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トレーラーのバック操作はなぜ難しい?上達するコツや注意点・練習ポイントも解説

  • トラックドライバー

「教習所でバック操作が上手くできずトレーラーの免許を取るのが難しい」
「免許は取れたがスムーズなバック操作が難しい」
こういった悩みを抱えているドライバーの方は少なくないのではないでしょうか。

 

トレーラーのバック操作はなぜ難しいのか知りたいという方もいるでしょう。この記事では、他の車と車両特性が大きく異なるトレーラーのバック操作を習得するための手順を紹介していきます。

 

この記事を読むことで、長らくバックだけは苦手意識を持っているというドライバーの方でも、トレーラーのバック操作が上達するコツやポイント、練習方法を知ることができるため、改善できることでしょう。

 

バック操作の難しさでトレーラーの操作を諦めていた方や悩んでいた方は、ぜひチェックしみてください。

トレーラーのバック操作に必要な3つの要素

トレーラーで上手くバックするのが難しい理由に、他の車と操作が異なる部分が多いことがあげられます。

 

一般車とは違う操作を求められるトレーラーで、バック操作をするときには3つの手順が大事です。それぞれの詳細について紹介していきます。

折れ

トラクターとトレーラーの連結部分が、バックをしている途中でくの字のようなかたちに曲がってしまう現象を、「折れる(または折れ)」と言います。

 

トラクターとトレーラーは別々の車両で分かれているため、慎重な操作を心がけなければ「折れ」が生じてしまいます。

 

ハンドルを動かしてしまうと、連結部分の状態が影響してトレーラーが大きく曲がってしまうのです。

 

軌道を修正するためにと操作の途中で慌てて反対方向にハンドルを切り進めると、修正前よりさらに曲がってしまうことになるため、最初から慎重な運転操作で挑むことが欠かせないのです。

 

また、トレーラーでバック操作をする際は、必ず左右に曲がってしまうという認識をしてから操作を進めていく必要があるでしょう。

伸び

「伸びる(または伸び)」とは、トラクターとトレーラーを真っ直ぐなかたちに戻す操作のことを指します。

 

バック操作を進める途中で発生した「折れ」を修正するためには、一度停まって車体を前進させて体勢を整える必要があるのです。

 

トレーラーを、バックで真っ直ぐなかたちに整えて駐車するためには、「折れ」と「伸び」を繰り返すことになるでしょう。

 

バックを短時間で完了させるために必要なことは、「折れ」と「伸び」の回数をどれだけ少なくできるかです。

切れ

トラクターのハンドル操作は、トレーラーを真っ直ぐバックさせるために重要で、「切れ」とは、ハンドルの「切れ」、ステアリングを「切る」ことです。トレーラーを牽引しているトラクターの操作をハンドルの「切れ」と言います。

 

トレーラーをバックさせるためには、トラクターのハンドルの「切れ」が大事ということでしょう。

トレーラーのバック操作が難しい要因

トレーラーのバック操作が難しい要因にはいくつかありますが、その中でも大きな要因について4点紹介していきます。

 

バック操作のミスを防ぐためにも、ぜひチェックしてみてください。

1:真っ直ぐバックできない

トレーラーは、一般車や大型トラックなどのように、スムーズに真っ直ぐバックさせることができません。操作中に少しでもハンドルを動かしてしまうと、大きく曲がってしまうでしょう。

 

その軌道を修正するために反対側にハンドルを切って操作を進めてしまうと、さらに曲がってしまうため、操作の途中から修正しようと思ってバックを始めるのではなく、操作し始めるときから慎重な操作を心がける必要があります。

2:一般車と運転操作が違う

トレーラーは、他の一般車とは運転操作が大きく異なります。

 

トレーラーでバック操作をすると、運転席と牽引しているトレーラーの間の部分が少しずつ折れて曲がってしまう、他の車両より車体が長いために死角が多く生まれやすいのに加えて、連結部分が折れ曲がってしまうことにより反対側がまったく見えないなどが起こります。

 

バック時のハンドル操作が一般車と逆となる点も特徴のひとつです。

 

