宅配業の仕事内容・収入について解説!メリットやデメリット・向いている人とは?
- トラックドライバー
「宅配業ってどんなメリットがあるの?」
「宅配ドライバーってどんな人が向いている?」
今や私たちの生活に欠かせない存在の宅配業に対して、このような疑問を持ったことはありませんか?
過酷な重労働などのマイナスなイメージを持たれがちな宅配業には、どのような人が向いているのでしょうか。
この記事では宅配業の仕事内容や収入、メリットやデメリットを詳しく解説しています。
この記事を読むことで宅配ドライバーの1日の流れや、必要な資格、どのような人が向いているのかなどが分かります。自分には不向きだと思っていた人も、意外に向いている要素が見つかるでしょう。
向き不向きはありますが、宅配ドライバーは非常にやりがいを感じられる職業でもあります。宅配ドライバーに興味がある方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
宅配業はどんな仕事?
「宅配業」とは小口貨物のトラック輸送を指し、「宅配便」や「クーリエ便」とも呼ばれます。
「宅配」と「郵送」を混同することがありますが、「郵送」とは郵便局のみに使う言葉です。一方「宅配」は個別業者を指すため、取り扱っている会社は複数存在するという違いがあります。
主な仕事内容
「宅配業」を担う宅配ドライバーは、集荷や配達はもちろん、小さな荷物の受け取りや送料の徴収など様々な業務をこなします。決まったエリアを担当するため、エリア内の集荷や配達を行うのが一般的です。
配送だけでなく集荷先や配達先のお客様とやり取りするため、丁寧な接客対応も求められます。接客態度も配送スキルと同様に、重要な要素と言えるでしょう。
また、荷物を積み込む際には、配達時間に遅れが出ないよう効率の良いルートで取り出せるように考えて積み込まなければなりません。
宅配業の市場規模
近年「宅配業」は増加傾向にあります。令和3年度では宅配便の取り扱い個数が前年度と比べて2.4%増加となりました。
昨今のコロナ禍によるステイホームや在宅勤務の増加、ネット通販市場の拡大やフリマアプリなどを使った個人間の取引なども、取扱個数増加の原因と考えられます。そのため、宅配業の需要は非常に高いと言えるでしょう。
出典:令和3年度 宅配便取扱実績について|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha04_hh_000255.html
宅配業の収入
宅配業の収入は企業によって異なりますが、月収30~40万円程度、年収は380~400万円程度となります。
大型トラックのドライバーの年収と比べると少し低い給与水準となりますが、大手の宅配企業では年収400万円以上を見込めることもあります。
宅配ドライバーは繁忙期などの時期によって残業代や歩合給の収入があるため、月ごとの収入には変動があると言えるでしょう。
宅配業に必要な資格
言うまでもありませんが、普通自動車免許は必須です。一般的に使用するトラックは2トン以下となるため、大型免許は必要ない場合もあります。企業によって異なるため、就職や転職する際は確認すると良いでしょう。
基本的に宅配業ではトラックにお客様を乗せることはないため、二種免許ではなく一種免許が必要となります。
宅配ドライバーの仕事の流れ
宅配ドライバーの1日はアルコールチェックから始まります。チェックをクリアすると、その日のスケジュールや宅配ルートに合わせて荷物を詰め込みます。ここまでにかかる時間はだいたい1時間くらいです。
午前の配達を終えると一度営業所へ戻ってから昼食を取り、午後の配達へ向かいます。配達が全て完了すると営業所へ戻り、点呼を取って日報を提出し業務終了です。
宅配業のメリット
ネット通販の拡大などで宅配業の需要は増加傾向にありますが、物流業界は深刻な人手不足を抱えています。現役ドライバーには若い人材が少ないことからも、宅配ドライバーはあまり人気のある職業とは言えないでしょう。
しかし、宅配業にはメリットも存在します。宅配業にあまり興味がなかったとしても、これらのメリットを知ると自分も向いていると思えるかもしれません。
どんなメリットがあるのか、確認していきましょう。
- 拘束時間が短い
- 利用者とコミュニケーションをとれる
- 社員同士の繋がりがある
1:拘束時間が短い
宅配ドライバーは長時間拘束されません。日々配達内容は変わりますが、行く場所や時間帯は決まっているため長時間の残業も基本的にはありません。徹夜で走るといった激務もないため、体への負担も少ないでしょう。
また、会社の営業日が決まっている営業所の場合は、決められた日に休むことができます。そのため、自分の時間をきちんと取ることが可能です。
2:利用者とコミュニケーションをとれる
運送業によっては長距離のトラックドライバーのように、荷物の積み下ろし以外は基本的に人と関わることなく長時間1人で運転し続けますが、宅配ドライバーは1日に数十件のお客様と関わります。そのため、様々な人とのコミュニケーションを取らなければなりません。
