カーシェアとライドシェアの違い!サービス内容とメリット・デメリットや普及状況
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「カーシェアとライドシェアって何が違うの?」
「カーシェアとライドシェア、どっちがいいの?」
車のサービスにはカーシェアとライドシェアがありますが、この2つの違いがよく分からないという人も多いのではないでしょうか。
本記事ではカーシェアとライドシェアのサービス内容の違い、それぞれのメリットとデメリットについて紹介します。本記事を読むことで、カーシェアとライドシェアの違いとそれぞれをどういう時に利用すればいいのか分かるようになるでしょう。
また、ライドシェアの普及状況や日本におけるカーシェアサービス、ライドシェアアプリについても紹介しています。実際にカーシェアやライドシェアを利用する際の参考になるでしょう。
カーシェアとライドシェアについて知りたい場合は、ぜひこちらをチェックしてみてください。
カーシェアとライドシェアのサービス内容の違い
車関係のシェアリングサービスには、「カーシェアリング」と「ライドシェアリング」があります。カーシェアリングとライドシェアリングは同じものと考えがちですが、この2つは普及状況やサービス内容に明確な違いがあります。
この記事ではカーシェアリングとライドシェアリングそれぞれについて詳しく紹介していくため、参考にしてください。
カーシェアリング
カーシェアリングは、事業者または個人が所有する車を利用者(ドライバー)に貸し出すサービスのことです。プラットフォームを通じて、貸し出し可能な車とドライバーをマッチングさせます。利用者が車を借りるため、レンタカーの一種になっています。
必要に応じて車を借りられるカーシェアリングは、車両台数が増加中です。特に東京、名古屋、大阪などの都市部に集中しています。
出典:わが国のカーシェアリング車両台数と会員数の推移|公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団
参照:https://www.ecomo.or.jp/environment/carshare/carshare_graph2023.3.html
出典:【参考】わが国のカーシェアリングステーション設置状況(令和5年3月末時点)|公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団
参照:https://www.ecomo.or.jp/environment/carshare/data/carshare_gis_2023.3.pdf
ライドシェアリング
ライドシェアリングは、ドライバーが所有する車に相乗りさせるサービスのことです。プラットフォームで、車の提供者であるドライバーと、相乗りしたい利用者(同乗者)をマッチングさせます。
ライドシェアリングでは、カーシェアリングのように、利用者が車を運転することはありません。車を運転するのは車の所有者であるドライバーで、利用者はその車に相乗りするだけです。
このようにライドシェアリングとカーシェアリングは、まったく違うサービスということが分かるでしょう。
カーシェアのメリットとデメリット
ここでは、カーシェアを利用する上でのメリット、デメリットについて紹介します。カーシェアを利用したことがない人は、実際にどのようなメリットやデメリットがあるのか参考にしてみてください。
カーシェアのメリット
カーシェアは車を所有していないため、駐車場代や自動車税・軽自動車税といった税金、車のメンテナンス費用などがかからないことがメリットでしょう。事業者によってはガソリン代もかからないことがあります。
運転免許証さえ持っていれば、全国どこでも利用したい時に車に乗れるのもメリットでしょう。
出典:自動車税・軽自動車税種別割|総務省
参照:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/149767_13.html
カーシェアのデメリット
カーシェアは長時間乗ると割高になってしまうこともあります。
さらに、地方ではカーシェアリングのサービスを提供している場所が少ない点は不便に思うことがあるでしょう。
また、カーシェアの利用には予約が必要です。予約した際にすでに先約があれば、希望しても乗れない可能性があります。
最後にカーシェアで借りられる車は常に清掃されているとは限らないこと、禁煙になっていることもデメリットになるでしょう。
ライドシェアのメリットとデメリット
車そのものを貸し借りするカーシェアとは違い、ライドシェアは同一の方向に向かう車に利用者が同乗する形になっています。そのため、ライドシェアのメリットとデメリットは、カーシェアとはまったく違うものになるでしょう。
