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牽引車両のバック運転にコツはある?基本・練習方法・注意点についても解説

  • トラックドライバー

「牽引車両のバックは普通のバッグとどう違うの?」
「バックする際のコツはあるのかな」
「ジムニーなどで牽引バックする時のポイントは?」
牽引車両とは、車で別の荷台を引いて運転をする車両のことです。トラック以外にも、トラクターなどの農耕車やジムニーなどの一般車両も牽引ができます。

 

牽引車両と聞くと気がかりなのが、車両の大きさです、さらに車両が長いとより不安に感じてしまう方もいるのではないでしょうか。

 

この記事では、牽引車両でバック運転する際の、車両の動き方や荷台の動かし方の基本的な動作や、実践的な動きの練習方法を紹介します。

 

また、注意点も解説しますので、ドライバーとして働く方やこれから牽引車両を運転する予定のある方、物流関係の仕事をしている方は参考にしてみてください。

牽引車両のバック運転はなぜ難しい?

貨物用の荷台をつけている牽引車両は、大きく長くなります。また、牽引車両は長さや大きさだけではなく、重さも運転に関係してきます。

 

ここでは、なぜ運転が難しいと感じてしまうのか原因を解説します。しっかりとした理由がわかれば、なぜできないかどこが難しく感じるかがわかり、理解することで運転のイメージが湧くでしょう。

大きい

牽引車両は貨物用荷台を引き、重量物を運ぶことから、車体自体が大きくなります。そのため、視界が悪が悪くなります。

 

大きい車両を運転する場合は、障害物が何もない大きな駐車場などで運転をするのであれば、運転自体は簡単にできます。また牽引車両のバック運転も牽引のコツさえ掴めば簡単にできるでしょう。

 

しかし、一般的な道路を走行する場合は人や壁、他の車両や建築物などと様々な障害があり、車両を動かせる幅や大きさにも制限があるため、苦労するでしょう。

長い

車両が長いことも運転を難しくする原因です。トレーラーなどの牽引車両に限らず、大型の車両は前輪部が舵になっており、後輪部が引っ張られているだけの状態が一般的です。そのため、前部に比べて後輪部の動きが必ず遅れます。

 

車両が長い場合、前輪と後輪の長さが長くなります。前輪と後輪の間隔を、ホイールベースといいます。

 

トレーラーのようなホイールベースが長い車両は、カーブする時に後輪にずれが生じ、前輪よりも後輪の方が内側に入ります、これを内輪差と呼びます。

 

これらが起こることを想定したバック運転をしなければならないため、車両が長いこともバック運転が難しいといわれる理由です。

折れ曲がる

運転する車両と牽引している車両の接続部が折れ曲がることも、運転を難しくさせる原因です。一般的な車両は、4つの車輪がついた箱を動かす感覚で運転しますが、トレーラーなどの牽引車両は動きが全く異なります。

 

バック運転する際は、バックしながらどちらに曲げれば駐車できるかなどを考えながらする必要があるため、一般的な車両と比べて難しく感じてしまうでしょう。

牽引車両のバック運転の基礎情報

では、ここからは牽引車両をバック運転する時の基礎的な情報を紹介します。

 

普段運転する時に使われている言葉や、牽引車両の動きの基礎的なポイントを知ることで、運転している車両がどのような動きをしているか、理解できるようになるでしょう。

車両業界用語

牽引車両でバックする時に使われる用語は、教習所などで教わる際にも使われるので知っておくと便利です。

 

この章では、主に3つの用語を解説します。これらの用語を参考に頭の中で流れを考えて、上手くバック運転できるようにしましょう。

ハンドルを切る

牽引車両の「ハンドルを切る」というのは、車両をハンドル操作することです。ステアリングを切るともいい、牽引車両を操作するために必要な動きです。トレーラー部にはハンドルがついていないため、車両を動かすことで牽引車両全体を操作することになります。

 

