荷姿とは?主な種類とその特徴や木材など用いられる素材について紹介- 株式会社ジャパン・リリーフ
- 物流
「物流関係の仕事に就きたいから、用語をチェックしておきたい」
「荷姿を選ぶ際のポイントは何?」
「どんな種類があるの?梱包方法も確認したい」
このように、物の流れが盛んになった今、物流関係の仕事に就きたい人や、梱包について知識を深めたいと考えている人もいるのではないでしょうか。
本記事では、「荷姿」の意味や種類、特徴についてご紹介し、併せて「荷姿」で使われている素材についてもわかりやすく説明しています。
この記事を読むことで、物流業界に必要な知識はもちろんのこと、把握していると便利なポイントも説明しているため、さらに知識を深めることができるでしょう。
物流業界に就職予定のある人や、すでに携わっている人など、「荷姿」について不明な点がある人は、ぜひチェックしてください。
物流業界でよく耳にする「荷姿」とは?
「荷姿」とは、荷物の見た目、つまり梱包した状態のことで、読み方は「にすがた」です。英訳では「package」といいます。大抵の運送時は梱包された状態で運ばれるため、梱包した状態であると覚えるといいでしょう。
荷物によっては荷姿の種類が異なり、荷姿個数も異なります。
バーチャル上で、3DCADによる荷姿の設計を行うことで、自動車の部品を適切な梱包で運送することができるでしょう。アプリの種類によってはカメラで計測も可能です。
アパレル店などのファッション業界では、システムを使用して服の在庫管理を行い、荷姿の保管スペースを有効に使っている企業もあります。
荷姿の主な種類とその特徴
一般的に使用されている中身が見えない箱や中身が見える箱など、種類によって形状が違うため、中身に合わせて箱を変える必要があります。
また、商品や荷物が壊れないようにする梱包方法も一つではありません。複数の梱包方法の特徴を把握しておくと、荷物を運ぶときに役立つでしょう。
中身の見える「すかし箱」
「すかし箱」とは名前の通り、すきまのある箱のことです。すかし梱包は別名で、「クレート梱包」と呼ばれています。
すきまがあるため、中身が見え、密閉箱に比べ安くすむ点が特徴です。しかし、中身が見える状態は防水機能が機能しないことと同義のため、何でも梱包できるわけではありません。
最も利用されている「密閉箱」
「密閉箱」は、中身の見えない箱のことをいい、運送の際によく利用されている箱です。木材を使って中身を見えなくしている箱であれば「密閉木箱」といいます。
運送する際は、雨やほこりなどの障害を妨げるため、濡れずに、ほこりかぶらずに運ぶことが可能です。
別名「ケース梱包」と呼ばれており、中身を見られたくないとき、汚れてはいけないときに使われることが多いでしょう。
梱包された荷物をまとめる「パレット梱包」
パレット梱包は、「パレタイズ集合梱包」と呼ばれる梱包方法で、パレットを使って主に段ボールの荷物を梱包します。物流作業による積卸しや運搬、積付けなどの荷役輸送でパレット梱包を使うことが可能です。
パレットは荷物をまとめ、フォークリフトで移動させたり、重ねて保管したりする道具で、英語で「Pallet」と書きます。表記方法は「PP」です。
箱でない関係や、側面に保護が施されていない関係によって、上に荷物を乗せることができない、側面部分が衝撃を受けやすいデメリットがありますが、鉄などの木材以外の素材にすることで、輸出もできます。
バリア材を使った「バリア梱包」
「バリア梱包」は「真空梱包」とも呼ばれる梱包方法で、船を使った輸送や工場で使われている機械などの科学的な道具を運ぶときに使う梱包です。
「バリア梱包」は、真空状態にした上で、乾燥材をいれるため、湿気に強い梱包になっています。海の塩分濃度や湿気によるサビを防ぐことができるでしょう。
腰下の上に固定する「スキッド梱包」
「スキッド梱包」とは、腰下と呼ばれる底部の枠組みや木箱の上に固定し、側面を頑丈に覆わない梱包です。この梱包方法は、荷物と床が触れることなく運送できます。
コストを抑えることができますが、腰下の上に固定するため、他の荷物よりも高くなってしまうでしょう。
他にも側面を頑丈に覆っていないため、荷物が刺激を受けやすいデメリットもあります。
バンドルで固定する「バンドル梱包」
「バンドル梱包」とは、名前の通り結束する梱包方法です。バンドルと呼ばれる頑丈な素材のものを使って束ねて運送します。