ライドシェアのメリットとデメリットについて紹介していきますので、参考にしてみてください。
ライドシェアのメリット
車での移動はガソリン代や高速代といった移動コストがかかりますが、ライドシェアはドライバーと同乗者で割り勘できるため、移動コストを節減できます。アプリ決済で手軽に料金を支払えるのもメリットでしょう。
また、ライドシェアはバスやタクシー、電車が近くにない過疎地での交通手段にもなります。さらにライドシェアでは複数人が1つの車で移動するため、それぞれが個別に車で移動するよりも排気ガスの排出量を抑えられるため、環境に優しいというメリットもあります。
ライドシェアのデメリット
ライドシェアを同乗者として利用する場合、知人ではないドライバーの車に同乗することになります。そのため、ドライバーによっては運転技術や知識が未熟であることにより、事故が起きてしまうリスクがあるでしょう。
また、ドライバーの素性が分からないことにより、犯罪に巻き込まれてしまうリスクもありますため、注意が必要です。
一方、ドライバーにとっても、ライドシェアによる収入が不安定になってしまうことや、事故などに遭うといったトラブルが発生してしまうことがあるでしょう。
カーシェアの普及状況
カーシェアの利用者数は各国で増えてきており、日本でも車両台数や拠点数、カーシェアの会員数は2010年頃から右肩上がりに増えています。
2022年にはカーシェアの車両台数は5万台、会員数は260万人を越えました。カーシェアリング車両ステーション数も2万を超えています。
また、1世帯あたりのレンタカー・カーシェアリング料金は2019年にピークを迎え、その後も比較的安定しています。
出典:カーシェアリングの動向整理|消費者庁
参照:https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/caution/internet/assets/internet_committee_230330_08.pdf
ライドシェアの普及状況
ライドシェアは海外でこそ急速に普及してきていますが、日本では普及が遅れているでしょう。
日本での普及が遅れている理由は、日本ではライドシェアに規制があるためです。しかし、日本でもライドシェアの規制緩和の動きが出てきているため、今後の状況が変わる可能性があります。
ここでは海外でライドシェアの普及が加速している理由と、日本でライドシェアが普及してこない理由、規制の緩和について紹介します。
出典:『日本版ライドシェア』の速やかな実現を求める|公益社団法人 経済同友会
参照:https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/toushi/20200413/200413toushi01.pdf
海外で普及が加速
海外でライドシェアが普及したのは、スマートフォンによってドライバーと利用者の正確なマッチングが可能になったこと、ドライバー・利用者それぞれを評価するシステムがあること、乗車前に時間や料金が明確になっていることなどが理由でしょう。
「Uber」や「滴滴出行(ディディ チューシン)」などの大手のプラットフォームを中心にして、各国でライドシェアの普及が加速してきています。
出典:会社概要 | Uber
参照:https://www.uber.com/jp/ja/about/?uclick_id=34363a78-b30d-42f1-9ed1-fb4d1d01a9b7
出典:DiDi《ディディ》平均5分で来るタクシーアプリ | DiDiモビリティジャパン株式会社
参照:https://didimobility.co.jp/
日本も規制緩和の動きがある
日本では、一般の人が自家用車を使い有償で運送することは、違法タクシー(白タクシー)として原則禁止されています。
しかし、国家戦略特区での訪日外国人観光客を対象とした自家用車での有償運送を可能にしたり、事業者との協力による有償旅客運送制度を創設したりと、ライドシェアへの規制は緩和される傾向にあります。
出典:道路運送法|e-Gov法令検索サイト
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=326AC0000000183
出典:国家戦略特別区域法|e-Gov法令検索サイト
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=425AC0000000107
日本のカーシェアサービス4選
いつでも好きな時に車を借りることのできるカーシェアリングサービスは、日本でも人気となっています。それぞれのカーシェアサービスごとに便利な機能やサービス、会員特典などがあります。ステーションの数も気になるところです。
ここからは、日本のカーシェアサービスを4つ紹介していくため、参考にしてみてください。
