トラックのアルミホイールの磨き方とは?用いる道具・コツについても紹介
- トラックドライバー
「トラックのアルミホイールの正しい磨き方を知りたい」
「ホイールを磨くときは、どのような道具を揃えればいいの?」
「自分で磨いても傷やムラが気になってしまうから、磨き方のコツを教えて」
このように、トラックのホイール汚れが気になる人は、さまざまな疑問を持っているのではないでしょうか。
この記事では、トラックのアルミホイールの手入れ方法を中心に解説しています。磨く際の5つの手順や必要な道具、仕上がりに差をつける7つのコツはぜひ参考にしてください。併せて、アルミとスチール製ホイールの違いについても知識として知っておきましょう。
この記事を読むことで、トラックのアルミホイールの正しい磨き方が把握できるため、キレイな状態を維持できるようになります。
ホイールの頑固な汚れを取り除いてピカピカにしたい人は、最後までチェックしてください。
トラックのホイールは主に2種類
ホイールは、タイヤの中央部にはめ込まれた金属製の部品です。トラックの能力を引き出すパーツとして、タイヤと同様に重要な役割を持っています。
トラックタイヤ用のホイールは、主にアルミとスチール素材の2種類です。他にもカーボンやチタン、マグネシウムなどがありますが、一般的にはアルミとスチールが多く販売されています。まずは、アルミとスチールのホイールについて知識を深めましょう。
アルミ
アルミ合金で作られたアルミホイールは、鉄に比べて軽いことやブレーキの効きの良さが特徴です。燃費がよく運転もしやすいため、トラックのホイールに極めて適した素材といえるでしょう。
また、柔らかく加工がしやすいことからホイールデザインの種類も多く、タイヤ周りの外装にこだわりを持つ人にもおすすめです。
アルミホイールは、ブレーキ作動のときに生じる熱を逃がしやすくなります。放熱効果が高くなれば、坂道などでブレーキが利かなくなるフェード現象を防ぐ効果に期待が持てるでしょう。
スチール
鉄でできたスチールホイールは、大量生産に向いており比較的安価で購入できます。アルミホイールと比べて強度や耐久性が高いため、メンテナンスをしっかりすれば長い期間使用できるでしょう。
一方で、加工が難しく、ホイールデザインの種類は多くありません。そのため、外装を整えるには、塗装やホイールキャップを使用して見た目を変える必要があるでしょう。また、アルミに比べて重さがあるため、その分車両に荷物を積み込める量が減ってしまいます。
トラックのアルミホイール磨きに用いる道具
アルミホイールの魅力の1つに、鏡面のようにキレイな光沢感があげられます。しかし、この光沢が使用することで失われていくため、光沢を維持するにはメンテナンスが必要です。
ここからは、トラックのアルミホイール磨きに必要な8つの道具を紹介します。
スポンジもしくはブラシ
ホイールの洗浄に利用します。アルミは柔らかく傷つきやすい性質を持っているため、ソフトな素材のスポンジを用意しましょう。
頑固な汚れには、ブラシがおすすめです。ただし、ホイールを傷つけないように、硬いブラシは避けて柔らかいナイロンブラシを使いましょう。
タオルもしくはウエス
洗ったホイールの水分を拭き取るときなどに利用します。タオルやウエスは汚れがなく、柔らかい木綿素材のものがおすすめです。
ウエスは工業機械などを手入れする布を指し、油汚れなどを落とすときに使います。雑巾のようにミシン縫いする必要はなく、家庭などで廃棄される布の切れ端をウエスにすればよいでしょう。
洗剤
トラックの足回りはブレーキダストや鉄粉が発生しやすく、その影響でホイールも汚れやすいと言えます。ブレーキダストとは、ブレーキをかけた際に発生するカス汚れのことで、一度こびりつくと落とすのは容易ではありません。
このようなブレーキダストや鉄粉の除去には、アルミホイール専用の洗剤を使いましょう。洗剤の種類には弱アルカリ性や酸性タイプなどがあり、トラックのホイールに使えるか事前にチェックしておくと安心です。
コンパウンド
コンパウンドとは液体やペースト状の磨き剤を指し、研磨粒子が配合されています。コンパウンドを使うことで表面をムラなく磨けるため、車のボディやホイールの傷がキレイになります。
浅い傷であれば、コンパウンドでほとんど目立たなくなるでしょう。水で濡らしたときに見えなくなるような傷は、消えやすい傷の目安になります。
耐水ペーパー
耐水ペーパーは防水性のあるサンドペーパーで、よりキレイな仕上がりを求めるときにおすすめのアイテムです。使う際は水と一緒に表面を研磨するため、摩擦熱を抑えやすくなります。工具店やホームセンターで購入できるでしょう。
