「定年後にタクシードライバーを仕事として始められる？」
「タクシードライバーの平均年齢はどれくらい？」
「タクシードライバーになるのに必要な資格は？」
定年後に、タクシードライバーとして再スタートを切る人が意外と多いということをご存じでしょうか。

この記事では、定年後の再就職先としてタクシードライバーの仕事がおすすめな理由や、タクシードライバーになるために必要な資格について解説しています。また、年金を受給しながらタクシードライバーの仕事をする際のポイントも紹介しています。

この記事を読むことで、定年後にタクシードライバーの仕事に就職する際の注意点を理解できるでしょう。定年後の仕事をどうしようか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。

タクシードライバーの仕事に定年はある？

タクシー会社には定年が定められている場合があり、60〜65歳を目安に定年を迎えるケースが多いでしょう。ただし、定年後の再雇用や契約期間の延長などがあるタクシー会社では、定年を超えても働き続けることができます。

では、タクシー会社に勤めるのではなく、個人タクシーで事業者として仕事をする場合はどうなるのでしょうか。

個人タクシーを経営するためには全国個人タクシー協会の許可を得る必要があり、その規約によると2002年2月以降に許可を受けた人の定年は75歳とされています。

出典：個人タクシーの経営者になるには｜一般社団法人　全国個人タクシー協会
参照：http://www.kojin-taxi.or.jp/taxi/jigyohnushi.html

出典：個人タクシーと法人タクシーの違い｜一般社団法人　全国個人タクシー協会
参照：http://www.kojin-taxi.or.jp/taxi/chigai.html

平均年齢は？

厚生労働省の職業情報提供サイトに掲載されている情報によると、タクシードライバーの平均年齢は令和3年の統計データで60.7歳となっています。

類似した職業であるトラック運転手の平均年齢が49.9歳、路線バス運転手の平均年齢が53歳であることから、タクシードライバーの平均年齢は高いと言えるでしょう。

出典：タクシー運転手｜厚生労働省
参照：https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/188

出典：トラック運転手｜厚生労働省
参照：https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/477

出典：路線バス運転手｜厚生労働省
参照：https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/186

定年後にタクシードライバーを始められる理由とは

タクシー事業に関する国土交通省の資料によると、2014年のデータでは65歳以上の男性タクシー運転手が占める割合は22.4%となっています。

他の業種では定年退職後に再就職するのが難しいケースも多いですが、タクシー業界は比較的高齢でも採用されやすいのが特徴でしょう。給与は歩合制の場合が多く、高齢でも努力次第で収入を増やせるという点も魅力の一つです。

出典：タクシー事業の現状について｜国土交通省
参照：https://www.mlit.go.jp/common/001083859.pdf

タクシードライバーをしながら年金を受給できる？

定年後にタクシードライバーとして再就職した場合でも、年金を受給しながら働くことが可能です。

ただし、1か月あたりの老齢厚生年金と給与の合計が47万円（令和4年度の支給停止調整額）を上回ると、年金の減額や全額支給停止の措置を受けることになります。年金を受け取りながら働く人は、減額や支給停止のボーダーに注意しましょう。

出典：働きながら年金を受給する方へ｜日本年金機構
参照：https://www.nenkin.go.jp/tokusetsu/zairou.html

関連記事：「タクシードライバーの年収はどのくらい？給料の仕組みや収入アップのコツを紹介」

タクシードライバーに必要な資格は？

タクシードライバーになるには、普通第二種運転免許証が必要です。第二種免許を受験する条件として、19歳以上かつ普通自動車免許を1年以上保有していることが求められます。

出典：タクシー運転手｜厚生労働省
参照：https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/188

出典：第二種免許等の受験資格の見直しについて（令和４年５月13日）｜警察庁
参照：https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/jyuken_tokurei.html

シニア世代でタクシードライバーに転職したい際の注意ポイント

シニア世代がタクシードライバーを目指す場合、注意しておいた方がよいポイントが3つあります。タクシー業界への転職を検討している人は、ここで紹介するポイントをよく確認しておきましょう。

交通事故

高齢になると認知機能の低下により、交通事故のリスクが上がるとされています。タクシードライバーの業務に携わる場合は、交通事故を起こさないように細心の注意を払って運転する必要があるでしょう。

出典：高齢ドライバーを取り巻く現状｜国立研究開発法人　国立長寿医療研究センター
参照：https://www.ncgg.go.jp/ri/lab/cgss/department/gerontology/gold/about/page1.html

視力

安全運転には十分な視力と視野が求められますが、年齢を重ねると視力が低下したり、視野が狭くなったりして運転技能に影響を及ぼす場合があります。自覚がなくても視野が狭くなっている可能性があるため、運転は慎重に行いましょう。

出典：運転が不安になってきたシニアドライバーやそのご家族へ　運転免許証の「自主返納」について考えてみませんか？｜政府広報オンライン
参照：https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201804/3.html

肩こりや腰痛の悩み

タクシードライバーは長時間同じ姿勢で運転することが多く、肩こりや腰痛に悩まされる人も少なくありません。

肩こりや腰痛を慢性化させないように、適度な運動をする、睡眠時間をしっかり取る、入浴時は湯船に浸かって体を温めるなどの工夫が必要です。

出典：運輸系企業ドライバーの腰痛予防の指導方法｜独立行政法人 労働者健康安全機構
参照：https://www.johas.go.jp/Portals/0/data0/kinrosyashien/pdf/H26-11-1staff.pdf

シニア世代にタクシードライバーがおすすめのポイントとは

続いては、定年後のシニア世代の仕事としてタクシードライバーがおすすめである理由を紹介します。タクシー業界へ転職しようかどうか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。

未経験でも始めやすい

前述したように、タクシードライバーの仕事をするには第二種運転免許が必要ですが、タクシー会社が第二種運転免許の取得費用を補助してくれるケースが多いです。

採用時点で普通運転免許しか持っていなくても、入社後にタクシー会社の費用補助や教育支援を受けて第二種運転免許の取得を目指せるため、未経験でもチャレンジしやすいでしょう。

出典：タクシー運転手｜厚生労働省
参照：https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/188

性別にかかわらず働くことができる

タクシードライバーは、運転技術と接客マナーを身に付ければ性別に関係なく活躍できる仕事です。力仕事のように体力を使う仕事ではないため、タクシードライバーとして長く勤めている人も多いでしょう。

定年後の仕事としてのタクシードライバーを調べてみよう

タクシードライバーは定年後の再就職におすすめの仕事です。定年後も働くことを検討している人は、この記事を参考にしてタクシードライバーについて詳しく調べてみてはいかがでしょうか。