出典:利用方法|カーシェアリングのタイムズカー(旧:タイムズカーシェア)
参照:https://share.timescar.jp/use/
出典:カレコ・カーシェアリングクラブ | 三井のリパークでカーシェア
参照:https://www.careco.jp/
出典:トヨタのカーシェアサービス | トヨタシェア
参照:https://rent.toyota.co.jp/skb_info/toyota_share/
出典:エニカ(Anyca)”思い出を変える”カーシェア&レンタカーサービス | カーシェアならエニカ(Anyca)
参照:https://anyca.net/
日本のカーシェアサービス4選
サービス名 | 対象エリア | ステーション数 |
---|---|---|
タイムズカープラス | 全国 | 約14,000 |
カレコ | 16都道府県 | 約3,600 |
TOYOTA SHARE | 全国 | 約1,350 |
Anyca | 全国 | ステーションはなく、待ち合わせ |
タイムズカープラス
「タイムズカープラス」は全国の主要都市で展開しているため、利用しやすいカーシェアサービスとなっています。
パソコンやスマートフォンから予約した後、車に会員カードをかざしてドアを開錠し、キーを入手すると運転可能になります。さまざまな車が用意されており、24時間対応のコンタクトセンターや、万が一に備えた補償制度があることも魅力でしょう。
給油や洗車を手伝った場合に、30分相当の料金が割引になるといったサービスもあります。
出典:利用方法|カーシェアリングのタイムズカー(旧:タイムズカーシェア)
参照:https://share.timescar.jp/use/
出典:給油・洗車 | カーシェアリングのタイムズカー(旧:タイムズカーシェア)
参照:https://share.timescar.jp/use/gas-station.html
カレコ
「カレコ」は東京や神奈川、埼玉や大阪といった首都圏を中心にステーションを設置しているカーシェアサービスです。スマートフォンやパソコンから予約し、乗車カードで車のドアを開錠し、運転後はステーションに車を戻します。
初期費用0円(専用カード発行無し)や、月会費が実質0円になるというプランがあるため、時々しか車を利用しないという人でも利用しやすいカーシェアサービスです。
出典:カレコ・カーシェアリングクラブ | 三井のリパークでカーシェア
参照:https://www.careco.jp/
出典:個人向け料金|カレコ・カーシェアリングクラブ
参照:https://www.careco.jp/plan/
TOYOTA SHARE
「TOYOTA SHARE」はTOYOTAのカーシェアサービスです。ステーション数は約1,350とそれほど多くはありませんが、車種はトヨタ車、ダイハツ車が用意されています。
月会費は無料キャンペーン中であれば0円になること、料金が比較的安価という特徴があります。利用方法は他と同じく、スマートフォンで予約可能です。車内にはスマートフォン充電器が搭載されているため、スマートフォンの充電を気にする必要はありません。
出典:トヨタのカーシェアサービス | トヨタシェア
参照:https://rent.toyota.co.jp/skb_info/toyota_share/
出典:ご利用料金 | トヨタシェア
参照:https://mobility.toyota.jp/r-toyotashare/price/?padid=menu_price
Anyca
「Anyca(エニカ)」はカーシェアとレンタカーサービスを行っており、ステーションがないのが特徴です。
Anycaはドライバーが気に入った車のオーナーに予約リクエストし、問題がなければ了承され、待ち合わせ場所にて車の受け渡しをする形になっています。スマートデバイスを使用するオーナーであれば、より簡単に車の受け渡しを行えるでしょう。
利用できる車は約1,100種以上と新型車から高級車まで用意されています。
出典:エニカ(Anyca)”思い出を変える”カーシェア&レンタカーサービス | カーシェアならエニカ(Anyca)
参照:https://anyca.net/
日本のライドシェアのアプリ4選
ここからは、日本のライドシェアのアプリを4つ紹介していきます。
日本ではライドシェアがあまり普及していないため、ライドシェアのアプリは1つしかありません。ただし、タクシーでの相乗りといった形のライドシェアは盛んであるため、そちらのアプリも含めて紹介します。
出典:長距離ライドシェア(相乗り)|notteco(のってこ!)
参照:https://notteco.jp/info/legal
出典:service|Geecoo, Inc.