トレーラーの運転に慣れるためには、一般車と異なる動きや操作をする点についてしっかりと理解しておく必要があるでしょう。

3:死角が多く安全確保が難しい

トレーラーは、連結している部分が曲がる動きをすることで死角が多く、安全確保が難しいのが特徴です。

 

バック操作をしようとすると死角が多く、バックミラーで確認しようとしても難しいでしょう。トレーラーでバックをしようとする際は、死角がたくさんある状況の中で対応しないといけないことがあるのです。

4:車両が長くコントロールが難しい

トレーラーは、連結することで車体が長くなります。車体が長いということそのものが、動きを制限してしまう大きな原因になるでしょう。

 

動きをコントロールできる部分が前輪にあるため、車両が長いことで車両後部の動き出しが必ず遅くなり、コントロールが難しくなるのです。

トレーラーをバックさせる手順

トレーラーのバック操作は他の一般車よりも難しいでしょうが、コツを押さえることで成功させることは可能です。

 

その中でも重要な5つの手順について紹介していきます。以下で詳しく説明していくため、参考にしてみてください。

1:余裕を持った位置で停止する

まずは車を停めたい位置を少し過ぎた場所、余裕を持った場所に停止してから安全確認をします。

 

トレーラーの運転を始めたばかりの方は、停めるスペースの入り口前で停めてしまう傾向にありますが、そこから始めるとトレーラーが反対方向に折れたときに余裕がなく、事故を起こしてしまうことがあるのです。

 

トラクター1台分ほどの間隔を目安として、余裕のあるスペースを作ってから停止するようにしましょう。

2:ハンドルを切る

次に、トレーラーを左向きにするためにトラクターのハンドルを右に切ります。

 

このとき、連結部が大きく折れてしまうと、道路をふさいで他の車の進行を妨げてしまうことがあるため、周囲を確認して状況を見てから操作を開始するようにしましょう。

3:トレーラーが折れたら微調整する

トレーラーがくの字になったら、ハンドルを真っ直ぐに戻していきます。折れの角度を微調整するためにゆっくりとバックしましょう。

 

トレーラーの後ろとトラクターの右前を特に確認し、注意しながら何かあればすぐに停止できる程度のゆっくりな速度でバックを進めましょう。

4:少しずつ伸ばす

折れる角度を一定に保ったまま、ゆっくりとバックを進め、車体を徐々に伸ばします。時々前進を挟み、伸びを調整して車体を真っ直ぐにしていきます。

 

一回でしっかり伸びが完了しなければ手間がかかりますが、一からやり直すようにしましょう。

5:微調整を繰り返しバック駐車する

バック操作と伸びを繰り返して、車体を真っ直ぐにできたら、ハンドルを微調整させて、駐車を完了させます。

 

トレーラーをバックさせる際は、一般車のように据え切りをすることが難しくトレーラーの「折れ」の調整に使うことができないため、念頭に置いておきましょう。

トレーラーのバック操作が上達するコツとは?

安全にトレーラーをバックさせるためには、怠ってはいけない大事なコツを押さえていくことが必要です。

 

トレーラーのバック操作を上達させるための手順はいくつかありますが、その中でも重要な4項目を紹介していきます。

アクセルをあまり使用しない

トレーラーのバックの際、アクセルは、一度前進する必要があるときのみ使用するようにしましょう。日ごろから、アクセルを多用せずにバック操作を行う練習をすることをおすすめします。

窓を開け視野を広くする

トレーラーのバックでは、目視確認がより一層重要であるため、できる限り視野を広げられるように窓を全開にしてから始めるようにしましょう。

 

窓を全開にしていても見えづらい箇所は多々あるでしょうが、どうしても見にくい箇所があるときは、トラクターから一度降りて、直接目視で安全確認するぐらいの用心深さが求められます。

角度をつけすぎない

バックの際に速度を変えてしまうと角度も大きく変わってしまい、思い通りにトレーラーをバックさせることができません。

 

トレーラーをバック操作する際は、角度をつけすぎないよう、速度を一定に保って進めていきましょう。

速度と角度を常に意識する

速度と角度を一定に保つことは安全な操作をするうえで重要なため、常に意識して、無意識にできるぐらいにしておく必要があります。

 