バックする際は、このハンドルの切り方に注意しましょう。車両の大きさや種類によってハンドルの切り方は異なります。また、トレーラーの長さによっても動きが異なるため、感覚的に動きに慣れる必要があるでしょう。

折れる(折れ角)

トレーラーはそもそも別の車両です。接続部があり、そこがバックの状態でくの字に折れ曲がることを「折れる」といいます。牽引車両のバックでは車両を折る角度が大切で、この角度のことは「折れ角」といいます。

 

折れ角が足りなくても折れすぎていても、上手にバックはできません。牽引車両は真っ直ぐ下がっているつもりでも、少しのハンドル操作で左右どちらかに折れて行きます。

 

バック中に折れ始めた場合、そのまま下がるとどんどん折れていってしまうため、折れ角に注意しながら車両を操作する必要があります。

伸ばす(伸びる)

車両とトレーラーを真っ直ぐの状態にすることを「伸ばす」といいます。牽引車両をバック操作する時、折れを修正するために一度前進して車両の接続部を真っ直ぐにする必要があります。

 

ハンドルで切り角を調整し、伸ばして修正することがバック運転する時のコツです。小型のトレーラーであれば、ベテランドライバーは一度で車庫入れなどもできます。

 

ただし、通常は折れと伸びを繰り返してバック運転します。狭い場所へのバック運転を求められる際は、この基本ポイントを押さえた上で正確に運転することが重要です。

牽引車両のバック運転の基礎ポイント

続いては、牽引車両のバック運転の基礎的なポイントを2つ紹介します。牽引車両を操作する上で、どのような動きをするか知ることは大切です。操作している車両と、引っ張っているトレーラーの動きの関係性をよく理解し、操作しましょう。

牽引車両がバックをすると必ず左右どちらかに折れる

牽引車両には接続部があるため、バックする時は必ず左右どちらかにトレーラーは折れます。

 

ここで上手く運転するポイントは、運転車両と牽引車両の折れ具合や場所の関係を、頭に入れながら操作することです。わずかな折れでも少しずつ修正しながら操作することで、真っ直ぐにできるでしょう。

トラクターが前輪の役割を担っていると意識する

操作している車両が車両全体の前輪と意識し、操作することもポイントです。

 

バック運転している時は、トレーラーの動きが気になり、操作している車両がどのように動いているか注意散漫になりがちです。バックしている時は、操作しているトラクター部分が前輪となって押し進めるイメージを持つのが、コツです。

バック運転する時の流れ

ここからは、バック運転する時の流れを紹介していきます。前項で説明したポイントや、以下で紹介する流れとコツがわかれば、より短時間でバック運転できるようになるでしょう。ぜひ参考にしてください。

車庫入れの場合

車庫入れの場合は、不安であればトレーラーが駐車できるスペースがあるか、きちんと確認してから車両を動かすようにしましょう。

 

トラクターの動かし方については以下で解説しますので、一連の流れとして覚えておいてください。

車庫全体の状況確認

まずは車庫全体の確認をしましょう。前述したとおりスペースの確認も重要ですが、高さの確認も必要です。車両が大型になれば、自ずと高さも高くなります。バック運転している時は高さに気づきにくいため、事前に確認しましょう。

 

また、集中していると気がつきにくい障害物も車庫には多くあるでしょう。気になるものは移動させるなどして、事前に事故防止に努めることも大切です。

 

人がいる場合には一声かけ、可能であれば誘導してもらうことで事故防止につながるでしょう。

車庫スペースの入り口を過ぎたあたりで一時停止

車庫スペースに入る前に、周囲の確認をしましょう。

 

バック駐車を始めてしまうと周囲が見えなくなるため、しっかりと周囲の状況を確認し、障害がないかチェックしましょう。この確認を怠ると、思いもよらぬところから人や物、他の車両が近づいていることに気づけず、大きな事故につながってしまう恐れがあります。

 

