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2024年問題でドライバーの休息時間は変わるの?影響や対処しておくことを解説

  • トラックドライバー
  • 物流

「2024年問題では、ドライバーにどんな影響があるの?」
「2024年問題でドライバーの休息時間も変わるって本当?」
このように、2024年問題によってドライバーの働き方が変わることに関心がある方もいるのではないでしょうか。

 

この記事では、2024年問題が物流に与える影響やドライバーの休息時間が変わることを改正前後で比較しつつ紹介しています。記事を読むことで、2024年4月からのドライバーの働き方について変化を把握できます。

 

また、2024年問題の影響を受けないケースについても、各企業が取るべき対処方法が分かるでしょう。

 

2024年問題について詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事をチェックしてみてください。

2024年問題でドライバーの休息時間は変わるの?


2024年(令和6年)4月1日より、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)」が改正されます。

 

この改正は、働き方改革関連法を踏まえたもので、改正後の労働時間が適用されれば、主にドライバーの休息時間に影響が出るとされています。

 

はじめに、改善基準告示の改正により、ドライバーの1日の休息時間は「継続11時間を基本とした9時間の下限(長距離・泊付き運行の場合は例外を規定)」に変わるでしょう。

 

改正前は、1日継続8時間の休息となっていたため、休息時間が1時間増えることになります。

 

特に、トラックドライバーへの時間外労働に上限規制が設けられるため、物流に問題が生じる可能性があるでしょう。

 

出典:トラック運転者の改善基準告示|厚生労働省
参照:https://driver-roudou-jikan.mhlw.go.jp/truck/notice

 

出典:物流|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/seisakutokatsu_freight_mn1_000023.html

2024年改善基準告示の分割休息を改正前と比較

長距離ドライバーは、運転する中で分割休息を取る必要があります。

 

「分割休息」とは、ドライバーがまとめて長時間の休息を取るのが難しい場合に、分割して与えられる休息のことです。

 

この分割休息についても、「トラック運転者の改善基準告示(2024年4月1日施行)」によって改正されることが決まっています。

 

ここでは、改正前後で、それぞれの分割休息がどのように決められているかを紹介するため、ぜひ参考にしてください。

 

出典:トラック運転者の改善基準告示(2024年4月1日施行)|厚生労働省
参照:https://jsite.mhlw.go.jp/hokkaido-roudoukyoku/content/contents/001383159.pdf

改正前の分割休息

改善基準告示改正前の分割休息の考え方は、業務上の理由で、勤務終了後に8時間以上継続して休息を与えることが難しい場合に、一定期間の全勤務回数の2分の1までを上限として、分割した休息を与えるというものです。

 

そのため、改正前の分割休息は1日継続4時間以上、合計で10時間以上となっています。

 

一定期間については、原則として2週間から4週間で、やむを得ない場合でも最長2か月までです。また、改正前の休息の分割は、2分割だけでなく3分割も認められています。

 

出典:トラック運転者の改善基準告示(2024年4月1日施行)|厚生労働省
参照:https://jsite.mhlw.go.jp/hokkaido-roudoukyoku/content/contents/001383159.pdf

改正後の分割休息

改善基準告示改正後に変更された点は、業務終了後の継続休息時間と一定期間です。

 

勤務終了後、9時間以上の継続した休息を与えることが難しい場合に、一定期間内の全勤務回数の2分の1を上限として、分割した休息が与えられます。

 

継続休息時間が1時間増えたことで、一定期間についても、1回継続3時間以上、合計10時間以上で、1か月程度を限度にするよう変更されています。

 

3分割も認められていますが、その場合は1日の休息時間が12時間以上必要です。また、3分割の休息を連日して行わないよう、努力義務も求められています。

 

出典:トラック運転者の改善基準告示(2024年4月1日施行)|厚生労働省
参照:https://jsite.mhlw.go.jp/hokkaido-roudoukyoku/content/contents/001383159.pdf

2024年改善基準告示の2人乗務の場合の休息を改正前と比較


2人乗務とは、1台のトラックにドライバー1人ではなく、2人が乗務して交代して運転できるようにすることです。

 

