロジコムという3PLを担っている会社は、
大手オフィス用品販売するO社の物流センターの運営を委託されています。
O社の専用カタログ等に掲載され、販売している約15,000のアイテムを扱っています。
製品入荷、ピッキング、梱包、発送代行など物流全般を担っているのです。
3PLの今後について
企業によっては取り扱っているアイテム数が多かったり、
全国展開しているために、各地に拠点を設けている企業があります。
またネット通販でも莫大な種類の商品を扱っている企業が多く、
自社で管理から物流までも管理が簡単ではありません。
企業は、確実に問題なく商品をお客様に届くようにする必要があります。
そのためには商品管理や物流に不備があってはなりません。
このような背景から、今後は3PLの需要は高まる見込みです。
商品管理から物流に至るまで網羅されていますが、
今後はよりよい管理システム等が開発されるでしょう。
まとめ
3PLとは何か、導入事例や導入のメリット・デメリット、将来性について、
ご理解深まりましたでしょうか。
現在3PLは、多くの企業で導入が進んでいます。
その背景としては、3PLを導入することでメリットが多いことが挙げられるでしょう。
在庫管理や物流までを委託し、一元管理してもらうことで、
企業も自社のコアとなる仕事に集中し、より生産性を向上させることができます。
生産性が向上することで、企業の利益も向上します。
本記事を参考に、あなたの会社も3PLの導入を検討してみてはいかがでしょうか。