密閉梱包に比べると、約半分ものコストを抑えることが可能です。「バンドル梱包」は、荷物が頑丈であり、周りを覆う必要がない場合にも使われます。
バンドル梱包で用いられるバンドル素材は、鋼線が用いられていることが多いです。
緩衝材を使う「緩衝梱包」
「緩衝梱包」は緩衝材を使って、荷物から輸送中の衝撃を防ぐ梱包方法で、損傷しないようにするときや衝撃に弱い荷物を運ぶときに使う梱包です。
緩衝材には一般的にプチプチと呼ばれる気泡シートをはじめとし、段ボールや発泡スチロールなどが使われます。
緩衝材といっても、種類によっては、衝撃を吸収する力が異なるため、荷物の種類と特徴をよく確認して緩衝材を選ぶ必要があるでしょう。
荷姿で用いられる素材
荷姿で用いられる大抵の素材は決まっています。例えば、素材の特徴を把握することで衝撃に弱い荷物なのか、それとも衝撃に強い荷物なのか、外見を確認するだけで、区別することもできるようになるでしょう。
加工がしやすい「木材」
木材は加工がしやすく、熱による加工や、穴を開ける加工、溝の加工など、多くの加工に適している素材です。
使用する木材は1種類ではなく、松やひのき、杉など、さまざまな木を使います。産地も日本産の木もあれば、外国産の木もあり、木の種類や産地によって、木の特徴が異なるでしょう。
認知度が高い「紙」
一般的によく用いられる素材が紙です。紙は紙袋などの袋はもちろん、段ボールなどの箱も該当します。
紙の素材であれば、使い勝手が良く、おまけに軽いため運送ではよく用いられているでしょう。段ボールは音楽機材を運ぶ際にも使われています。
なにかと扱いやすい「スチールやアルミ」
スチールやアルミは梱包素材の1種であり、開封しやすい点や組み立てやすい点が特徴です。また、幅を取らず、結果的に積載量が増え、効率が良いため、コスパ向上に繋がります。
梱包にスチールを用いると、組み立てやすいメリットがある一方で、デメリットは一度組み立ててしまうと調節が難しいということです。
また中国では木材を梱包材に使用することに対しての規制が強くなってきているため、代わりにスチールが用いられています。
荷姿を選ぶときの考え方
荷姿はドライバーが直接選ぶことはありませんが、ある程度の知識を頭に入れておくと、役立つこともあります。
ここからは、荷姿を選ぶときに、何を考えて選べばいいのかを見ていきましょう。
輸送にかかるコストで考える
荷物を大事に運送することは、とても良いことですが、梱包に力を入れすぎると、コストが余計にかかってしまうでしょう。
例えば過剰な梱包をしてしまうと、荷物の重量が重くなってしまったり、積載量が減ってしまったりする場合もあるため、運送による燃料がかかり、効率も悪くなります。
結果的に、想定以上の燃料が必要になることもあるため、視点をコストに向け、荷姿を選ぶことが必要です。
荷物の性質で考える
荷物が衝撃に弱いタイプだと、衝撃に強い梱包にする、荷物が湿気に弱いタイプだと、湿気を防ぐ梱包にするなどのように、荷物の性質に合わせた梱包にする必要があります。
いくら梱包をしていても、性質に合っていない梱包方法で運送していると、荷物が壊れたり、不備が生じてしまったりする場合もあるため、気を付けましょう。
輸送に使う手段で考える
梱包の種類によっては、トラックを使った運送に適した方法、船を使った運送に適した方法など、梱包方法も運送方法との相性があります。そのため、何の運送機関を使って運送するのかを確認することも重要です。
船であれば、積み荷が湿気を持ちやすくなるため、湿気に強い梱包で運送する必要があります。反対に陸路のトラックであれば、衝撃が加わるため、衝撃を抑える梱包をする必要があります。
荷姿とはなにかを知っておこう
「荷姿」は、荷物を梱包した状態や荷物の見た目のことをいいます。荷物によっては、木材や紙、アルミニウムが梱包の素材として使われることがあり、性質を理解した上で、梱包材を使い分けることが必要です。
また、運搬方法によっても、梱包の仕方を変えることで、コストを抑えながら、安全に運ぶことができるため、覚えておくと便利でしょう。ホテルや貿易関係では荷姿の表記方法一覧も確認しておくと、役立ちます。
実際、ドライバーに直接関係はありませんが、「荷姿」の状態を見分けることで、さらに慎重に運ぶことも可能です。
運送業者、ドライバーになるにはある程度の専門用語を把握しておく必要があるため、事前に確認してみてはいかがでしょうか。