入り口を少し過ぎたところで停止し、周囲を確認する習慣をつけておくことが大切です。

ハンドルを切りバックする

車庫の確認と周囲の確認ができたら、トレーラーを駐車スペースに入れるためにハンドルを切ります。トレーラーを折る必要があるため、入れたい向きと逆方向にハンドルを切りましょう。

 

トレーラーを右向きにするためには、トラクターのハンドルを左に切ることでトレーラーとトラクターの接続部を折ることができます。そのままハンドルを切り続けると、折れすぎてしまって走行不可能になるため、注意が必要です。

 

この折る動作で、トレーラーの入庫角度を決めます。駐車スペースと車両の位置関係で折る角度も変わるため、慎重にバックしましょう。

トレーラーが「くの字」に折れたらハンドルを真っ直ぐに戻す

トレーラーが「くの字」に折れたら、折れ角を調整するためハンドルを真っ直ぐに戻しましょう。一度に戻すのではなく、徐々に戻す必要があるため、速度は低速で進むようにします。

 

速度が速いと急激に角度が変わり、思いもよらぬ方向に動いてしまうことがあります。十分に注意し、いつでも止まれるようなスピードでハンドルを操作するのがコツです。

トレーラーの折れ角を一定に保ちゆっくりバックする

そして、トレーナーの折れ角を一定に保ちながらゆっくりバックしていきます。折れ角が極端に鋭角だと修正不可能となり、車両とトレーラーがぶつかってしまって進めなくなります。

 

折れ角に注意しながら、ゆっくりバックしましょう。

トレーラーが伸びない場合は一旦前進して切り返す

バック運転の最後は、トレーラーと牽引車両が直線関係になったまま駐車することです。角度の修正は、前進することでトレーラーと牽引車両が直線関係に戻ります。

 

しかし、角度がつきすぎてしまうと、修正する時に前進する距離が伸びてしまい、修正もより難しくなります。不安になった時は一度落ち着いて、早めに修正するのがコツです。

トレーラーが平行になるようバックしながらトラクターも伸びるように駐車

最終的な駐車は、トレーラーとトラクターが平行になることが理想の形です。トレーラーが車庫に真っ直ぐ入っていれば、前進と真っ直ぐにバックすることを繰り返すことで平行に駐車できます。

 

トラクターの車体とトレーラーを直線関係にし、真っ直ぐ押す動作をしましょう。

左バックも右バックも技術的な操作方法に変わりはない

一般的に、トレーラーの左バックの方が右バックに比べて難易度が高いと言われますが、操作方法に変わりはありません。

 

トレーラーを右方向に進めたい時はトラクターのハンドルを左に切り、トレーラーを左方向に進めたい時はトラクターのハンドルを右に切ることで、接続部の折れ角を調整できます。

困った時は前進して仕切り直す

バック時に困った場合は、前進して接続部の折れ角を元に戻すことが大切です。修正不可能になる前に、無理をせず早めに仕切り直すことが成功のカギになるため、早めに対応するようにしましょう。

 

切り返すことは恥ずかしいことではありません、事故を起こさぬよう安全運転を心がけてください。

バックカメラとモニターを設置すれば後方の確認が楽になる

トレーラーにバックカメラやモニターを設置することで、後方確認が楽になります。

 

しかし、カメラに頼りがちな運転は禁物です。本来死角を補う目的で設置されたカメラであるため、見えないところが多いのはあまり変わりません。自信がなければ、車から降りて目視で確認するようにしましょう。

バック運転する時に知っておくと良いこと

ここまで、バック運転する際のコツや基礎的な部分を紹介してきましたが、理解できたでしょうか。ここからは、実際にバック運転する際に知っておくと良いことを紹介していきます。この機会に、以下の内容も頭に入れておきましょう。

直進バックがすべての基本

牽引車両をバックする時に一番重要なことは、直進バックすることです。牽引車両とトレーラーが直線関係にある状態で、曲がることなく真っ直ぐに下がることが直進バッグです。この動作ができないと、すべての動作が困難になります。

 