常に人と関わりながら働けるため、接客スキルを磨けるでしょう。しかし、集配中は基本1人になるため、飲食業などのように接客し続けることはありません。長時間人と接することはないため、気が楽な部分もあります。
3:社員同士の繋がりがある
宅配業は社員同士協力して仕事行うこともあるため、ドライバー同士でコミュニケーションを取ることも多い傾向にあります。
配達中は基本的に1人で黙々と仕事をこなしますが、適度に社員同士との繋がりを持てることも宅配業のメリットと言えるでしょう。
宅配業のデメリット
メリットも存在する宅配業ですが、やはりデメリットが注目されてしまうため人手不足が深刻化していると言えます。企業にもよりますが、過酷な重労働もその一因でしょう。
ここからは宅配業のデメリットを紹介します。宅配業ならではのデメリットも存在しますが、中にはどの職業にも共通するデメリットもあります。それぞれ確認していきましょう。
- 体力を使う
- 事故のリスクがある
- 利用者からクレームが来ることもある
1:体力を使う
宅配ドライバーは、荷物の積み込みから配達まで一連の作業をこなさなければならないため、かなりの重労働となります。重量のある荷物も少なくありません。それらを抱えて玄関口まで運ぶため、かなりの体力を使います。
また、荷物によっては早朝や深夜の配達に偏ってしまった場合は、定時に終われず遅くまで残業になってしまいます。宅配業は人手不足が深刻になっていることからも、1日の荷物が多くなってしまうこともあるでしょう。
2:事故のリスクがある
宅配ドライバーは長時間運転し続けるため、交通事故に合う可能性が非常に高いと言えます。場合によっては台風や豪雨の悪天候でも関係なく配達しなければなりません。
万が一交通事故の加害者・被害者となってしまった場合は、そのトラウマから運転に対する恐怖心が生まれることもあります。運転できなくなったり、仕事を辞めざるを得ないことも十分考えられます。
3:利用者からクレームが来ることもある
どの職業でも当てはまりますが、丁寧な接客を心がけても中には横柄な利用者も存在します。無茶な再配達の要求や、配達の遅さなど様々なクレームを受けることもあるでしょう。
また、接客態度が悪かった、荷物を雑に扱われたなどのクレームが入る可能性もあります。最悪の場合は「あの人には配達してほしくない」などのクレームから、出禁になることも考えられます。
クレームが入らないよう忙しくても言葉遣いや荷物の受け渡しなどは丁寧に行うなど、接客には十分な注意が必要です。
宅配業が向いているのはどんな人?
宅配ドライバーに求められる人材はどのような人なのでしょうか。ここからは宅配業に向いている人を紹介します。
これらの条件を満たしている人は、宅配ドライバーという仕事にやりがいを見出せるでしょう。それぞれ確認していきましょう。
運転が好きな人
言うまでもありませんが、宅配ドライバーは運転ができなければ務まりません。ドライブが好きな人、運転が苦にならない人は宅配ドライバーに向いていると言えます。
効率の良いルートを選ぶ必要はありますが、バスやタクシーのようにお客様を乗せることはないため、目的地までのルートを自分で選べます。運転が好きな人には楽しんで働ける職業とも言えるでしょう。
コミュニケーションを取るのが好きな人
宅配ドライバーは基本的に1人で作業することが多いですが、目的地に着くとサインや料金の徴収など行わなければなりません。そのため、人と関わることが好きな人、接客業が好きな人には向いている職業と言えます。
コミュニケーションがうまくとれないと、「接客態度が悪かった」というクレームを受ける可能性があります。運転技術だけでなく、接客スキルも必須な職業と言えるでしょう。
体力に自信がある人
宅配ドライバーはかなりの重労働です。荷物の積み込みや、重たい荷物を玄関先まで運ぶ、時にはマンションやアパートを上り下りするなど、かなりの体力を必要とします。出勤してから常に体力を使うため、体力に自信がある人には向いている職業と言えます。
しかし、体力がない人も業務をこなし続けることで自然と筋力がつきます。もともと体力に自信がある人が望ましいですが、体力や筋力をつけたいという人も向いているでしょう。
責任を持って仕事に取り組める人
宅配ドライバーはお客様の大切な荷物を扱うため、責任をもって仕事に取り組める人材が求められます。荷物によっては時間指定されている場合もあるため、それらを時間通りに間違えることなく目的地へ届けなければなりません。
常に道路状況に気を配り、安全運転で配達しなければならないため、真面目で責任感のある人には向いている職業と言えます。
宅配業の仕事内容を理解しよう
宅配業者の方は、今や私たちの生活に必要不可欠な存在です。
交通事故のリスクや重労働などのデメリットから宅配業界の深刻な人手不足が問題となっていますが、デメリットだけでなくメリットも存在する職業であることが理解できたでしょう。
大変な仕事ではありますが、荷物を届けた際には「ありがとう」と笑顔で感謝されることもあるため、やりがいを感じられる職業と言えるでしょう。