ここでは、2024年の改善基準告示の改正による、2人乗務の場合の休息時間の変化について紹介しましょう。

 

改正前の2人乗務の場合の休息

改善基準告示の改正前の2人乗務の休息時間は、ドライバーの拘束時間を最大20時間まで延長でき、休息時間は4時間に短縮することが可能でした。

 

ただし、車両内で身体を伸ばして休息できるよう、設備が備えられていたケースに限られます。

 

出典:トラック運転者の改善基準告示(2024年4月1日施行)|厚生労働省
参照:https://jsite.mhlw.go.jp/hokkaido-roudoukyoku/content/contents/001383159.pdf

改正後の2人乗務の場合の休息

2人乗務の場合、改善基準告示の改正後も、特に休息時間等の変化はありません。

 

ただし、車両内ベッドやそれに類するものがある場合は、拘束時間を24時間まで延長できます。その上で、8時間以上の休息時間を与えた場合は、拘束時間を28時間まで延長することが可能です。

 

ただし、この場合は、運行終了後に継続11時間以上の休息を与える必要があります。

 

また、車両ベッドは長さ198cm以上×幅80cm以上で、連続して平面になっていることに加え、衝撃を吸収できるものという条件があることには注意が必要です。

 

出典:トラック運転者の改善基準告示(2024年4月1日施行)|厚生労働省
参照:https://jsite.mhlw.go.jp/hokkaido-roudoukyoku/content/contents/001383159.pdf

2024年改善基準告示で変更していない休息時間

2024年の改善基準告示の改正によって、ドライバーのすべての休息時間が変わる訳ではありません。

 

ここでは、改善基準告示の改正の影響を受けない休息時間には、どのようなものがあるのか紹介するため、参考にしてみてください。

 

出典:トラック運転者の改善基準告示(2024年4月1日施行)|厚生労働省
参照:https://jsite.mhlw.go.jp/hokkaido-roudoukyoku/content/contents/001383159.pdf

隔日勤務の場合

隔日勤務とは、毎日勤務するのではなく、1日勤務したら1日休みを挟む勤務形態のことです。例えば、1日目に21時間勤務した場合、翌日は休みになります。

 

隔日勤務のドライバーの場合、2024年の改善基準告示の改正による変更はありません。改正前のまま、拘束時間は21時間まで延長可能です。

 

事業場内に仮眠施設等が存在し、夜に4時間以上の休息を与えられる場合は、2週間の間で3回まで、2歴日の拘束時間を24時間に延長できます。

 

ただし、2週間以内の総拘束時間が126時間を超えてはならず、勤務終了後に20時間以上の継続した休息時間が必要です。

 

出典:トラック運転者の改善基準告示(2024年4月1日施行)|厚生労働省
参照:https://jsite.mhlw.go.jp/hokkaido-roudoukyoku/content/contents/001383159.pdf

フェリー乗船時の場合

ドライバーとして、トラックを運転してフェリーに乗船した場合に適用される特例には、改善基準告示の改正後も変更点はありません。

 

フェリーに乗船している時間は、原則、休息時間になります。この休息時間を、ドライバーに与えるべき休息時間から引くことも可能です。

 

ただし、この場合は、引かれた後の休息時間が、下船後の勤務時間の2分の1以上という条件があります。

 

さらに、フェリーの乗船時間が8時間以上であった場合は、下船時刻を次の勤務の開始時間として扱うことに注意しましょう。

 

出典:トラック運転者の改善基準告示(2024年4月1日施行)|厚生労働省
参照:https://jsite.mhlw.go.jp/hokkaido-roudoukyoku/content/contents/001383159.pdf

2024年改善基準告示改正後の休息時間の開始時期

トラック運転者の改善基準告示改正による休息時間は、2024年4月から適用されます。

 

この改正を受け、企業がドライバーに与える休息時間にも変更が生じるため、今のうちから4月に向けて備えておきましょう。

 