トレーラーの場合、牽引車両との間に接続部があるため、必ず左右どちらかに折れていきます。これをわずかな角度でも修正し続けることで、直進バックできるでしょう。

トレーラーがどれほど曲がるのかタイヤの軌跡で確認する

バックする時にトレーラーがどのくらい曲がるか、タイヤの軌道を知る練習をすることも、スムーズにバック運転するためには大切です。

 

前述した直進バックでは対応しきれない狭い路地もたくさんあります。そういった場合は、一度進行方向とは逆にハンドルを切り、トレーラーに角度をつけて曲がる必要があります。

 

この角度がわからないと、どのようにトレーラーが進むかのイメージが湧かず、何度も切り替えてしまうことになるため、覚えておくと良いでしょう。

バックで通るルートを頭の中でイメージする

上記2つの技術が身についたら、バックで通るルートを頭の中でイメージします。

 

イメージできるようになれば、狭い場所でもバック運転できるようになるでしょう。しかし、方向によっては難しい場面もあるため、無理はしないようにしましょう。

具体的な練習法

バック運転する時の基本的な動きや注意点などは、理解できたでしょうか。続いては、実際に練習する場合の練習法を紹介します。自分でもできそうな練習法を、ぜひ取り入れてみてください。

自動車練習場や物流施設で練習する

練習する時は、広いスペースで練習することが大切です。最初から狭いスペースで牽引バックをしても、どのように牽引車両やトレーラーが動いているか把握できないため、何をしているかわからなくなりやすいでしょう。

 

自動車練習場や物流施設で練習ができると、障害物が少なく広いスペースで練習ができるため、車両やトレーラーの動きを把握しやすいでしょう。まずは、実際に動かしてみることが大切です。ぜひやってみてください。

先輩ドライバーの運転を助手席から観察する

全くわからない時は、先輩ドライバーの運転を助手席から観察するのが良いでしょう。日頃から、牽引車両でバッグ運転しているベテランドライバーの車両に同乗させてもらうことで、どのタイミングで操作するかがわかりやすいです。

 

1人で悩んでしまった場合は、経験者に教えてもらうことが上達の近道です。また、自分で運転している時にベテランドライバーに同乗してもらい、指導してもらうこともより有効な練習法になります。

ゲームやアプリでイメージトレーニング

練習時間が取れない人は、アプリやゲームで練習することもできます。最近のアプリは再現性が高く、動きも忠実なものが多いため参考になるでしょう。

 

しかし、あくまで疑似体験であってベストな練習法でないため、時間がある時に実車両で練習するようにしましょう。

牽引車両のバック運転の注意点

実際のバック運転の注意点は、どのようなものがあるでしょうか。大型の牽引車両ならではの注意点の解説と、対処法を紹介します。

 

大きな事故になる前に、対処できることはたくさんあります。気づかなかったでは済まされません。注意点を理解し、安全運転を心がけましょう。

後方の死角に要注意

牽引バックの時の死角は、トレーラー後方と牽引車両の前方です。

 

特に注意が必要なのは、トレーラーの後方になります。車体が大きいため、ミラーだけでは正確な距離感を掴みづらく、見えないところも多いです。心配な時は必ず車両から降りて、目で見て確認しましょう。

運転席の窓は全開にする

バック運転する時は、運転席から顔を出して確認ができるように、窓は全開にしておくことがおすすめです。また、不安な時は車両から降りて、目視で確認するように心がけましょう。

 

窓を開けておくことで、外の音にも敏感になれます。そうすることで、何かに接触した時や誰かいた時にいち早く気づけます。バック運転する時は、ぜひ実践しましょう。

牽引車両のバック運転のコツを理解しよう

本記事では、牽引車両の特徴の説明や注意点などの解説とともに、バック運転のコツや駐車の方法を解説しました。

 

牽引車両の運転は練習して慣れていくことが大切です。練習して自信がつけば苦手意識もなくなり、上手に運転ができるようになるでしょう。本記事を読んで注意点や運転のコツなどをよく理解し、牽引車両の運転に役立てください。