トラックから白煙が出る4つの原因とは?見分け方や対処法を詳しく解説
- トラックドライバー
「トラックから白煙が出る原因って?」
「トラックから白煙が出た場合にはどんな対処を行えばいいの?」
「白煙にも正常な白煙と危険な白煙があるって本当?」
このように、トラックから白煙が出た場合にどのような対処を行えばよいのか知りたいという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、トラックから白煙が出る原因や白煙が出た場合の対処法などを紹介しています。この記事を読むことで、実際に白煙が出てしまった場合にどのような対処を行えばよいのか、理解を深められるでしょう。
また、危険な白煙の見分け方についても紹介するため、正常な白煙と不具合による白煙を見分けたい人も参考にできます。
トラックから白煙が出る原因や対処法について知りたい人は、この記事を参考にしてみてはいかがでしょうか。
白煙の出るトラックは取り締まりの対象となることもある
走行中のトラックから白煙が出ているのを見たことがある人も多いのではないでしょうか。日常的にも見られる光景ですが、白煙が出ているトラックを放置して良いというものではありません。
白煙が出ているトラックは後続車の視界をさえぎり、事故を誘発する可能性があるため、「整備不良車両の運転の禁止等」の道路交通法違反が適用される可能性があります。
出典:道路交通法 第十二節 整備不良車両の運転の禁止等 第六十二条|e-Gov 法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335AC0000000105
トラックから白煙が出る4つの原因
トラックから白煙が出ている場合、整備不良として道路交通法違反に問われる可能性があります。白煙を発生させている原因としては、エンジンの不具合が考えられます。
また、白煙が排出される原因として、大きく分けて4つの原因が考えられるでしょう。ここではトラックから白煙が出る原因を紹介していくため、参考にしてみてはいかがでしょうか。
1:オイル上がり
トラックから白煙が出る大きな原因として考えられるのが、オイル上がりです。オイル上がりとは、エンジンオイルを循環させるためのパーツが劣化し、燃焼室に混入してしまうことによって発生します。
エンジンオイルを交換していないなど、整備されていないトラックで発生する傾向があります。
2:オイル下り
オイル下りもオイル上がりと同様に、トラックから白煙が出る原因として考えられます。オイル下りとは、トラックのエンジン部分にあるバルブステムシールというパーツの劣化により、燃焼室にエンジンオイルが混入してしまう不具合です。
アイドリング中やゆっくり走行している際に白煙が発生した場合は、オイル下りの可能性を考えましょう。
3:インクジェクター(燃料供給装置)の不具合や汚れ
エンジンのインクジェクター(燃料供給装置)に不具合が発生している場合や汚れている場合にも、白煙が発生することがあります。たとえば、インクジェクターの不具合によって燃料噴霧のタイミングが遅れた場合、白煙が発生するケースがあるでしょう。
また、インクジェクターは長期間使用しているうちにだんだんと内部が汚れていくため、可動部の精度が下がり白煙が発生するということもあります。
4:水分の混入
燃料に水が混入することにより、白煙が発生する可能性もあります。たとえば燃料タンク内で結露した水やパーツに溜まった水が燃料に混入し、燃焼されることにより、白煙が発生します。
この場合の白煙は水蒸気であるため有害物質ではありません。そのため、白煙が出ても異臭などはしないでしょう。
白煙が出ないようにするためには、定期的な水抜きが必要になります。
危険な白煙の見分け方
ここまで紹介したとおり、トラックから白煙が出る原因にもさまざまなものがあります。前述のとおり、白煙が出ても水分が燃焼する際の水蒸気であるケースもあるため、白煙の中にも正常な白煙と不具合による白煙の2種類があると言えるでしょう。
ここでは危険な白煙の見分け方について解説していくため、参考にしてみてはいかがでしょうか。
問題ない白煙の見分け方
前述のとおり、エンジンに不具合がなくても水蒸気の白煙が発生するケースがあります。このような白煙の見分け方としては、「白煙がすぐに消える」「強い臭いがない」「エンジンが暖機されると白煙の排出が止まる」などが挙げられるでしょう。