耐水ペーパーには、「番手」と呼ばれる目の粗さを示す数字が表示されています。数字が小さいほど目が粗く、大きい数字ほど目が細かいことが特徴です。始めは目の粗いものから使用し、徐々に数字の大きいものを利用するとよいでしょう。
高圧洗浄機
高圧洗浄機は、アルミホイールについた泥汚れを水圧で簡単に洗い流すアイテムです。手作業の負担を軽くして、効率よくホイール洗浄ができます。また、こすり洗いによって生じる傷を防止できるでしょう。
ゴム手袋
ホイールの洗浄時には、水や洗剤が手につかないようにゴム手袋を使いましょう。アルミホイールの洗剤は洗浄力が高い反面、薬剤が手に付くと手荒れの原因になってしまいます。そのため、素手で洗うのは避けた方が無難です。
サンダー
サンダーは、ホイールの表面を磨くときに使う電動工具です。耐水ペーパーと同様に目の粗いものや細かい番目を、ホイールの状態に応じて使い分けることが可能です。サンダーを使うことで均一に磨きやすくなるため、より満足のいく仕上がりになるでしょう。
また、サンダーを使えば手作業で磨くよりも手が疲れません。作業時間の短縮にもつながるでしょう。ホイール磨きの労力や時間を軽減できるため、定期的にアルミホイールの手入れをする人にはおすすめのアイテムです。
トラックのアルミホイールを磨く手順
トラックのアルミホイールは、手入れを怠ってしまうと白色のポツポツした「白サビ」が現れます。白サビは放置すると全面に広がってしまうため、車の見た目に悪影響を与える厄介な現象です。
白サビを防ぐには、しっかりとメンテナンスすることが重要です。磨き方の手順を把握して、キレイなアルミホイールの維持に努めましょう。
1:泥や汚れ落とし・下洗いを行う
初めに、ホースから水を出してホイールの下洗いをしましょう。下洗いを雑にして汚れを残したままにしておくと、その後の磨き作業でホイールに傷がつく原因となります。
下洗いをしたら、スポンジに洗剤をつけて泥や汚れを落とします。スポンジで落とせない汚れは、柔らかい歯ブラシを使うと効果的です。洗剤のすすぎ残しがないように、最後は大量の水で洗い流しましょう。
高圧洗浄機を使うときは、ホイールに洗剤を付けた後に水圧で流します。ただし、高圧洗浄機だけでは、溝の中やボルト穴などの細かい部分の汚れを落としきれません。そのため、手洗いも一緒にすることが大切です。
2:ホイールの水分を拭き取る
下洗いをしたホイールは、タオルやウエスを使って水分をしっかりと拭き取ります。拭き上げるときは、目詰まりした汚れの有無や白カビの状態をチェックしておくとよいでしょう。
3:コンパウンドで丁寧に磨く
ホイールが乾いたら、コンパウンドで丁寧に磨きましょう。コンパウンドはタオルなどの布に取って使います。場合によってはスポンジやブラシを使っても構いません。
磨くときの力加減は、床をサッと拭くくらいの強さが目安です。ホイールに傷がつかないように優しく磨きましょう。コンパウンドを動かすように、少しずつ場所を変えながら磨き上げます。
サンダーなどの工具を利用するときは、バフを工具に取り付けて磨きます。バフかホイールにコンパウンドを適量出して、研磨しましょう。ただし、工具は細かい部分まで研磨できないため、あくまで手作業のサポートアイテムとして使うのがおすすめです。
傷が多いホイールの場合は、コンパウンドで磨く前に耐水ペーパーで研磨しておくと仕上がりに差が付きます。
4:コーティング剤をムラなく塗る
コンパウンドで磨いてホイールがピカピカになった後は、コーティング剤をムラなく塗りましょう。研磨剤であるコンパウンドは、ホイールの表面を保護する働きがありません。
コーティング剤で仕上げることで、新たな汚れや白カビからホイールを守れるでしょう。
コーティング剤の種類は多種多様です。そのため、コーティング剤を選ぶときは、使いやすさや自分のホイールに利用できるかを基準にするとよいでしょう。
5:拭き残しがないか確認する
最後に、きれいなタオルやウエスで光沢が出るまで拭き上げます。拭き上げの際は、コンパウンドやコーティング剤が残っていないか確認してください。コーティング剤などの拭き残しは雨水と混ざって水垢の原因になるため、雑にならないように注意しましょう。
トラックのアルミホイール磨きの7つのコツ
ワンランク上の光沢感を目指すなら、磨き方の7つのコツを押さえましょう。ポイントを意識することで、仕上がりが劇的に変わります。ホイール磨きのポイントは、以下のとおりです。
- 柔らかいスポンジやブラシを用いる
- 角の部分を必要以上に磨かない
- 洗剤をしっかり流す
- サンダーは面の部分を使用する
