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トラックのクラッチ調整をしないと危険なの?長持ちさせる方法も紹介

  • トラックドライバー

「トラックのクラッチ滑りって何?」
「クラッチ調整をしないと危ない?」
「クラッチを長持ちさせる方法は?」
現在、自動車は「オートマチック車」が主流で「マニュアル車」を運転したことがない人も多いでしょう。

 

しかし、大型トラックなどはクラッチ操作が必要な「マニュアル車」がほとんどです。そして、その場合クラッチ調整をする必要があります。

 

この記事では、クラッチ調整をしなければいけない理由やクラッチ滑りの症状などを紹介します。また、トラックのクラッチ調整をする具体的な方法も解説しているため、この記事を参考にして自分自身で調整もできるでしょう。

 

安全にトラックを運転するために、そしてクラッチをなるべく長持ちさせるために、ぜひこの記事を読んでトラックの維持管理に努めてください。

トラックがクラッチ調整をしなければいけない理由

近年、オートマチックトランスミッション(AT)のトラックが増えている一方で、多くの大型トラックにはマニュアルトランスミッション(MT)が搭載され、クラッチ操作によるギアチェンジを要します。

 

クラッチの部品が磨耗してくると、クラッチの「遊び」がなくなり、徐々にクラッチが滑り始めます。このような「クラッチ滑り」の発生を防ぐために行うのが「クラッチ調整」です。

クラッチ滑りの症状

普段AT車に乗っている人は「クラッチ滑り」を経験したことがなく、その症状が分からない場合が多いでしょう。

 

クラッチ滑りとは、エンジンの動力がトランスミッションに伝わっていない状態です。この状態では、タイヤにもうまく力が伝わりません。

 

クラッチが滑っている可能性が高い症状としては、ギアが入りづらい、回転数を上げているのに速度が上がらない、クラッチを踏んでも切れが悪いなどが考えられます。

クラッチ滑りが起こる原因

クラッチが滑る原因のほとんどは、クラッチディスクの摩耗です。

 

フライホイールにクラッチディスクを押し付けて動力の伝達を行うため、クラッチディスクは摩耗します。消耗品であるクラッチディスクを交換しなければ、クラッチ滑りが発生する可能性が上がります。

 

なお、クラッチ滑りはクラッチを構成する別の部品の故障・破損でも起こる場合があるでしょう。

クラッチ調整を行わずに放置するとどうなる?

クラッチ調整は、クラッチディスクを長持ちさせるために必要です。クラッチ調整を行わずにトラックを走行し続けていると、クラッチの消耗が激しくなります。

 

クラッチディスクが磨耗したまま走り続けていると、やがてクラッチが切れず、シフトチェンジの際にエンストし、追突事故などのリスクも高まります。特に大型トラックは大事故につながる可能性が高いでしょう。

 

また、クラッチディスクが焼き付いた状態で走行し続けると、フライホイールやレリーズベアリングなどクラッチの部品や周辺装置が破損することもあり、修理費用が高額になる場合もあります。

クラッチの点検方法

クラッチ滑りによってトラックの走行不能や事故などを引き起こさないよう、クラッチが正常に作動するかを点検する必要があります。

 

クラッチの日常点検としては、まずアイドリング状態においてクラッチを踏み込み、稼働音や踏み込み具合を確認します。異音や不自然な振動がする、踏み込みにくいなどの異常を感じた場合は、注意が必要です。

 

次に、クラッチペダルを踏み込んだ際、クラッチがつながるまでの間隔が長い、ギアの入りが悪い状態であれば、クラッチディスクが磨耗している可能性が高いでしょう。

 

また、クラッチペダルを踏み切った状態でもっとも高いギアに入れたとき、すぐにエンストすれば正常です。なお、この点検の際は右足でいつでもブレーキを踏めるようにしておきましょう。

トラックのクラッチ調整をする方法

クラッチの点検をして異常を感じたら、できるだけ早くクラッチの調整や部品の交換などを行う必要があります。

 

ここからは、トラックのクラッチ調整を行う方法を詳しく見ていきましょう。

調整する頻度

クラッチを調整する頻度は、運転方法や走行経路、路面などの道路状況などによって異なってきます。

 

ドライバーが気づかないうちにクラッチの劣化は少しずつ進行するため、定期的な点検が必要です。道路運送車両第48条(定期点検整備)に基づき3ヶ月ごとに行うのはもちろんですが、走行距離の多いトラックの場合は点検スパンを早めて点検することをおすすめします。

 

ただし、クラッチペダルの遊びが少なくなった、ギアチェンジがぎこちないなどの変化を感じた場合は、すぐに点検をしましょう。

 

出典:道路運送車両法 | e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=326AC0000000185

クラッチの踏みしろの調整方法

トラックのクラッチの踏みしろは、レリーズシリンダーのプッシュロッドにあるロックナットで調整します。

 

調整後は、クラッチの踏みしろが適正になっているかの確認を忘れないようにしましょう。

クラッチを交換する目安

ドライバーの運転の仕方によっても異なりますが、クラッチを交換する目安はトラックの走行距離が10万km、またはクラッチの使用期間が6~7年前後が推奨されています。

 

当然、目安走行距離や使用期間以前であっても、クラッチの異常が発生した場合は交換が必要になってきます。異常の早期発見のためにも、定期的な点検は必要です。

クラッチの摩耗スピードが速くなるのは乗り方が原因

クラッチディスクの摩耗スピードが速い場合は、運転の仕方を見直してみましょう。ドライバーの意識を変えれば、クラッチディスクの寿命を延ばすこともできます。

 

クラッチディスクの磨耗スピードが速くなる運転方法には、どのようなものがあるかを解説していきます。

半クラッチで走行している

半クラッチの状態で走行することで、クラッチに大きな負担がかかりクラッチディスクは摩耗します。

 

クラッチのタイミングをつかむには、ある程度の経験が必要です。まずは、トラックの運転に慣れ、半クラッチの状態を意識した運転を心がけます。そして、スムーズに半クラッチを解除する感覚を体得して、クラッチディスクの異常摩耗を防ぎましょう。

左足が常にクラッチペダルの上にある

意識的にクラッチペダルを踏み込まなくても、足を乗せているだけで無意識に半クラッチの状態になっていることがあります。

 

前述したとおり、半クラッチの状態のまま走行すると、クラッチに大きな負担がかかり、それがクラッチディスクの異常磨耗につながります。

ギアチェンジの回数が多い

ギアチェンジの回数が多くなれば、必然的に半クラッチの状態も多くなります。

 

半クラッチの状態が多くなれば、当然クラッチディスクの摩耗が速くなってしまいます。ギアチェンジが必要なタイミングを見極めた運転を行いましょう。

クラッチを長持ちさせる方法

クラッチを長持ちさせ交換時期を延ばすには、丁寧に運転する、半クラッチを多用しないことが重要です。

 

また、クラッチの定期的な点検と適切な調整をすることで、安全に大型トラックを走行させられるだけでなく、クラッチの部品の劣化を最小限に留めることができるでしょう。

トラックのクラッチ調整をしないと危険であることを知っておこう

クラッチディスクは消耗部品であり、定期的な点検とクラッチ調整が必要です。クラッチが劣化・故障している状態で走行し続けると、突然走行不能になる可能性もあり、非常に危険です。

 

トラックを安全に走行させるために、ドライバーはMT車の知識としてクラッチ滑りやクラッチ調整についてしっかりと理解しておきましょう。