このような特徴を持つ白煙の場合、水蒸気が白煙に見えていると考えられます。しかし燃料に混入した水分が燃焼することで白煙が発生している場合は、水抜きなどの対処を行う必要があります。
対処が必要な白煙の見分け方
エンジンの不具合などによって白煙が発生している場合、そのまま放置していると故障に繋がるリスクがあります。このような、故障の前兆となる対処が必要な白煙の見分け方としては、「焼ける臭いがするかどうか」です。
焼ける臭いがする白煙が出た場合、エンジンにオイルが侵入して有害物質を発生させていると考えられるため、早急に対処する必要があるでしょう。
トラックから白煙が出たときの対処法
水蒸気が白煙に見えている場合、水抜きを行うことで対処できます。しかしエンジンの不具合などが白煙の原因になっている場合、より本格的な対処を行わなければいけません。
ここではトラックから白煙が出たときの対処法について解説していくため、参考にしてみてください。
軽度の白煙は添加剤で対処できる
エンジンの不具合によって白煙が発生している場合でも、軽度の白煙であれば添加剤を使った応急処置で対処することが可能です。ただし、添加剤による対処はあくまでも応急処置です。
すぐに本格的な対処できない場合の処置として押さえておくとよいでしょう。また、添加剤を使っても白煙が止まらない場合は、後述する本格的な対処を行う必要があります。
オイル上がりの対処法
オイル上がりが原因で白煙が出ている場合は、小まめなオイル交換を行うことで白煙を止められる可能性があります。オイル交換サイクルを早め、最終的にはオーバーホールを行うことで、エンジンをリフレッシュさせましょう。
また、オイル上がりが原因の場合はシリンダーやピストンリング、ピストンなどのパーツが劣化していることが原因の可能性があるため、部品交換を行うことも検討しましょう。
オイル下りの対処法
オイル下りが原因で白煙が出ている場合は、エンジンのシリンダーヘッドを外し、バルブステムシールを交換することで対処できます。オイル下りはエンジン部分にあるバルブステムシールの劣化が原因であるため、交換することで改善されるでしょう。
インクジェクターが原因となった場合の対処法
前述のとおり、エンジンのインクジェクター(燃料供給装置)が白煙の原因となるケースもあります。インクジェクターは経年仕様によって劣化していくため、インクジェクターが原因である場合は汚れを除去することで対処できるでしょう。
ここでは、インクジェクターが原因となった場合の対処法について解説していきます。
インジェクターを洗浄する
インジェクターの外部汚れ、内部汚れを洗浄することで、白煙を解消できます。ただし、インジェクターの洗浄を行う場合は燃料に添加できない強い洗浄剤を使用する必要があるため、インジェクター専用の洗浄装置のある洗浄店に依頼する必要があります。
また、このような場合は対処に時間がかかるため、運送業で使っているトラックの整備には適していません。
クリーナーを使用する
専門の洗浄店にインジェクターの洗浄を依頼するには時間や手間がかかります。その点、インジェクタークリーナーであれば、燃料に添加するだけでインジェクターを内部から洗浄できます。
ただし、クリーナーでは付着した汚れの中でも表面部分の汚れしか落とせない点は押さえておきましょう。
リビルトインジェクターを使用する
リビルトインジェクターとは、洗浄済みのオーバーホール品のインジェクターです。必要な際に注文できる商品であるため、整備を行うタイミングで注文すれば、時間をかけずに対処できます。
トラックから白煙が出たら乗り換えた方がいい?
エンジンの不具合によって白煙が出ている場合、エンジンの寿命が近づいてきていると考えられます。しかし、エンジンの修理は経済的な負担が大きく、エンジンだけを修理したとしても、他にも不具合が出やすいです。
そのため、トラックの乗り換えが有効な対策だと言えるでしょう。乗り換えであれば、費用や時間などを考慮しても効果的だと言えます。
トラックから出る白煙について理解しておこう
トラックから白煙が出ている場合、道路交通法違反の取り締まりの対象となる可能性もあります。
この記事で紹介したトラックから白煙が出る原因やトラックから白煙が出たときの対処法などを参考に、効果的な対策を行えるようにしておきましょう。