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【事業者・荷主】2024年問題の罰則は?法的根拠・懸念される課題と対策も解説

  • トラックドライバー

「2024年問題って何が起きるの?」
「2024年問題から始まったルールを守らなかった場合のペナルティって何?」
「2024年問題が起きたとき対策ってある?」
このように、2024年問題について不安や疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。

 

本記事では、2024年問題の概要から懸念点、2024年問題で起きる課題への改善策などを紹介します。

 

この記事を読むことで、2024年問題について把握できるため、2024年問題に対応できる可能性があります。また、物流・輸送業などが受ける影響についてもくわしく知れます。

 

ドライバーの方、物流関係の経営者、人事担当者の方など、2024年問題に興味がある方はぜひ、参考にしてください。

2024年問題とは?


2024年問題は、労働基準法の改正により、自動車運転業務の時間外労働が上限規制されることで発生する問題です。

 

2019年の働き方改革関連法では、時間外労働の上限規制が導入され、物流業界にも大きな影響を与えました。ドライバーも2024年から、この規制の適用を受けることになります。

 

出典:労働関係法令が改正されました|厚生労働省・国土交通省
参照:http://www.ata.or.jp/tekisei/roumukannkei.pdf

 

出典:労働基準法|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=73022000&dataType=0&pageNo=1

 

出典:「働き方改革関連法」の概要|厚生労働省
参照:https://jsite.mhlw.go.jp/aichi-roudoukyoku/jirei_toukei/koyou_kintou/hatarakikata/newpage_01128.html

2024年問題で懸念される課題

2024年問題で懸念される課題は、ドライバーの労働時間に規制がかかることで、物流や輸送量の減少やドライバーの収入が減ってしまう可能性があることが挙げられます。そのほかにもさまざまな問題が上がっています。

 

ここでは、これらの問題が起こる理由について解説していきます。2024年問題によって、引き起こされる問題を知り、どのようなリスクがもたらされるか把握しておきましょう。

物流・輸送量の減少

2024年問題の中で運転時間の規制がかかることによって、物流・輸送量が大きく減少することが予想されています。

 

具体的には、国土交通省の資料によると輸送能力が2024年度に約14%(4億トン相当)、2030年度には約34%(9億トン相当)足りなくなると言われています。

 

物流・輸送量が減少することで、部品や原材料も届かなくなり、モノが作れなくなる事態も発生してくるでしょう。

 

出典:物流の2024年問題について|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001620626.pdf

ドライバーの収入減少

働き方改革関連法により2024年4月以降、年間の時間外労働の上限は960時間以内となります。時間外労働を行っている人も多くいる中で、残業の上限が設定されたことによって、ドライバーの収入減少が予想されます。

 

収入が減少すれば、ドライバーを辞めてほかの業界、職種に転職する人も出てくる可能性があります。

 

出典:改善基準告示(令和6年4月1日適用) に関するQ&A|厚生労働省労働基準局監督課
参照:https://www.mhlw.go.jp/content/001082040.pdf

業者の利益や売上の減少

物流業界の収益性は、どれだけ物を運べるかというドライバーの運送量が関係しています。2024年問題によって、ドライバーの稼働時間は一定の制限が設けられるため、規制される前の運送量を確保できなくなるでしょう。

 

物流・輸送量が減少することから、企業として対応できる業務量も減り、物流業者の利益や売上が減少する恐れがあります。

2024年問題のルールを破った場合の罰則


2024年問題のルールを破った場合、社会的信用が落ちるような罰則が設けられています。この罰則は、労働基準法に従って課されます。

 

ドライバーとして正しく法律に乗っ取った働き方ができるように、設定されたルールは把握しておきましょう。

 

出典:改善基準告示(令和6年4月1日適用) に関するQ&A|厚生労働省労働基準局監督課
参照:https://www.mhlw.go.jp/content/001082040.pdf

 

出典:時間外労働の上限規制わかりやすい解説|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/content/000463185.pdf

6か月以下の懲役または30万円以下の罰金

以前は時間外労働の上限を超えても行政指導のみでしたが、2024年4月から法律が改正されたことで、罰則が発生します。

 

時間外労働時間の上限規制を守らなかった場合は、労働基準法によって6か月以下の懲役または30万円以下の罰則が発生します。

 

出典:労働基準法素朴な疑問Q&A|東京労働局
参照:https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/hatarakikata_qa_all_191108ok.pdf

 

参照:労働基準法|厚生労働省
出典:https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=73022000&dataType=0&pageNo=1

働き方改革関連法による法的根拠

働き方改革関連法は、日本の労働関係法の以下8つに改正が加えられた総称であり、新たな法律ではありません。

 

・労働施策総合推進法
・労働基準法
・労働安全衛生法
・じん肺法
・労働時間等設定改善法
・労働者派遣法
・パートタイム・有期雇用労働法
・労働契約法

 

これまで法律は時代とともに改正されてきましたが、今回の改正は速さや規模が異例であり、従来の仕事のやり方や労務管理を根本的に見直す必要があります。

 

国と事業主はこの改革に取り組む必要があり、それは日本が抱える危機的な背景によるものです。

 

出典:「働き方改革関連法」に関係する法律ごとの主な改正内容と施行日|厚生労働省
参照:https://jsite.mhlw.go.jp/nagasaki-roudoukyoku/content/contents/naiyou-19031901.pdf