参照:https://geecoo.co.jp/
出典:1人でタクシーに乗るより最大50%お得。通勤や日常使いに、シェアでお得にドアツードア|NearMe Town(ニアミータウン)
参照:https://app.nearme.jp/town-shuttle/
出典:呼べば来る、エリア定額乗り放題サービス|mobi(モビ)
参照:https://travel.willer.co.jp/maas/mobi/
アプリ名 | 対象地域 | 支払方法 |
---|---|---|
notteco(のってこ) | 全国 | 当日現金決済 |
AINORY | 日本国内 | 最後に降りるメンバーへ支払う |
nearMe | 対象空港、対象ゴルフ場、東京都中央区・千代田区・港区・江東区 | オンライン決済 |
mobi | 北海道・東北・関東・東海・関西・中国・四国地方の一部エリア | クレジットカード・銀行振込・現金 |
notteco(のってこ)
「notteco(のってこ)」は長距離移動の相乗り相手をマッチングしてくれるライドシェアサービスです。
同乗者を募集しているドライバーがいれば、全国どこでも利用可能です。北海道や東京、東海といった地方ごとに分かれているため、その中から出発時間や目的地が近いドライバーを選んで利用します。
利用料金は距離やドライバーによっても変わりますが、比較的安価に利用可能です。ドライバーの評価や車内での禁止事項などもあらかじめ確認できるため、安心して利用できるでしょう。
出典:長距離ライドシェア(相乗り)|notteco(のってこ!)
参照:https://notteco.jp/info/legal
AINORY
「AINORY」はタクシー相乗りをマッチングしてくれるアプリです。ドライバーの自家用車に乗るのではなく、タクシーでの相乗りとなります。
AINORYのアプリは日本国内で利用可能で、1か月前から出発地や目的地を決めて募集可能です。チャットで相談しながら同乗者の人数を決めたり、経路や待ち合わせ場所を決めます。
実際にタクシーに相乗りした後は、最後に降りる相乗りメンバーに自分の負担額を支払って降ります。
出典:service|Geecoo, Inc.
参照:https://geecoo.co.jp/
nearMe
「nearMe(ニアミー)」は特定の空港やゴルフ場、特定エリア内での相乗りサービスを実施しています。空港までの相乗りは「NearMe Airport」、ゴルフ場の場合は「NearMe Golf」、対象エリア内での移動は「NearMe Town」というサービス名です。
空港やゴルフ場以外の相乗り対象になる地域は、東京都中央区、千代田区、港区、江東区に限られます。このエリア内であれば、通勤や通学、レジャーなどで相乗りすると、最大50%お得に利用可能です。
出典:ドア to 空港 スマートシャトル – あなたの旅を、AIがもっと賢く便利に。|NearMe Airport
参照:https://app.nearme.jp/airport-shuttle/
出典:ドア to ゴルフ場 スマートシャトル – 広い車内でゆったり移動、早朝対応可。|NearMe Golf
参照:https://app.nearme.jp/golf-shuttle/
出典:1人でタクシーに乗るより最大50%お得。通勤や日常使いに、シェアでお得にドアツードア|NearMe Town(ニアミータウン)
参照:https://app.nearme.jp/town-shuttle/
mobi
「mobi(モビ)」は定額で相乗りサービスを提供しているアプリです。mobiの対象エリア内であれば、定額で30日間乗り放題になります。ルートはAIが道路状況やリクエストによって決められ、専用アプリで呼べば迎えに来てくれます。
エリア内であれば、自分で乗車位置や降車位置を決めることができるため、利便性は高いでしょう。
出典:呼べば来る、エリア定額乗り放題サービス|mobi(モビ)
参照:https://travel.willer.co.jp/maas/mobi/
カーシェアとライドシェアの違いを理解して活用してみよう
カーシェアが事業者や個人の車を貸し出すサービスなのに対して、ライドシェアは車の所有者であるドライバーの車に同乗するサービスという違いがあります。
カーシェアとライドシェアはそれぞれがまったく違うサービスであることを頭に置いて、自分の希望に沿ったサービスを活用してみましょう。