そうなるためには日常で練習をしっかりと積んでおく必要があるでしょう。

タイヤの跡を見て曲がる範囲を把握しておく

駐車したいスペースが狭すぎるなど制限がある場合は、直進のバックだけでは対応できないことがあります。

 

その際は、曲げながらバックをする必要があります。その操作は直進よりさらに難しそうに感じますが、直進バックをスムーズに行うことができれば、対応できるでしょう。

 

その方法を習得するために、軌跡図を作って自分で確認してみましょう。広い場所を用意して、トレーラーを操作してみてどのくらい曲がるのか確認してみるのです。

 

まずはじめに、タイヤの軌跡を見やすくするため、土の路面で行うか、土の路面がなければタイヤに水をかけます。

 

真っ直ぐの状態から、ハンドルを動く範囲ぎりぎりまで左にして、ゆっくりバックしていきます。トレーラーは右に曲がって、くの字になります。トラクターとトレーラーが接触しそうになったら一度停めて、前進して真っ直ぐに戻しましょう。

 

終わったら車から降り、トレーラーの後輪がどのような軌跡で曲がっているのかを実際に見て確認し、トレーラーはその軌跡以上急には曲がれないということを把握しましょう。

 

トレーラーを再び、くの字になるくらいの状態に戻したあと舵をいっぱいまで切ってバックを進め、真っ直ぐになってきたら、今度はトラクター側の軌跡を確認します。

 

その時大きく曲がっていることでしょう。くの字寸前になっているトレーラーを真っ直ぐにしていくためには、思っていたよりも急ハンドルを切る必要があることや、バックを進める際は後方だけではなく、前方にもしっかりと注意を向けて操作しなければいけないことが確認できます。

トレーラーのバック操作をするときに意識しておくこと

トレーラーのバック操作を進めていくうえで、意識しておくことがいくつかあります。これらを認識しておくことが、気持ちにゆとりを持たせて、実際の運転をスムーズに進めていくことに繋がっていくでしょう。

 

その中でも重要な下記5点について、詳しく紹介していきます。

1回でバックさせようと考えない

トレーラーは連結部分があり、思い通りに動かすことができません。そのため、慎重にバック操作を進めていたのにもかかわらず、左右の折れが発生してしまうことがあるでしょう。これは誰にでも起こる現象と認識しておき、焦ってしまわないように心がけておきましょう。

 

思い描いている動きと違う動きが見られたときは、バックを続けて無理に調整しようとせずに、バックを一旦やめて前進させてから、再度バックの動きを進めるようにしてみましょう。

 

周囲に障害となるものがあることで、危険な状況になることがあります。無理にバックを進めて衝突させるようなことがないよう、困ったら焦らずに一旦ストップするようにしましょう。

バックするルートをイメージする

バックするルートをイメージするためにはまず、曲がるために必要なスペースがちゃんとあるのか、どのくらいの余裕があるのか、頭の中でシミュレーションをしてみるといいでしょう。

 

実際のバックのルートと頭の中のシミュレーションを照らし合わせることで、大体のイメージをすることができます。限られたスペースしかなくても、判断する基準は同じです。

 

シミュレーションをしてみて必要な幅より狭いと感じた場合は、違うルートを想定してみましょう。また、シミュレーションしてみた結果スペースが足りず不可能だと感じた場合は、トレーラーではバックできない場所と判断することができます。

 

また、アプリやゲームで運転の練習をすることもできます。再現度も高く、シミュレーションの感覚をつかみやすくなる練習方法です。

トラクターは前輪の役割を果たすことを知っておく

トレーラーには一般車のようなハンドルがありません。

 

トレーラーを真っ直ぐバックさせるためには、まずハンドルが付いているトラクターの車体全体が前輪だと思って操作をする必要があります。

 

トラクターでハンドル操作をしても、トレーラーはトラクターに直接固定されているわけではないため、思い通りに動かすことができずにトラクターとは違う動きをしてしまいます。

 

これが左右に折れるということであるため、バックする際はトレーラーの「折れ」に注意する必要があるでしょう。

 

折れに気が付いたら修正を行い、調整しながら操作できるかという部分をいかに早く行えるかが、バックをスムーズに完成させるためのポイントであるということが言えるでしょう。