2024年問題で荷主が注意するべき罰則

2024年問題の主な罰則の対象は、発送人である荷主ではなく事業者です。しかし、長時間労働に関与していたのが荷主の場合は、荷主も罰則の対象になる可能性があります。

 

ここでは、荷主の勧告の対象となる行為や罰則を紹介していきます。罰則になった場合荷主に影響してくることを含め、ご紹介します。

 

出典:荷主の皆様へ|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/common/001204970.pdf

荷主勧告制度

荷主が運送事業者に対して不適切な行動をとった場合、それを取り締まるための制度に「荷主勧告制度」というものがあります。

 

ドライバーの長時間労働を荷主側が強いるなど違法行為があった際、この制度に乗っ取って行政機関から荷主に警告が行われます。

 

出典:荷主の皆様へ|国土交通省
参照:https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/content/000275067.pdf

 

出典:貨物自動車運送事業法|e-gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=401AC0000000083

荷主勧告を受ける恐れのある行為

荷主が自分の優位な地位や取引関係の継続の有無を利用して、ドライバーに無理な仕事を押しつけるような行為は、荷主勧告を受ける恐れがあります。具体的には以下のような内容が該当するでしょう。

 

・荷待ち時間の恒常的な発生
・非合理な到着時刻の設定
・雪や事故が発生した際など、やむを得ない遅延に対するペナルティ
・重量違反等となるような依頼

 

荷主に違反行為の原因があると認められたときは、国土交通省から再発防止措置の警告が下り、事業者の名前などが公表されます。

 

出典:荷主の皆様へ|国土交通省
参照:https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/content/000275067.pdf

荷主特別対策チーム

荷主特別対策チームは、厚生労働省がドライバーの環境整備を整えていくために編成したものです。ドライバーの長時間労働を懸念して、荷主に長時間かつ恒常的な荷待ちをさせないよう要請することを目的としています。

 

出典:改善基準告示の改正に伴い「荷主特別対策チーム」を編成しました|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29877.html

2024年問題への対応策

2024年4月から、働き方改革関連法によりドライバーの稼働時間の制限がかかります。この影響により、運べる量も以前よりも減少し、会社の売上も下がってしまう可能性が高いでしょう。

 

2024年問題を乗り越えるためには、これまでの業務を見直し、業務の効率化を図る必要があるでしょう。具体的には以下のような方法があります。

 

出典:時間外労働の上限規制の適用猶予事業・業務|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/topics/01.html

働き方の多様化

物流業界における2024年問題への対応策として、働き方の多様化が重要です。

 

時短勤務や組織サーベイの導入など、労働環境改善を図ることで、長時間労働を減らし、従業員のニーズに合った働き方を実現できます。

 

組織サーベイは従業員の声を反映し、必要な改善点を把握し、効果的な施策を打つための有力なツールとなります。

労働状況の改善

2024年から適用される時間外労働の上限規制により、ドライバー1人当たりの労働時間が減ることが予想されています。以前より残業代が減り、給与が減少することが予想されるでしょう。

 

給料が下がれば離職するドライバーが出てくる可能性があり、これを防ぐためには、ボーナス制度の見直し、給与水準の引き上げなど労働状況の改善が重要です。

M&Aの活用

ドライバーの人手不足に悩む会社は、M&A(企業の合併・買収)の活用を検討してみましょう。大手企業の傘下に入るか、ほかの運送業者を買収するなどの方法があります。

 

ほかの企業と合併・買収という形で1つの企業になれば、ドライバーの数が一気に増えて人手不足の解消が見込めます。運送量も上がり、生産性アップも期待できるでしょう。

パレットを活用する

長時間労働の原因には、荷物の積み下ろしに時間がかかっていることもあります。この場合は、パレットの活用がおすすめです。パレットとは、荷物を載せるための荷役台です。

 

パレットを使うことでたくさんの荷物を移動することが容易になり、短時間で積み降ろしが完了します。労働時間の短縮に役立ち、荷物の積み下ろしを腕力に頼らずできるため、ドライバーの身体的な負担も軽減できます。

 

自社にパレットが有効か試したい場合は、まずはレンタルでの利用がおすすめです。自社のドライバーに使ってもらい、使用感を確認するとよいでしょう。

中継輸送を実施する

労働時間の短縮のために、中継輸送の実施をおすすめします。中継輸送とは、ドライバーが1人で往復して運行するのではなく、行きと帰りで違うドライバーが運行する方法です。

 

デメリットは、これまで1人のドライバーが行っていたことを2人で行うことになるため、人件費が増えます。そのため経営者は、運賃の値上げや車両を大型にして、1台で荷物を多く運ぶなど、人件費が上がったことへの対策も考える必要があるでしょう。

罰則に注意しながら2024年問題に対応しよう

2024年4月からは、ドライバーが時間外労働の上限を超えた場合は罰則が発生するため、経営者や人事担当者は働き方改革関連法をしっかり把握する必要があります。

 

2024年問題への対策として、罰則に注意しながらドライバーの働き方の多様化、労働状況の改善などを積極的に検討する必要があります。

 

業務の効率化を図ることでドライバーの負荷を低くし、長時間労働を防ぎましょう。

 

出典:時間外労働の上限規制の適用猶予事業・業務|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/topics/01.html