出典:トラック運転者の改善基準告示|厚生労働省
参照:https://driver-roudou-jikan.mhlw.go.jp/truck/notice

2024年問題によって起こる主な影響

2024年問題とは、トラックドライバーの時間外労働に対し、上限規制が適用されることで生じる問題の総称です。物流に携わる人や、物流自体に大きな影響があるでしょう。

 

ここからは、実際にどのような影響が出ると考えられているのか、個別に紹介します。

 

出典:持続可能な物流の実現に向けた検討会|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/seisakutokatsu_freight_mn1_000023.html

ドライバーが足りない

トラック等のドライバーは、現時点ですでに人材不足です。そこに、2024年問題による時間外労働時間の上限規制が適用されれば、さらに人材不足が加速するでしょう。

 

ドライバーの残業時間を制限することで稼働時間が減れば、必然的にドライバーの収入も減少します。

 

収入が減ることで生活が困難になり、ドライバーを辞める人が出れば、さらにドライバーの数が不足する可能性があるでしょう。

 

出典:「2024年問題」について|国土交通省
参照:https://wwwtb.mlit.go.jp/tohoku/at/docs/trans/truck2023_03/date4.pdf

輸送力が低下する

2024年問題の影響で、トラック等の輸送力は、現在よりも約35%低下する可能性があると言われています。

 

その大きな理由は、2024年問題に端を発する収入減で、ドライバーの担い手不足が予測されることと、ドライバーの拘束時間が減ることで長距離輸送が難しくなることでしょう。

 

1日の輸送力が低下すれば、その分運送会社の利益も減少します。それを価格に転嫁しようとすれば、顧客離れが起こるリスクがあるでしょう。

 

休息時間の改正で企業が対処しておくこと

ここからは、2024年問題がドライバーを取り巻く環境に与える影響と、その対処法について見て行きましょう。

 

主に、ドライバーの休息時間が変わることについて、企業はどのように対応すればよいか解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

消費者や荷主に理解してもらうように努力する

2024年問題の影響で、4月からの輸送力が減ることや、ドライバーの休息時間を確保する必要があることを、消費者や荷主に伝えて理解してもらいましょう。

 

荷主に対しては、2024年問題に対応するための、標準的な運賃を収受できるように努めてください。

 

消費者に対しては、再配達の手間を減らすための工夫や、まとめ買いを推奨して、頻繁な配送の必要がなくなるような対策をしておきましょう。

業務の効率化を進める

業務に必要なシステムを導入し、物流のDX化を進めましょう。

 

物流のDX化とは、自動運転やドローン物流の導入、自動配送ロボットや自動フォークリフトなどの活用です。特に自動運転が導入できれば、ドライバー不足の解消につながるでしょう。

 

その他に、求貨・求車システムにフラットフォームを設けて、荷主と配送トラックをリンクし、物流を効率化するといった取り組みもあります。

ドライバーが働きやすい環境にしておく

ドライバー不足を解消するために、2024年問題の背景や課題を理解して、ドライバーが働きやすい環境にしておきましょう。

 

これまでのトラックドライバーを取り巻く環境は、年間労働時間が全産業よりも約2割長いのに対して、年間所得額は約1割低いなど、労働環境がよいとは言えない状況でした。

 

2024年問題でドライバーの収入が減少すれば、人材不足がさらに深刻化する可能性があります。

 

ドライバーの待遇改善のため、荷待ち時間の解消や荷物のパレット化など、今のうちからできる対策を取っておきましょう。

 

出典:物流の2024年問題について|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001620626.pdf

2024年問題でドライバー休息時間がどのくらいになるか知っておこう


2024年4月の改善基準告示の改正により、トラックドライバーの働き方が変わります。

 

ドライバーの拘束時間や休息時間が大きく変わるため、物流に大きな影響があることを知っておきましょう。

 

本記事を参考に、1日の休息時間や分割休息、2人乗務の場合の休息などの変更点を把握し、予想される人手不足に対応するための準備を進めてください。

 

出典:トラック運転者の改善基準告示(2024年4月1日施行)|厚生労働省
参照:https://jsite.mhlw.go.jp/hokkaido-roudoukyoku/content/contents/001383159.pdf