右バックで停める

トレーラーを安全に駐車するためには、右バックで停める必要があることに注意して操作してみてください。

 

トレーラーは左右どちらからでもバックすることができますが、運転席の窓を全開にすることで視野を広くできるため、右バックで操作したほうがより安全にバックさせることができます。

 

また、右バックのほうが周囲の音も聞き取りやすいです。左右どちらでも選べるような状況であれば、右バックを選択して停めるようにしましょう。

誘導依頼やバックモニターも検討する

運転経験が長いからといって、周囲の安全をすべて把握することは難しいでしょう。そのため、できる限り周囲にいる方に誘導を依頼するほうが、ひとりで判断してしまうよりも安全です。

 

バック時は運転席から後ろが見えにくいため、無線などで第三者に誘導の合図を送ってもらったり、バックモニターを取り付けたりしましょう。

 

面倒かもしれませんが、運転に慣れるまでは誰かに誘導してもらうことをおすすめします。自らの目視だけに頼ってやってみるよりも、事故をできる限り防ぐ手段を選ぶことが重要です。

 

また、バックモニターを取り付けしたとしても、機械に頼りすぎてしまうのはやめましょう。一般車のようにすぐに車体の後ろを確認できるわけではないため、絶対安心ではないということを念頭に置いておきましょう。

トレーラーでバック操作するときに気を付けておくこと

トレーラーのバック操作を行うときに、常に頭に置いて気を付けておくべきことがあります。

 

気を付けておくべきポイントはたくさんありますが、その中でも特に重要な2点について紹介していきます。

死角に気を付ける

トレーラーは、連結している部分が曲がるため、死角が多く状況がわかりづらいでしょう。特に、バック操作の際は死角となる部分が多くなります。

 

サイドミラーやバックミラーでもすべてを把握することはできません。つまり、トレーラーでバックする際は、死角だらけの状況の中で進めていかなければいけないことがあるのです。

 

バックする際は、運転席の窓をすべて開けておいて直接目視で確認したり、第三者に誘導をお願いしたり、バックカメラを取り付けたりして、死角をなるべく減らすための工夫をしましょう。

 

さまざまなやり方でできる限り安全を確保する必要があります。

内輪差に気を付ける

右左折時の後輪は、必ず前輪よりも内側にずれて動くという特徴があります。これを内輪差と言います。前輪と後輪の距離が長いほどに内輪差は大きくなり、つまり車体が長いほどに内輪差は大きくなるのです。

 

内輪差が大きい車両は、交差点で後方がなかなか通行できなかったり、狭い場所で後輪がぶつかったり、路肩に乗り上げたりしてしまうということが起きてしまいます。

 

こういったトラブルを防ぐために、最初から内輪差を想定した運転をする必要があります。そうしておかないと、後輪が人やバイクなどを巻き込んでしまう事故も起こりかねません。

 

このような事態を防ぐためには、まず向かう方向の反対側にハンドルを切り、逆ハンドルの状態にしてから進む方法が推奨されています。

 

このとき、反対側にステアリングを切るため、本当に進む方向と反対側にウインカーが出てしまうことに気を付けなければなりません。

 

ウインカーを見た後続の車は進む方向を勘違いしてしまい事故に繋がる場合があります。それを防ぐため、音声アナウンスを導入するなど、システムを備えることを怠らないようにしましょう。

トレーラーのバック操作のコツを把握しておこう

トレーラーのバック操作は、すぐに習得することは難しいため、「なかなか上手くバックができない」「死角が多くて運転が難しい」と、トレーラーの運転自体に消極的になってしまう方も少なくないでしょう。

 

しかし、バックを成功させるためのコツをひとつずつ押さえて、落ち着いて取り組むことで、必要以上に悩まずともバック操作を習得していくことができるのです。

 

そのためには、なによりも「バック操作に慣れること」が重要です。運転する回数や練習時間を増やしていくことで、確実に上達していくでしょう。

 

「上手くいくためのコツ」「上手くいかない原因」をしっかりと習得して身に付け、落ち着いて操作することができれば、トレーラーの運転は決して難しいことではありません。

 

ぜひこの記事を参考に、トレーラーのバック操作のコツを把握し、今後の練習に活かしてみてください。