- コンパウンドで磨くひと手間を忘れない
- 効率的に磨きたい場合は電動工具を用いる
- 日常的に手入れする
1:柔らかいスポンジやブラシを用いる
泥などの汚れ落としをするときは、柔らかいスポンジやブラシを用いるようにしましょう。アルミホイールは、スチール製に比べて柔らかいことが特徴です。そのため、たわしやワイヤーブラシなどの硬い道具でこすると、ホイールがすぐに傷ついてしまいます。
洗い作業で取れなかった汚れは、研磨のときに落とせるため心配ありません。ホイールに傷をつけないように、焦らず作業することが大切です。
2:角の部分を必要以上に磨かない
ホイールの角は、平らな面に比べて削れやすい部分です。そのため、意識せず角の研磨を進めていくと、自分の想像以上に削り過ぎてしまう場合があります。
角の削り過ぎを防ぐには、なるべく角部分に当たらないようにすることが重要です。広い面を中心に研磨を進め、角の部分は必要以上に磨かないようにしましょう。
3:洗剤をしっかり流す
アルミホイールはデザイン性が高く、くぼみや飛び出たパーツが数多くあります。そのような部分は洗剤が入り込みやすく、軽く水をかけただけでは流せません。
洗剤を落としきれていないと、ホイールが腐食する原因になってしまいます。ホイールの腐食が進行すると塗装がボコボコと浮き上がり、デザイン面にも悪影響を与えてしまうため注意が必要です。
さらに、洗剤がブレーキディスクに残っていると、ブレーキが「キーキー」と音をたてるブレーキ鳴きを引き起こしてしまいます。そのため、アルミホイールを洗浄したときは、水でしっかり洗い流して洗剤を残さないようにしましょう。
4:サンダーは面の部分を使用する
サンダーを利用するときは、角を使うのではなく、面の部分を使用して研磨を進めましょう。サンダーの角を当てると、ホイールの表面が均一にならずデコボコになってしまいます。すると、光沢にムラが出たり、うねったような模様が出たりと仕上がりがキレイになりません。
また、角度の付け過ぎはサンダーの金属部分が当たりやすくなり、ホイールが傷ついてしまう場合があります。そのため、サンダーで研磨を進めるときは、サンダーの面部分をホイールの表面と平行にして利用しましょう。
5:コンパウンドで磨くひと手間を忘れない
耐水ペーパーで表面を研磨したら、最後に必ずコンパウンドを使って磨きましょう。耐水ペーパーは、アルミホイールを薄く削りながら汚れを落とす特性があります。そのため、耐水ペーパーだけで研磨を終了すると、ホイールに傷が残りくすんだ状態になってしまうのです。
一方、コンパウンドには細かい研磨粒子が配合されています。ホイールに光沢感を出すには、耐水ペーパーで荒れた表面をコンパウンドで平らにならすと効果的です。研磨は労力と根気がいる作業ですが、最終的にコンパウンドで磨くひと手間を忘れないようにしましょう。
6:効率的に磨きたい場合は電動工具を用いる
アルミホイールの手入れは、時間や労力、根気が必要な作業です。全て手作業でやり遂げようとすると、作業時間や体力に負担がかかり、仕上がりが雑になってしまう可能性があります。
定期的にアルミホイール磨きをする場合は、電動工具を用いると効率的です。例えばホイールの広い面はサンダーを使い、細かい部分は耐水ペーパーで磨けば、作業時間を大幅に短縮できるでしょう。
7:日常的に手入れする
アルミホイールの状態を良好に保つには、毎日の手入れが大切です。工事現場などの過酷な環境で働くトラックのホイールは、泥汚れなどがすぐに付着してしまいます。また、ブレーキディスクの削りカスや融雪剤が残っていると、サビの原因になるため注意が必要です。
一度ついた頑固な汚れは、落とすのが大変です。手入れを習慣化して、ホイール磨きの手間を軽減させましょう。
ただし、耐水ペーパーやコンパウンドで毎回研磨する必要はありません。仕事終わりにスポンジで軽く水洗いするだけでも、状態を維持しやすくなるでしょう。
さらに、日常的に手入れすることで、タイヤのパンクなどのトラックの異常にも気付きやすくなります。
トラックのアルミホイール磨きのコツを掴んでキレイを維持しましょう
トラックのアルミホイール磨きは、時間や労力が必要な作業です。しかし、電動工具の使用や磨き方のコツを押さえれば、比較的負担がかからずにできるでしょう。
周りの人とホイールの輝きに差をつけるなら、研磨作業をしっかりと行うことが大切です。耐水ペーパーとサンダーを使い分けて、効率的に研磨を進めましょう。
ひと手間をかけて磨けば、ホイールはピカピカの鏡面のような光沢感が出ます。日常的に手入れして、キレイな状態の維持に努めてください。